このページでわかること
こんにちは、あきです。
商品の特徴を「お客さんにとっての良いこと」、つまりベネフィットに書き換える方法は、第4回で扱います。ただ、ベネフィットを書けても、まだ足りないことがあります。同じベネフィットを、隣の店も言えてしまうことです。第5回は、競合と並べられたときに「だからここを選ぶ」と言える1行、USPを作ります。
先に結論を書きます。
USPは、競合と並べたときに自社が選ばれる理由を、1行で言い切った文です。作り方は4ステップです。自社の特徴を書き出す。競合を並べる。お客さんが選ぶ理由を集める。3つが重なるところを1行にする。大事なのは、きれいな言葉を探すことではありません。「お客さんが欲しがっていて、自社が出せて、競合が言っていないこと」を見つけることです。言葉は最後に整えます。

この回のゴールは3つです。
- USPとは何か、強みやキャッチコピーとどう違うかを説明できる
- 4ステップで、自社のUSPの候補を3つ以上出せる
- 候補から1つを選び、競合と並べても負けない1行に書き直せる
所要時間は40分です。自社のチラシやサイト、競合のサイトを2〜3件開いた状態で読むと、手を動かしながら進められます。
この回で使う「USPを1行で書くワークシート」を、私のLINEで配布しています。特徴の書き出し欄、競合の比較表、3つの重なりの判定表、1行の型、仕上げのチェック欄をまとめました。
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まずこれだけ(最短の手順)
時間が無い方は、次の4つだけやってください。
- 1つ目 自社の特徴を、思いつくだけ箇条書きにする(10個を目標)
- 2つ目 競合を3件選び、同じ項目で横に並べる
- 3つ目 並べた表の中で、自社だけが持っていて、お客さんが気にしている項目に丸をつける
- 4つ目 丸をつけた項目を「〔誰〕の〔困りごと〕を、〔自社だけのやり方〕で解決する」の形で1行にする
この4つで、USPの下書きはできます。ここから先は、それぞれの手順をくわしく見て、架空のお店で書き直しを実演します。
1. USPとは
USPは、Unique Selling Proposition の頭文字です。日本語にすると「独自の売りの提案」です。Unique は「ほかにない」、Selling は「売るための」、Proposition は「提案」という意味です。
言い出したのは、アメリカの広告人ロッサー・リーブスとされています
USPという言葉は、アメリカの広告会社にいたロッサー・リーブスが、1961年の著書「Reality in Advertising」で示したとされています。コピーライターのボブ・ブライは、自身のサイトのコラムで、この本のUSPの条件を3つにまとめています。

| 条件 | 中身 | 今の言葉にすると |
|---|---|---|
| 提案であること | 「この商品を買えば、この利益が得られる」と言う | お客さんにとっての良いことを、はっきり言う |
| ほかにないこと | 競合が出せない、または出していない提案 | 競合がまだ言っていないことを言う |
| 人を動かす強さ | 多くの人を動かし、新しいお客さんを連れてくる | ちゃんと欲しい人がいることを言う |
出典 Bob Bly「Reality in Advertising」
ここで見落とされやすいのが、2つ目の「出していない」です。競合が「できない」ことだけがUSPではありません。競合もできるけれど、まだ誰も言葉にしていないことも、先に言えばUSPになります。小さなお店でもUSPが作れるのは、このためです。
日本語で言うと「選ばれる理由」
この講座では、USPを「競合と並べたときに、自社が選ばれる理由を1行にしたもの」と呼びます。お客さんは、ほとんどの場合、何かと比べて選んでいます。同じ駅の整体院、同じ地域の学習塾、同じ検索結果に並ぶネットショップ。その比べる場面で、最初に思い出してもらう1行がUSPです。
似た言葉との違い
USPのまわりには、似た言葉がたくさんあります。混ざると話がかみ合わなくなるので、ここで分けておきます。

| 言葉 | 何のこと | USPとの関係 |
|---|---|---|
| 強み | 自社が得意なこと | USPの材料。競合も同じなら、USPにはならない |
| ベネフィット | お客さんにとっての良いこと(第4回) | USPの1つ目の条件。ベネフィットの無いUSPは無い |
| 差別化 | 競合と違うところを作ること | USPを作るための作業の名前 |
| ポジショニング | お客さんの頭の中で、どの位置にいるか | USPを言い続けた結果、決まるもの |
| コンセプト | 商品やお店の考え方の芯 | USPより広い。USPはコンセプトを1行の約束にしたもの |
| キャッチコピー | 最初に目に入る短い言葉(第10回) | USPを、場面に合わせて言い換えたもの |
いちばん混ざりやすいのは、USPとキャッチコピーです。USPは「何を約束するか」という中身です。キャッチコピーは、その中身をチラシや広告の見出しで「どう言うか」という表現です。中身が決まらないうちに表現を考えると、言葉だけがきれいで、何も約束していないコピーになります。キャッチコピーの作り方は、第10回で扱います。
2. なぜUSPが要るのか
このページの旧版で起きていたこと
正直に書きます。このページは、2024年6月に公開した記事を書き直したものです。旧版は、USPの意味と、有名企業の例を並べた記事でした。
サーチコンソールで、データが残っている2025年6月11日から2026年10月20日までを見ました。旧版のこのページは、検索結果に表示された回数が0回でした。サーチコンソールは、自分のサイトが検索でどう表示されたかを見られる、Googleの無料の道具です。

検索で表示されない理由は1つではありません。ただ、読み返すと、旧版には「読んだ人が自分のUSPを書けるようになる」部分がほとんどありませんでした。意味の説明と有名企業の話は、ほかの記事にもたくさんあります。つまり、旧版そのものに、ほかの記事と並んだときに選ばれる理由、USPが無かったのです。今回は、作り方の手順と書き直しの実演を中心にして、作り直しています。
USPがあると変わること
USPが決まると、次のようなことが変わるとされています。
- 値段だけで比べられにくくなる。違いが言えないと、お客さんは値段で選ぶしかありません
- 思い出してもらいやすくなる。「あの、〇〇の店」と、一言で覚えてもらえます
- 言うことがぶれなくなる。チラシ、サイト、SNSで、同じ約束を繰り返せます
- 社内の判断が速くなる。新しいサービスを足すとき、USPに合うかどうかで決められます
ただし、USPを作れば売れる、とは言えません。USPは、選ばれる理由をお客さんに伝えるための道具です。商品そのものの中身や、届け方が伴わなければ、言葉だけが浮きます。
3. USPの作り方 4ステップ
ここからが本題です。架空の整体院を例に、4ステップを順に進めます。

例に使うお店(架空です) 駅から徒歩5分の整体院。施術者は院長1人。夜9時まで開いている。デスクワークの肩こりの相談が多い。
ステップ1 自社の特徴を書き出す
まず、自社の特徴を思いつくだけ書き出します。この段階では、良い悪いを決めません。「当たり前すぎる」と思うことほど書いてください。自分には当たり前でも、お客さんには知られていないことがよくあります。
漏れを防ぐために、次の9つの項目で考えます。

| 項目 | 架空の整体院の記入例 |
|---|---|
| 商品・サービスの中身 | 肩と首の施術が中心。1回40分 |
| 品質 | 毎回、施術の前後で肩の上がり方を一緒に確かめる |
| 価格 | 1回5,000円。回数券は無し |
| 場所・時間 | 駅から徒歩5分。平日は夜9時まで |
| 人 | 院長1人がすべて担当。前職は会社員で、デスクワーク歴10年 |
| 実績 | 開院4年目 |
| やり方 | 自宅でできる体操を、毎回1つだけ紙で渡す |
| サポート | LINEで次回の予約と、体操の質問ができる |
| 考え方 | 通わせ続けるより、自分で保てるようにしたい |
書き出したら、お客さんに聞かれたことも足します。「何時までやっていますか」「毎回同じ人ですか」のような質問は、お客さんが気にしている項目のしるしです。
ステップ2 競合を3種類に分けて並べる
次に、競合を並べます。ここで多いのが、同じ業種のお店だけを見てしまうことです。お客さんは、同じ業種だけと比べているわけではありません。競合は3種類に分けて考えます。

| 種類 | 中身 | 架空の整体院の場合 |
|---|---|---|
| 直接の競合 | 同じものを、同じお客さんに売っている | 同じ駅のほかの整体院、マッサージ店 |
| 間接の競合 | 違うもので、同じ困りごとを解決する | 病院の整形外科、ジムのストレッチ教室 |
| 代わりになるもの | お金をかけずに済ませる方法 | 動画を見て自分でストレッチ、湿布、我慢する |
3つ目の「代わりになるもの」が、いちばん手ごわい競合です。肩こりのお客さんの多くは、整体院に行く前に、動画や湿布で済ませようとします。USPは、ほかの整体院に勝つだけでなく、「自分で何とかする」より選ばれる理由でなければなりません。
競合を3件選んだら、ステップ1と同じ項目で横に並べます。競合のサイト、口コミ、チラシを見れば、たいていの項目は埋まります。なお、業界全体の力関係を見る枠組みとして、経営学者マイケル・ポーターが1979年にハーバード・ビジネス・レビューで発表した「5フォース」もあります。小さなお店なら、まずは上の3種類で十分です。
ステップ3 お客さんが選ぶ理由を集める
3つ目は、お客さんの側から見ることです。自社が言いたいことと、お客さんが選んだ理由は、ずれていることが多いからです。
集め方は3つあります。

| 方法 | やり方 | 向いていること |
|---|---|---|
| 直接聞く | 通っているお客さんに「なぜうちにしたか」「ほかにどこを見たか」を聞く | 本音や、言葉にしにくい理由がわかる |
| アンケート | 会計のときや、LINEで短い質問を送る | 多くの人の傾向がわかる |
| 口コミとSNS | 自社と競合の口コミで、ほめられている点と不満を読む | 競合の弱いところがわかる |
質問は「どこが良かったですか」より、「ほかと比べて、なぜここにしましたか」の方が役に立ちます。比べた理由を聞くことで、USPの材料になる答えが返ってきやすくなります。お客さん本人も気づいていない本音、インサイトの掘り方は、第3回で扱います。
架空の整体院で3人に聞いたところ、こんな答えが返ってきたとします。
- 「仕事帰りに寄れるのは、ここだけだった」
- 「家でやる体操を1つだけ教えてくれるのが、続けやすい」
- 「前の店は、毎回違う人で、説明をやり直すのが面倒だった」
ステップ4 3つが重なるところを1行にする
ステップ1から3の材料を、1つの表にまとめます。候補ごとに、3つの条件に丸かバツをつけます。

| 候補 | お客さんが欲しい | 自社が出せる | 競合が言っていない |
|---|---|---|---|
| 夜9時まで開いている | ○ | ○ | ×(2件が夜9時まで) |
| 駅から徒歩5分 | ○ | ○ | ×(全件が徒歩10分以内) |
| 毎回、院長が担当 | ○ | ○ | ○(2件は担当が変わる) |
| 体操を1つだけ紙で渡す | ○ | ○ | ○(体操を教える店はあるが「1つだけ」は無い) |
| 1回40分 | △ | ○ | × |
3つとも丸がついた候補が、USPの候補です。この例では「毎回、院長が担当」と「体操を1つだけ紙で渡す」が残りました。
残った候補を、1行の型に入れます。

型 〔誰〕の〔困りごと〕を、〔自社だけのやり方〕で解決する。根拠は〔証拠〕。
架空の整体院で入れると、こうなります。
デスクワークの肩こりを、毎回同じ院長が、家で続けられる体操1つまで見届けます。根拠は、院長自身がデスクワーク歴10年で、毎回施術の前後で肩の上がり方を一緒に確かめていること。
1行目がUSP、2行目の根拠は、サイトやチラシで本文に置く材料です。根拠が書けない候補は、USPにしてはいけません。言ったことを守れないと、信用を失うからです。
「USPを1行で書くワークシート」には、ここで使った9項目の書き出し欄、競合3種類の比較表、3つの条件の判定表、1行の型を、そのまま書き込める形で入れています。
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4. 書き直しの実演(架空の整体院)
型に入れた1行を、そのまま使うことはまずありません。ここからは、同じ整体院のUSPを5段階で書き直します。どこで何を直したかを見てください。

| 段階 | 文 | 直した点 |
|---|---|---|
| 1 | 心をこめた施術で、あなたの体を元気にします | 最初によく出てくる形。どの整体院でも言える |
| 2 | 肩こり専門の整体院です | 誰の何を扱うかは出た。でも「専門」と言う店は多い |
| 3 | デスクワークの肩こりを、毎回同じ院長が担当します | 競合が言っていない「毎回同じ人」を入れた |
| 4 | デスクワークの肩こりを、毎回同じ院長が、家で続けられる体操1つまで見届けます | お客さんの声にあった「体操1つ」を入れ、通うだけで終わらない約束にした |
| 5 | 仕事帰りの肩こりに。毎回同じ院長が、家で続ける体操を1つだけ渡します | 長いので、場面の言葉を前に出して2つに切った。チラシの見出し用 |
段階1から3で、いちばん大きく変わったのは「誰でも言える」から「この店しか言えない」になったことです。言葉の上手さは、ほとんど変わっていません。段階4は、ステップ3で集めたお客さんの言葉を使っています。USPの言葉は、自分で考えるより、お客さんの言葉を借りた方が伝わりやすくなります。
段階5は、USPをチラシの見出しに使うために言い換えたものです。中身は段階4と同じです。このように、USPは1つ決めたら、場面ごとに言い方を変えて使います。
判断が分かれるところ
書き直しの途中で、迷いやすいところが2つあります。
1つ目は、候補が2つ残ったときです。「毎回同じ院長」と「体操1つ」のどちらか1つにするか、両方入れるか。基本は1つに絞ります。ただ、2つが同じ約束の表と裏になっているなら、1行に入れてかまいません。この例では、「同じ人が最後まで見る」という1つの約束の中身なので、両方入れました。
2つ目は、競合が後から同じことを言い出したときです。USPは、一度決めたら終わりではありません。競合が真似をしたら、ステップ2からやり直します。リーブスの条件にある「出していない」は、時間がたつと崩れることがあるからです。
5. ほかの業種の作例(架空)
整体院以外でも、手順は同じです。2つの業種で、最初の下書きと仕上げを並べます。

架空の学習塾(中学生向け、生徒20人の小さな塾)
- 下書き 「一人ひとりに寄り添う、丁寧な指導」
- 仕上げ 「定期テストの2週間前から、毎日の自習の予定表を、塾長が一人ずつ作ります」
- 直した理由 「寄り添う」「丁寧」は、どの塾でも言えます。競合を並べたら、テスト前の予定表を一人ずつ作る塾は無かったので、そこを約束にしました
架空のBtoBの経理代行サービス(従業員10人以下の会社向け)
- 下書き 「経験豊富なスタッフが、経理業務をトータルサポート」
- 仕上げ 「領収書を写真で送るだけ。毎月5日までに、前の月の試算表をお届けします」
- 直した理由 「経験豊富」「トータル」は根拠が見えません。お客さんに聞くと、手間と、数字が出るまでの遅さが不満だったので、その2つを約束にしました
どちらも、形容詞を消して、数字と手順に置き換えています。USPがぼやけるときは、たいてい形容詞に頼っています。
6. 有名なUSPを分解する
実在の例を2つだけ、3つの条件で分解します。引用は短くし、出典を確かめられたものだけにしています。

M&M’Sの「Melts in your mouth, not in your hand」は、「口の中ではとけて、手の中ではとけない」という意味です。M&M’Sの公式サイトでは、今もこの言葉をブランドの元からの合い言葉として商品に使っています。チョコレートを手で持つとべたつく、という困りごとに対して、殻でおおわれているという商品の特徴を、お客さんの良いことに言い換えています。ボブ・ブライのコラムでも、USPの例として挙がっています。なお、この言葉を使い始めた年は資料によって食い違うため、ここでは書きません。
ダイソンの掃除機の「吸引力の変わらない」というコピーは、2014年のITmedia NEWSの記事で、すでに「有名すぎるCMコピー」として紹介されています。使っているうちに吸い込む力が落ちる、という掃除機によくある不満を、正面から言葉にしています。
2つに共通するのは、お客さんがすでに感じている小さな不満を、1つだけ選んで言い切っていることです。「おいしい」「よく吸う」のような、どこでも言えることは言っていません。
出典 M&M’S 公式サイト Heritage Collection、ITmedia NEWS 2014年6月17日
7. フレームワークとの関係
USPを作るときに使えるとされる枠組み、フレームワークはたくさんあります。全部を使う必要はありません。どの場面で何を使うかだけ、押さえておきます。

| フレームワーク | 何を見るか | 使うステップ |
|---|---|---|
| 3C | お客さん、競合、自社の3つ | ステップ1から3の全体。この回の4ステップは3Cの考え方と同じ |
| SWOT | 自社の強み、弱み、外の機会、外の脅威 | ステップ1。強みと弱みを書き出すとき |
| VRIO | 強みが、価値があるか、珍しいか、真似されにくいか、組織で生かせるか | ステップ4。候補が長く使えるかを見るとき |
| 5フォース | 業界の競争の強さ | ステップ2。競合を広く見るとき |
| 4C | お客さんにとっての価値、負担、便利さ、やりとり | ステップ3。お客さんの側から見直すとき |
| STP | 市場を分け、狙う相手を決め、立ち位置を決める | ステップ4の前。誰に向けるかが決まっていないとき |
フレームワークは、考える漏れを防ぐための表です。表を埋めることが目的になると、時間ばかりかかってUSPが出てきません。迷ったら、この回の4ステップだけで進めてください。誰に向けるかを決める作業は、第2回のペルソナ設定でくわしく扱います。売る相手をどう絞るかについては、ビジネスにおけるターゲット選定の記事にまとめています。
8. よくある失敗
USPの相談でよく見る失敗を5つ挙げます。

- 強みを全部並べる。「安い、早い、丁寧、駅近」と並べると、どれも印象に残りません。1つに絞ります
- 当たり前のことを言う。「清潔な店内」「安心の品質」は、お客さんにとって、あって当然のことです。USPにはなりません
- 根拠が無い。「地域No.1」のような言葉は、根拠が無いと法律の問題にもなります。表示のルールは第29回と第30回で扱います
- 競合を悪く言う。「他店のような雑な施術はしません」と書くと、読む人は気分を悪くします。自社の約束だけを書きます
- お客さんを見ていない。自社が言いたいことだけで作ると、お客さんが気にしていないことを約束してしまいます。ステップ3を飛ばさないでください
9. できたUSPを確かめる
1行ができたら、次の5つで確かめます。1つでも当てはまらなければ、ステップ4に戻ります。

- 競合の名前に入れ替えても、文として通じないか。通じてしまうなら、まだ「ほかにない」になっていません
- 根拠を、サイトやチラシで見せられるか
- お客さんが使っている言葉で書かれているか
- 声に出して、一息で言えるか
- 明日から、全員が守れる約束か
1つ目の入れ替えテストが、いちばん効きます。「心をこめた施術で、あなたの体を元気にします」は、どの整体院の名前を入れても通じます。「毎回同じ院長が、家で続ける体操を1つだけ渡します」は、院長が1人の店でなければ言えません。
10. USPをどこで使うか
決めたUSPは、次の場所で同じ約束として繰り返します。
- サイトのいちばん上と、会社案内の最初の1行
- チラシや広告の見出し(言い方は場面ごとに変える。キャッチコピーは第10回)
- SNSのプロフィール
- お客さんに「どこが違うの?」と聞かれたときの答え
USPの中から、場面ごとに何を一番に言うかを選ぶのが、次の第6回の訴求軸です。
動画でも解説しています
USPの考え方は、動画でも話しています。文字より動画の方が入りやすい方は、こちらもどうぞ。
よくある質問
小さなお店でも、USPは作れますか
作れます。リーブスの条件にある「ほかにない」は、競合が「出していない」ことも含みます。競合もできるけれど言葉にしていないことを、先に言えばUSPになります。小さなお店は、人や手順が見えやすいぶん、むしろ材料が多いことがよくあります。
USPは1つでないといけませんか
基本は1つです。複数あると、お客さんはどれも覚えません。ただ、商品ごとやお客さんの層ごとに、別のUSPを持つことはあります。その場合も、1つの商品とお客さんの組み合わせには、1つにします。
競合がいない新しい商品なら、USPは要りませんか
要ります。新しい商品でも、お客さんは「今のやり方」と比べています。ステップ2の「代わりになるもの」が、その商品の競合です。
USPはどのくらいで見直しますか
決まった期間はありません。競合が同じことを言い出したとき、お客さんの選ぶ理由が変わったとき、自社のサービスを変えたときに見直します。
つまずきポイント
特徴が3つしか出てこない
9つの項目を1つずつ見て、「当たり前」と思ったことも書いてください。それでも出ないときは、お客さんに「なぜうちにしたか」を聞くと、自分では思いつかなかった特徴が出てきます。
3つの条件に丸がつく候補が1つも無い
いちばん多いのは、「競合が言っていない」がバツになるケースです。この場合は、候補をもう一段細かくします。「夜9時まで」がバツなら、「夜9時まで、予約なしで入れる」のように、競合が言っていない部分を探します。それでも無ければ、サービスそのものを変える必要があるかもしれません。
1行が長くなる
まず、形容詞を全部消してください。次に、根拠は2行目に移します。それでも長ければ、候補を1つに絞ります。
慣れたらここまで
USPの候補を3つ作り、同じ広告やチラシで1つずつ試して、反応を比べます。どの約束にお客さんが反応するかは、数字で見ないとわかりません。反応の差を確かめる手順は、第35回のABテストの回にあります。
突き詰めるなら
USPを、言葉だけでなくサービスの設計に戻します。「毎回同じ院長」をUSPにしたなら、予約の取り方、カルテの書き方、休みの日の対応まで、その約束を守れるように変えます。USPは、言葉にした約束を、お店の仕組みで守り続けたときに、はじめてお客さんの頭に残ります。
まとめ
- USPは、競合と並べたときに自社が選ばれる理由を、1行で言い切った文
- 言い出したのはロッサー・リーブスとされ、条件は「提案」「ほかにない」「人を動かす強さ」の3つ
- 作り方は4ステップ。特徴を書き出す、競合を3種類で並べる、お客さんが選ぶ理由を集める、3つが重なるところを1行にする
- 書き直すときは、形容詞を消して、数字と手順とお客さんの言葉に置き換える
- できたら、競合の名前に入れ替えても通じないかを確かめる
「USPを1行で書くワークシート」は、特徴の書き出し欄、競合の比較表、3つの条件の判定表、1行の型、仕上げの5つのチェック欄を、そのまま書き込める形にまとめています。
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次のレッスン
第6回は、訴求軸です。USPや特徴が複数あるときに、場面ごとに何を一番に言うかを、根拠を持って選びます。
この講座の全40回の一覧は、講座トップにまとめています。 → コピーライティング講座トップ


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