このページでわかること
こんにちは、あきです。
第26回で、カタログとダイナミック広告を扱いました。第27回は、広告アカウントが制限されたり停止されたりしたときに、何を確かめて、どう動くかの回です。
先に結論を書きます。
Metaの広告の制限は、「広告が止まった」の一言では片づきません。公式ヘルプでは、1日に使える金額の制限から、広告の掲載そのものの停止まで、いくつかの段階があると説明されています。理由も、ポリシーへの違反だけではありません。不正アクセスの疑い、二段階認証の未設定、支払いの失敗でも制限がかかります。
制限されたら、最初に開くのはビジネスサポートホームです。そこで「どのアカウントが」「どの理由で」止まったかを読み、出てきた対処方法から1つを選びます。審査のリクエストは回数が限られていて、結果は最終決定です。理由を読まずにすぐ出すのではなく、直してから出します。

この回のゴールは3つです。
- 制限の段階と理由を読み分けられる
- ビジネスサポートホームで対処方法を選び、審査のリクエストを出せる
- 制限を招きにくい運用を、日々の作業に組み込める
所要時間は25分です。今は止まっていない人も、ビジネスサポートホームの場所だけは一度開いて確かめておくと、いざというときに迷いません。
「Meta広告 制限・停止の対処シート」を、私のLINEで配布しています。制限の段階と理由の読み分け表、対処方法の選び方、審査のリクエストを出す前の確認欄、防ぐ運用の点検表をまとめました。
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1. 制限には段階がある
Metaの公式ヘルプ「広告利用の制限について」では、制限の中身として次の4つが挙げられています。
| 制限の中身 | 起きること |
|---|---|
| 1日の消化金額の制限、支払い単位額の減額 | 広告は出せるが、使える金額が小さくなる |
| 一部の支払い機能の停止 | 支払い方法の追加や変更などができなくなる |
| 一部の広告機能の停止 | 一部の機能が使えなくなる |
| 広告掲載機能の停止 | 広告を出せなくなる |

「停止」と呼ばれているものの中には、金額の制限だけのものも含まれます。広告が出ているのに配信の量が急に減ったときは、1日の消化金額が制限されていないかを確かめます。逆に、広告がすべて止まっていれば、広告掲載機能の停止を疑います。
公式ヘルプには、ポリシーを守り続けていると確認できるまで、1日の消化金額、請求の頻度、使える支払い機能を一時的に制限する場合がある、とも書かれています。新しく作ったばかりのアカウントで金額に上限がかかるのは、このためです。違反をしたという意味ではありません。
2. 制限の理由は4つ
同じページでは、制限の理由として次の4つが挙げられています。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| ポリシーへの違反 | コミュニティ規定、広告規定、コマースポリシーなどに従っていない |
| 不正利用・不正アクセスの疑い | ビジネスポートフォリオやアセットが、本人以外に使われた疑いがある |
| 二段階認証の要件 | 求められている二段階認証を設定していない |
| 支払いと異常なアクティビティ | 不審な支払い、いつもと違う動き、支払いの失敗や異議申し立てが多い |

理由によって、次にやることがまったく違います。ポリシー違反なら、違反の箇所を直してから審査のリクエストを出します。不正アクセスの疑いなら、まず本人確認とアカウントの安全の確保です。二段階認証なら、設定すれば戻ることがあります。支払いなら、支払い方法を確かめます。
だから、理由を読む前に動かないでください。「とりあえず審査のリクエスト」を押すのは、いちばんもったいない動き方です。
3. どのアカウントが止まったかを見分ける
制限は、広告アカウントだけにかかるものではありません。公式ヘルプでは、ビジネスポートフォリオ、広告アカウント、ページ、個人のアカウントの4つが、広告利用の制限の対象として挙げられています。
| 止まったもの | 影響の範囲の目安 |
|---|---|
| 広告アカウント | その広告アカウントで広告を出せない |
| ビジネスポートフォリオ | その中の広告アカウントやアセットに広がる |
| ページ | そのページを使った広告が出せない |
| 個人のアカウント | その人が管理している広告の操作ができない |

個人のアカウントが止まると、その人が持っていた権限で操作していたものに手が届かなくなります。会社の広告を1人の個人アカウントだけで管理していると、ここで行き詰まります。ビジネスポートフォリオの考え方は第6回で扱いました。
止まったのがどれかで、審査のリクエストを出す人も変わります。公式ヘルプでは、審査をリクエストするには、そのアカウントの管理者である必要があるとされています。
4. 確かめる場所はビジネスサポートホーム
制限の中身と理由は、ビジネスサポートホームで確かめます。公式ヘルプ「停止または制限されたアカウントのトラブルシューティング」では、次の順で開くとされています。
1. ビジネスサポートホームを開く 2. [アカウントステータスの概要]を開く 3. 制限されたアカウントを選ぶ 4. [対処方法]で、出ている選択肢を確かめる
Metaビジネスヘルプセンター「停止または制限されたアカウントのトラブルシューティング」

制限の連絡が届いたら、連絡の中のリンクではなく、自分でブックマークしたビジネスサポートホームから開くのが安全です。制限の通知を装った詐欺のメッセージがあるからです。本物の制限なら、ビジネスサポートホームを自分で開いても、同じ内容が表示されます。
通知が本物かを確かめる
次のどれかに当てはまる連絡は、本物かどうかを疑います。
- パスワードやログインのコードを入力させようとする
- 「24時間以内に手続きしないと削除」など、急がせる
- Metaとは関係のないドメインのページに誘導する
- 「停止を解除します」とお金を求める

判断に迷ったら、メッセージには触れずに、ビジネスサポートホームを自分で開きます。そこに制限が表示されていなければ、その連絡は無視してかまいません。
5. 対処方法は4つ
[対処方法]に出てくる選択肢は、公式ヘルプでは次の4つです。どれが出るかは、制限の理由によって変わります。
| 対処方法 | いつ使うか |
|---|---|
| 本人確認 | アカウントを使っているのが本人だと示す必要があるとき |
| 認証を完了 | 求められている認証が終わっていないとき |
| アカウントの安全を確保 | 二段階認証などの設定を求められたとき |
| 審査をリクエスト | 制限が誤りだと考えるとき、違反を直したとき |

出ている選択肢を上から順にこなす、が基本です。本人確認や二段階認証で解決するものに、審査のリクエストを出しても進みません。
本人確認で求められるもの
公式ヘルプでは、本人確認で次のものを求められることがある、とされています。
- 登録しているメールアドレス
- SMSを受け取れる携帯電話
- 本人確認書類の写真
- 登録している支払い方法

本人確認は、始めたら決められた期間内に終える必要があります。書類の写真を撮る、登録したメールを開ける、といった準備をしてから始めます。退職した人のメールアドレスで登録していると、ここで止まります。
二段階認証で戻ることがある
公式ヘルプには、二段階認証を設定していないとBusiness Suiteのツールの使用が制限されることがあり、有効にすると使えるようになる、と書かれています。理由が二段階認証なら、審査のリクエストは要りません。設定すれば済みます。
6. 審査のリクエストを出す
ポリシー違反で止まった、または制限が誤りだと考えるときは、審査のリクエストを出します。手順は公式ヘルプ「制限された広告アカウントの審査をリクエスト」に書かれています。
1. ビジネスサポートホームの[アカウントステータスの概要]を開く 2. 制限されたアカウントを選ぶ 3. [対処方法]を開く 4. [審査をリクエスト]を選び、案内に沿って送る
Metaビジネスヘルプセンター「制限された広告アカウントの審査をリクエスト」

送ったあと、結果が出るまでの目安は通常48時間です。長引く場合もある、と公式ヘルプにあります。
回数は限られ、結果は最終決定
ここがいちばん大事なところです。公式ヘルプでは、審査のリクエストを出せる回数には限りがあり、審査の結果は最終決定とされています。1回目を、理由を読まずに出してしまうと、残りの機会が減ります。
出す前に、次の3つを確かめます。
- 制限の理由を読み、ポリシー違反なら、どの広告やページが当てはまるかを特定した
- 当てはまる広告を直したか、配信を止めた。リンク先も見直した
- 本人確認や二段階認証など、ほかの対処方法が出ていないことを確かめた

リクエストの中で説明を書く欄があれば、何を直したかを事実で書きます。「どの広告の、どの表現を、どう変えた」「リンク先の表記を足した」というふうにです。謝罪の言葉を並べるより、直した中身が伝わることの方が大切です。
審査を求めたこと自体がマイナスに数えられることはない、と公式ヘルプにあります。制限が誤りだと判断できるなら、出すこと自体に問題はありません。ためらうべきなのは、理由を読まずに出すことの方です。
「Meta広告 制限・停止の対処シート」には、審査のリクエストを出す前の3つの確認欄と、何を直したかを書き出す欄を入れています。出す前に一度、紙の上で整理してから送ってください。
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7. 解除されたら、広告を手でオンにする
制限が解除されても、広告は勝手には戻りません。公式ヘルプでは、制限の前に配信していた広告は自動では再開されず、広告マネージャでオンにし直す必要がある、とされています。

解除の通知を見て安心し、広告がオフのまま数日たっていた、ということが起きます。解除されたら、その日のうちに広告マネージャを開きます。違反に当たっていた広告は、オンにする前にもう一度中身を確かめます。
6か月とプリペイドの残高
公式ヘルプには、ポリシー違反で停止され、復元の対象にならない状態が6か月続くと、使っていないプリペイドの残高が失効することがある、と書かれています。その後は、残高を戻すことはできないとされています。前払いで残高を入れている場合は、停止を放置しないでください。
8. 支払いの失敗で止まったとき
制限の理由に、支払いの失敗が多いことが含まれています。ポリシーに違反していなくても、クレジットカードの有効期限が切れたまま、利用枠がいっぱいのまま、という状態が続くと、制限の理由になりえます。

支払いが原因と読めたら、支払い方法を確かめて、残っている請求を支払います。そのうえで、ビジネスサポートホームに出ている対処方法に沿って進めます。広告アカウントの支払い設定は第8回で扱いました。
防ぐには、カードの有効期限を前もって予定表に入れておきます。期限が来る前に新しいカードに切り替えれば、支払いの失敗が重なることはありません。
9. 不正アクセスの疑いで止まったとき
理由が不正アクセスの疑いなら、ポリシーの話ではなく、安全の話です。まず[対処方法]に出ている本人確認や、アカウントの安全の確保を進めます。

本人確認が終わったら、パスワードを変え、二段階認証を設定し、身に覚えのない広告、支払い方法、管理者が足されていないかを確かめます。知らない人が管理者に入っていれば、外します。乗っ取りを防ぐ設定、管理者を2人以上にする考え方、ビジネスポートフォリオの権限の分け方は、第6回で扱いました。
10. 止まったときに、やらないこと
制限されたときに、慌てて選びがちな動きが3つあります。どれも、状況を悪くするだけです。
| やらないこと | なぜか |
|---|---|
| 理由を読まずに審査をリクエストする | 回数が限られ、結果は最終決定。機会を1回失う |
| 別のアカウントを作って同じ広告を出す | 制限の理由が直っていない。同じことが起きやすい |
| 復旧の代行をうたう連絡にお金を払う | 公式の窓口ではない。パスワードを渡す危険がある |

別のアカウントで出し直したくなる気持ちはわかります。ただ、違反の箇所を直さないまま出せば、同じ理由で止まる可能性が高いままです。作り直しの扱いについては公式ヘルプで具体的な決まりを確かめられなかったので、この回では「理由を直してから、元のアカウントで審査を出す」を基本にします。
SNSのメッセージで「停止を解除できます」と声をかけてくる業者もいます。公式ヘルプで案内されている窓口は、ビジネスサポートホームです。ログイン情報を他人に渡すと、それ自体が不正アクセスの理由になりかねません。
11. 制限を招きにくい運用
制限は、起きてから対処するより、起きにくくする方が楽です。ここまでの理由4つの裏返しが、そのまま防ぐ運用になります。
| 理由 | 防ぐ運用 |
|---|---|
| ポリシーへの違反 | 出す前に広告とリンク先を点検する(第22回) |
| 不正アクセスの疑い | 全権限の管理者を2人以上にし、全員が二段階認証を使う |
| 二段階認証の要件 | ビジネスポートフォリオで二段階認証を求める設定にする |
| 支払い | カードの有効期限と利用枠を月に1回確かめる |

リンク先も見られている
広告だけでなく、押した先のページも審査の対象です。広告に書いた価格や条件とページの内容が合っているか、会社名・住所・連絡先・特定商取引法に基づく表記があるか、別のページに飛ばしていないかを確かめます。出す前の点検の項目は、第22回でまとめました。
却下をため込まない
広告1つずつの却下も、重いものや同じ違反が重なると、アカウント全体の制限につながりえます。1つずつの広告の却下を、理由を読んで直す。これを続けることが、アカウントの制限を遠ざけます。
12. 記録を残す
制限がかかったら、日付、止まったアカウント、理由、選んだ対処方法、結果を1行で残します。審査のリクエストは回数が限られているので、いつ何を出したかを後から見られることが大切です。
| 日付 | 止まったもの | 理由 | 対処方法 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| (例)月日 | 広告アカウント | ポリシー違反 | 広告を直して審査をリクエスト | 解除、広告を手でオン |

管理者が複数いるなら、記録の置き場所を共有します。誰かが知らないうちに2回目のリクエストを出していた、ということを防げます。
よくある質問
制限の理由が「ポリシー違反」としか書かれていません。どの広告が原因かわかりません
まず、広告マネージャで却下されている広告がないかを確かめます。却下の理由は広告ごとに表示されます。却下の読み方と直し方は第22回で扱いました。リンク先の表記や、扱っている商品そのものが理由のこともあります。
審査のリクエストを出してから48時間たっても返事がありません
待つ目安は通常48時間で、延びる場合もあります。同じリクエストを重ねて出すと、限られた回数を使うことになりかねません。ビジネスサポートホームでステータスを確かめながら待ちます。
新しく作った広告アカウントで、使える金額に上限があります
公式ヘルプでは、ポリシーを守り続けていると確認できるまで、1日の消化金額などを一時的に制限する場合がある、とされています。違反をした印ではありません。支払いを正常に続けながら様子を見ます。
個人のFacebookアカウントが止まり、広告の管理画面に入れません
同じビジネスポートフォリオに、全権限を持つ管理者がもう1人いれば、その人が操作を続けられます。いなければ、止まった本人がビジネスサポートホームの対処方法に沿って進めるしかありません。管理者を2人以上にする理由はここにあります(第6回)。
つまずきポイント
解除されたのに配信されない
制限の前に出していた広告は、自動では再開されません。広告マネージャで、キャンペーン、広告セット、広告のそれぞれがオンになっているかを確かめます。
本人確認の途中で止まった
登録したメールアドレスや電話番号を、今は使っていないことがあります。本人確認は決められた期間内に終える必要があるので、始める前に、登録している連絡先が受け取れる状態かを確かめます。
審査のリクエストの項目が出てこない
審査をリクエストするには、そのアカウントの管理者である必要があります。項目が出ないときは、自分の権限を確かめます。また、本人確認や二段階認証が先に求められていることもあります。
慣れたらここまで
ビジネスサポートホームを、月に1回開く習慣をつけます。制限が出ていないか、出ている警告がないかを見るだけなら、数分で終わります。カードの有効期限と管理者の顔ぶれも、同じ日にまとめて確かめます。
突き詰めるなら
広告アカウントを使う人、使う端末、使う支払い方法を、社内で一覧にしておきます。退職や異動のたびに一覧を直し、使わなくなった人の権限を外します。権限を持つ人が少なく、全員が誰かわかっている状態が、不正アクセスの疑いを遠ざけます。
まとめ
- 制限には、金額の制限から広告掲載の停止まで段階がある
- 理由は、ポリシー違反、不正アクセスの疑い、二段階認証、支払いと異常な動きの4つ
- 確かめる場所はビジネスサポートホーム。連絡のリンクではなく、自分で開いて確かめる
- 対処方法は、本人確認、認証、安全の確保、審査のリクエストの4つ。出ているものから順にこなす
- 審査のリクエストは回数が限られ、結果は最終決定。直してから出す
- 解除されても広告は自動で再開しない。広告マネージャでオンにする
「Meta広告 制限・停止の対処シート」は、制限の段階と理由の読み分け表、対処方法の選び方、審査のリクエストを出す前の確認欄、防ぐ運用の点検表をまとめています。
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次のレッスン
第28回は、コンバージョンが計測されない、またはずれるときの確かめ方です。広告は出ているのに数字が合わない、というときに、どこから見ていくかを順に追います。
この講座の全32回の一覧は、講座トップにまとめています。 → メタ広告マスター講座トップ


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