マーケットインとプロダクトアウトについて
マーケットインとプロダクトアウトは、商品開発やマーケティング戦略における基本的な概念です。これらのアプローチは、企業がどのようにして新しい製品やサービスを市場に投入するかを決定する際の指針となります。それぞれのアプローチには独自のメリットとデメリットがあり、企業の目標や市場環境に応じて使い分けることが重要です。
結論から言うと資金に余裕があるならマーケットインでもプロダクトアウトでも良い
資金に余裕がない、ビジネス初心者の場合はマーケットイン一択と言うのが私の結論です。
その理由を詳しく見ていきましょう。
マーケットインとは
マーケットインとは、顧客や市場のニーズを出発点として製品やサービスを開発するアプローチです。この手法では、まず市場調査や顧客のフィードバックを収集し、その情報に基づいて製品を設計・開発します。マーケットインの主な目的は、顧客のニーズを満たすことで顧客満足度を高め、安定した売上を確保することです。
マーケットインの最大の特徴はもう既に市場があることを確認してから商品を作る点です。
マーケットが既にある中に自分のサービスや商品をインさせるイメージです。
マーケットインのメリット
顧客ニーズを商品やサービスに反映
顧客の要望やニーズを徹底的に調査し、それに基づいて製品を開発するため、顧客満足度が高くなります。
ニーズの調査方法としてはもう既に既存のお客様リストを持っている場合はアンケートを実施するのが効果的です。
どのようなアンケート企画を実施すると良いのかについてはLINEのお友達追加で補足資料としてプレゼントしています。
リストがない場合はYahooの知恵袋などを参照するとお客様のニーズを発見することができます。
ただし、リスト構築ができていない場合は商品やサービスを作り始める前にリスト取りの施策を行う方が結果的に早く売り上げを上げることができる可能性があります。
詳しくは以下の記事をご覧ください↓
マーケットインの方がリスクが少ない
私がマーケットインをお勧めする最大の理由はここです!
もう既にお客様に対してニーズがあると分かってから商品を出すので、あとはお客様がそのニーズを満たすために商品を購入するのを待っていればいいだけですからね。
また、市場調査に基づいてやっているので売り上げ予測を立てやすいという特徴もあります。
このマーケットインの裏技的な方法として先行予約マーケティングというがあります。
クラウドファンディングなどで主に使われている手法で、マーケットインの場合はお客様にアンケートなどを取るので、お客様と共に商品を作り上げていくイメージです。
そこでアンケートに答えてくれた方には先行予約販売をします!というようなアナウンスを流し、先に商品の予約と代金を回収していく方法のことを先行予約マーケティングと言います。
この方法を用いればお金に余裕がなくても資金を先に調達することもでき、最初のロット数なども調整することができるようになります。
また、商品の開発途中のエピソードも合わせて紹介(プロセスマーケティング)することで顧客の期待値も更に高めることができます。
インスタグラムでのプロセスマーケティングはこちらの記事をご覧ください。
特別なプレゼントとして、実際に私が使っているインスタグラムローンチテンプレートも無料で配布しています。
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顧客ロイヤリティの向上の
顧客のニーズに応えることで、この会社はお客様の声にこんなに耳を傾けてくれるんだ!と感じてくれるでしょう。
その結果リピーターを増やし、口コミやレビューなども増えていき良いサイクルに入ることができるようになります。
マーケットインのデメリット
革新性の欠如
顧客の既存のニーズに応えることが主な目的であるため、革新的な製品を生み出すのが難しいです。
競合他社との類似性
顧客ニーズに基づいて製品を開発するため、競合他社と似た製品が市場に出回る可能性が高いです。
マーケットインの実例
アサヒ飲料の「ワンダ・モーニングショット」
アサヒ飲料は、市場調査でビジネスマンが朝に缶コーヒーを求めていることを把握しました。そこで、朝専用の缶コーヒー「ワンダ モーニングショット」を発売しました。発売当初は競合他社がなく、CMでブランドイメージの定着を図ったことで、発売から10年以上経った現在でも人気の商品となっています。このように、マーケットインで顧客ニーズを捉えた商品開発は成功しやすいと言えます。
ユニクロ
ユニクロは典型的なマーケットインの成功例です。ユニクロは顧客の声に耳を傾け、機能性とファッション性を兼ね備えた服を低価格で提供することで市場を席巻しました。具体的には、以下のようなマーケットインの取り組みを行っています。
- 店頭スタッフからの顧客の声を収集し、本社に報告する仕組みがある
- 顧客の意見を参考に、生地の風合いや着心地、デザインなどを改良
- 低価格でも高品質な服を提供するため、中国の工場と直接取引し、コストを抑える
このように、ユニクロは顧客の声に真摯に耳を傾け、ニーズに合った商品を開発・改良することで長期的な競争優位を確立しています。
ロボット掃除機
共働き家庭の増加に伴い、家事に時間を割けないというニーズが高まっていました。このニーズに応えた製品がロボット掃除機です。ロボット掃除機は、人の代わりに自動で掃除をしてくれるため、家事の負担を大幅に軽減できます。このようなユーザーニーズを的確に捉えた製品であるため、マーケットインの成功例と言えます。
マーケットインまとめ
マーケットインの一番重要なポイントとしてはお客様の声を日々集めることです。
・お客様はどんなことに悩んでいるのか?
・商品に対してどんな不満があるのか?
などなど
その上でお客様をしっかりとセグメントしておきましょう。
なぜなら、例えば男性向けの商品開発のアンケートで女性にもそのアンケートを送ってたら女性はうざいと思いますよね。
人は自分の興味関心がないものが来たら拒否反応を示します。なので、しっかりと性別、年代くらいはお客様を分けておくことが重要です。
そして、適切な人、適切なタイミングと文言でアンケートを実施しましょう。
プロダクトアウトとは
プロダクトアウトとは、企業が持つ技術やアイデアを基に製品を開発し、市場に投入するアプローチです。この手法では、企業の技術力や独自性を活かして革新的な製品を生み出し、顧客の潜在的なニーズを掘り起こすことを目指します。
プロダクトアウトは市場を作り出すイメージなので、爆発的な売り上げを期待できる反面、全く売り上げが上がらないというリスクが潜んでいます。
また、マーケットインと違って市場を創り出すフェーズからやらなくてはいけないので、宣伝費も多くかかる可能性が高いです。
補足として、市場は既にあって商品を宣伝するだけだとしてもマーケットインよりも認知拡大にかかる費用が多くなる可能性が高いです。
プロダクトアウトのメリット
革新性
企業の技術力や独自のアイデアを活かすことができるので、革新的な製品やサービスが生まれやすい。
市場の創造
顧客がまだ気づいていない潜在的なニーズを掘り起こし、新たな市場を創造することができる。
既にある市場よりも潜在的なニーズを持っている人の方が圧倒的にパイが大きい。
例えば、ダイエット市場で「もう既に痩せたい」と悩みが顕在化している層よりも、「太ってきたかもな!そろそろ痩せようかな」と思っている層や「そもそも痩せようかな?」と思っていない層に対して潜在的なニーズ(悩み)に気づかせることで大きなパイ(市場)を取ることができます。
これが冒頭でも言った爆発的な売り上げを期待できる理由です。
いかに今は全く悩んでいない顧客に対して問題定義し、悩みを気づかせるのかがポイントになります。
差別化
他社にはない独自の技術や製品を提供することで、競合他社との差別化を図ることができます。
プロダクトアウトのデメリット
市場リスク
顧客のニーズを二次的に考慮するため、市場のニーズと合致しない場合、製品が売れないリスクがあります。
私がプロダクトアウトを初心者にお勧めしない理由はここです。
プロダクトアウトの場合は製品やサービスをある程度完成させてから市場にリリースします。
その時に初めてその商品やサービスが市場に受け入れられるのが確認できます。
当たればいいですが、外した時は時間やお金の損失が大きいことからマーケットインの方が堅実だと考えています。
ただ、スモールテストをして進んでいく方法もあるので、どっちが正解ということはありません。
高コスト
技術革新を伴うため、開発コストが高くなることがあります。
また、開発コストが高くなるとコンコルド効果と言って失敗すると分かっていても後に戻れなくなることがあるので注意が必要です。
コンコルド効果などの用語を学びたい方は用語集をご覧ください。
プロダクトアウトの実例
AppleのiPhone
iPhoneはプロダクトアウトの典型例です。Appleは従来の携帯電話の概念を覆す革新的な製品を開発しました。
iPhoneの成功により、Appleはスマートフォン市場をリードするブランドとなり、他社に大きな影響を与えました。
SONYのウォークマン
SONYのウォークマンも代表的なプロダクトアウトの事例です。
- 音楽を外出先で聴くという新しいスタイルを提案した製品
- 当時の常識を覆す革新的な概念だったが、潜在的なユーザーニーズに応え大ヒット
- ウォークマンブランドの確立に成功し、後続のポータブルオーディオプレーヤー市場を切り開いた
SONYの優れた技術力と先見性により、新しい市場を創出することができました。
Googleの検索エンジンもプロダクトアウトの成功例として挙げられます。
Googleは革新的な検索技術とサービスで新しい価値を創出し、検索エンジン市場を独占しました。
プロダクトアウトのまとめ
プロダクトアウトは冒頭でも言った通り、ある程度予算に余裕がある企業が取れる戦略だと考えています。
実例のようにプロダクトアウトで成功すれば爆発的な売り上げを上げることができる反面、外した時の損失は大きいです。
しっかりとユーザーニーズを捉えなければ失敗するリスクも高くなります。
職人気質の人やこだわりが強い人はプロダクトアウトからビジネスに参入する方が非常に多いと感じています。
プロダクトアウトでもしっかりと買い手がそこにはいるのか?だけは調べておいた方がいいでしょう。
マーケットインとプロダクトアウトのまとめ
企業がマーケットインとプロダクトアウトのどちらを採用するかは、状況や目標によって異なります。
またマーケットインとプロダクトアウトと単語としては簡単に言えますが、その中でもやり方や方法などは無数にあります。
どちらが正解というよりもご自身の状況から目的を決めて最善策のレールを敷く上でどっちの方法が最善なのか?という視点で決めていくことが重要です。
悩んでしまう場合は無料相談もやっているので、お気軽にお問い合わせください。
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