どうも!あきです。
この記事では、広告費を増やさずに売上を伸ばしている経営者の方が、必ずやっている3つのことについて、できるだけ具体的にお話ししていきます。
実は、ここ10年で、Google広告のクリック単価は約1.7倍に上がりました。ところが、広告で稼ぎ続けている経営者の方は、減るどころか、むしろ増えています。同じ市場、同じ媒体、同じ広告費。それなのに、利益が消えていく経営者と、ちゃんと残せる経営者に、はっきり分かれている。この差はどこから来ているのか。
これまで何十社ものクライアント様の広告アカウントを見てきて、利益を残し続ける経営者の方には、はっきりとした共通点があると分かりました。今日はその共通点を、3つに整理してお話しします。最後まで読んでいただくと、明日から自社で何を始めればいいかが、ぜんぶ見えるはずです。
広告費が上がり続ける「構造」の正体
まず、なぜ広告費が上がり続けているのか。その構造から整理させてください。ここを押さえないまま3つのポイントだけをお伝えしても、伝わり方が弱くなってしまうからです。

CPA・CPM・CPCがどれくらい上がっているか
最初に、数字を3つだけ覚えてください。
1つ目、CPA、つまり1件のお客様を獲得するのにかかる広告費。これが、業種にもよりますが、ここ1〜2年で平均5割から6割は上がっています。健康食品、美容、アパレルの上昇が特に大きいです。
2つ目、CPM、つまり1000回広告が表示されるごとの単価。これは2024年から2026年にかけて、ざっくり4割上がっています。
3つ目、CPC、クリック単価。これは10年スパンで見ると、約1.7倍。10年前に100円で取れていたクリックが、今は170円かかる、ということです。
これを経営者目線に翻訳すると、こうなります。3年前と同じ予算で広告を回しても、今は取れるお客様の数が半分以下になっている可能性がある。同じ売上を維持するだけで、広告費を倍にしないといけない。これが構造的に起きているんです。
なぜ上がり続けているのか。原因は4つ
1つ目、プライバシー規制の強化です。iOSのアップデートで、お客様の行動を追いかける仕組みが大きく制限されました。媒体側が以前ほど誰が買ったかを把握できなくなり、配信の精度が落ち、無駄打ちが増えています。
2つ目、広告主の急増です。同じ配信枠を取り合う広告主が増えれば、オークションは熾烈になります。Meta社の2024年通期決算では、広告収益が前年比21.7%増でした。それだけ広告主が増えて、たくさんお金を払っているということです。
3つ目、CVRの低下です。クリックは取れる。でも買ってもらえない。1クリックの値段はそこまで急には上がっていなくても、買ってもらえる割合が下がっているので、結果としてCPAが押し上げられます。
4つ目、クリエイティブの摩耗が早くなっていること。2024年は1つの広告クリエイティブが3〜4週間は使えていました。それが2026年では1〜2週間で反応が落ちると言われます。同じ体制でも、クリエイティブ制作の負荷が倍近くに増えているんです。
ここで一つお伝えしたいのは、いま広告で苦しんでいる経営者の方の悩みの半分以上は、あなたのせいではないということです。市場の構造が変わったので、戦い方そのものを変えないと、いくら頑張っても薄利が続きます。
「新規依存」の天井と、LTV/CACという経営の物差し
広告費に頼り切る経営から抜け出すために、まず自社のビジネスをある物差しで見る必要があります。それが、LTVとCACです。
LTVは「ライフタイムバリュー」の略で、お客様一人が生涯のうちに自社にいくら払ってくれるか、という金額です。たとえば美容院に毎月8千円で5年通うお客様なら、8千円かける12ヶ月かける5年で48万円。これがそのお客様のLTVです。
CACは「カスタマー・アクイジション・コスト」、お客様を1人新規で獲得するのにかかるコスト全体のことです。

LTV/CACが3倍以上ないと、未来は厳しい
ここがポイントです。LTVがCACの3倍以上ないと、健全な経営とは言えない、という考え方が一般化しています。
3倍を超えていれば、新規獲得に積極的にお金を使える状態です。3倍を切ると要改善。新規を増やすよりも先に、LTVを上げる手を打ったほうが安全です。1倍を割ったら赤字なので、いったん広告を止めて、ビジネスの仕組みそのものを見直す時期かもしれません。
計算は簡単です。1人あたりの平均購入金額、購入頻度、平均継続年数。この3つを掛け算したものが、自社のLTVのおおよその数字になります。1年間に広告と営業にかけたお金を、その期間に獲得した新規のお客様の人数で割れば、CACが出ます。
広告に月100万円使っているのに、自社のLTVを即答できる経営者の方は、感覚ですが10人に1人くらいの印象です。この記事を読み終わったあと、ぜひ一度、自社の数字を計算してみてください。思っていた数字と全然違うはずです。
1対5の法則と、5対25の法則

有名な研究の話をします。ベイン・アンド・カンパニーのフレデリック・ライヘルドが、100社以上を長年調べて発表した数字です。
1対5の法則。新規のお客様を1人獲得するには、既存のお客様を維持するコストの約5倍がかかる。
5対25の法則。お客様の離脱率を5%減らすだけで、業界によっては利益が25%、多いところでは90%上がる。
つまり、広告で新規を取るよりも、既存のお客様の離脱を防ぐほうが、はるかに利益への効きが大きい。これがもう何十年も前から証明されているんです。それでも多くの会社が広告費の大半を新規獲得に振り続けています。底が抜けたバケツに、必死で水を注いでいる状態です。
広告費を増やさず売上を伸ばす「3つのこと」
ここからが本題です。広告費を増やさずに売上を伸ばしている経営者の方が、共通してやっていること。3つに整理してお話しします。
1つ目 オンボーディング設計|最初の30日で勝負が決まる
オンボーディングとは、お客様がサービスを使い始めた直後の体験のことです。最初の1週間、最初の30日でお客様が「この商品は良いな」と感じられたかどうかが、その後リピートしていただけるかをほぼ決めてしまいます。
多くの会社は、新規を取ることに全エネルギーを使い、取れた後を誰も設計していません。でもお客様視点では、買った瞬間からが本番です。買ったあとに使い方が分からないと感じた瞬間、もう次はありません。
あるEC系のクライアント様は、リピート率が2割台で止まっていました。理由は、商品が届いた後の連絡が一切なかったこと。そこで、到着翌日に使い方ガイドを自動送信し、3日後に困っていないかの確認、7日後に同じ悩みのお客様の事例を紹介する。この3つを設計しました。広告クリエイティブは一切変えず、届いた後の体験だけを整えた結果、リピート率は3ヶ月で4割を超えました。
2つ目 継続率を上げる仕組み|離脱を「防ぐ」設計
毎月のお客様の離脱率、いわゆるチャーンレートは、業種にもよりますが月3%から10%が一般的です。仮に月10%の離脱があると、100人のお客様が1年後には30人くらいまで減ってしまいます。
あるBtoBサービス系のクライアント様は、月次チャーンが約8%ありました。そこで、契約から1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月後に必ずフォローを入れること、年間プランへの切り替え割引を半年継続者限定で案内すること、利用頻度が落ちたお客様に自動でアラートを飛ばして解約前に連絡を取ること。この3つを実施しました。
これも広告クリエイティブは一切変えていません。半年でチャーン率は8%から3%まで下がり、月の売上は1.5倍以上に伸びました。ポイントは「やめないでください」とお願いするのではなく、「やめる前にこちらから声をかける」設計に変えたことです。継続は根性論ではなく、仕組みで作るものです。
3つ目 紹介プログラム|自社の資産を「報酬」に変える

3つ目が、今日いちばん大きな話です。紹介プログラム、いわゆるリファラルマーケティングです。
世界的に有名な事例が、クラウドストレージのDropboxです。Dropboxはたった15ヶ月で、ユーザー数を10万人から400万人まで伸ばしました。やったことは、紹介プログラムの徹底的な設計です。お友達を紹介すると、紹介した側とされた側の両方に500メガバイトの追加ストレージがプレゼントされる。紹介を続けるほど容量が増えていく仕組みです。
天才的なのは、報酬として配ったのが現金ではなく、自社がすでに持っているストレージ容量だったこと。サーバーは元からあるので、追加コストはほぼゼロです。結果、ピーク時には新規登録の35%が紹介経由となり、推定で48億円以上の獲得コストを節約したと言われています。
これは中小企業にもそのまま応用できます。飲食店なら次回のドリンク1杯。美容サロンなら次回施術の20分延長。コンサルなら1時間の追加相談。大事なのは、お金を配るのではなく、自社がすでに持っている資産を報酬にすることです。紹介で来るお客様は獲得コストが極端に低く、信頼ベースで来てくれるのでLTVも高くなりやすい。広告で取るお客様とは利益への貢献度がまるで違います。
もう一つ大事なのが、お願いするタイミングです。買っていただいた直後、お客様が「やってよかった」と一番強く感じている瞬間にお願いするのと、半年後にいきなりお願いするのとでは、紹介してもらえる確率が10倍くらい変わります。仕組みを作るときは、いつ・どのタイミングで・どう伝えるかまでセットで設計してください。
「広告」と「LTV設計」は別物ではなく、循環している

ここまで読むと「もう広告は減らしていいんですね」と感じるかもしれません。でも、ちょっと違います。LTVを上げる仕組みを作った会社様は、結果的に広告でも勝てるようになります。お客様1人あたりの生涯売上が増えると、許容できるCPAが上がるからです。
具体例で説明します。LTVが3万円の会社が、健全水準のLTV/CAC3倍を保ちたいなら、許容できるCACは1万円までです。ところがLTVを5万円まで伸ばせたら、許容CACは約1.7万円まで上がります。同じCPA1.7万円でも、利益が出る側に回れるということです。
これが何を意味するか。競合がCPA1万円までしか払えないなかで、自社は1.7万円まで払える。広告のオークションで競合より高く入札でき、広告枠の取り合いで構造的に有利になります。LTVを上げる経営者は広告でも勝ち続け、LTVを放置している経営者は広告費競争で消耗していく。同じ市場でも、ここで明暗が分かれます。
だからこそ、広告とLTVを分けて発注すると、うまくいきません。広告の代理店は「CPAを下げました」、LPの会社は「CVRを上げました」、メルマガ担当は「開封率を上げました」と各々が自分の数字を報告する。それぞれは頑張っているのに、月の売上トータルでは変わっていない。広告も、LP も、メルマガも、LTV設計も、一つの循環として並走できるパートナーが必要になるのは、このためです。
まとめ|広告費だけに頼らない経営へ
いま広告の世界で起きているのは、CPAが業種によって5割以上、CPMが4割、CPCが10年で1.7倍という構造的な変化です。これは個人の運用テクニックの問題ではありません。
だからこそ、LTV/CACという物差しで自社を見直し、オンボーディング設計・継続率の仕組み・紹介プログラムの3つを設計する。そして、広告とLTVを一つの循環として回す。広告で出会って、リピートで利益を作る。この設計に切り替えると、利益の出方は大きく変わります。
弊社は「広告を増やしましょう」のご提案を、ほとんどしないタイプの代理店です。むしろ「いったん広告費を下げて、LTV側を整えませんか」と、自分たちの売上を減らすご提案をすることのほうが多いです。引き続き、正直なマーケティング、やっていきましょう。
「うちのLTV、ちゃんと計算したことがなかった」「3つのうち1つも設計できていないかもしれない」と感じた方は、お気軽にご相談ください。広告運用とLTV設計を一つの循環として、半年から1年単位で並走させていただくサービスもご用意しています。まずは無料相談で、現状を一緒に整理するところから始められます。


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