このページでわかること
どうも、あきです。
ここから全30回で、LINE公式アカウントの使い方を最初から順番に解説していきます。第1回のこのページでは、そもそもLINE公式アカウントが何なのか、何ができるのかを整理します。
前提知識はいりません。まだアカウントを作っていない方、名前は知っているけれど何ができるのか分からない方に向けて書いています。
このページを読み終わると、次の3つが分かります。個人で使っているLINEと何が違うのか。使える機能にはどんなものがあるのか。そして自社に向いているのかどうか。
料金の詳しい話は第2回、開設の手順は第5回で扱います。ここでは全体像だけをつかんでください。
読み終わるまでの目安は12分です。
この講座で使うテンプレート類は、私のLINEでまとめて配布しています。料金シミュレーションシートやリッチメニューの設計テンプレートなどが入っています。
▶ LINEで特典を受け取る
LINE公式アカウントとは何か
企業や店舗がビジネスで使うためのLINEアカウントです。友だち追加してくれた人に、こちらからメッセージを送ったり、1対1でやり取りしたりできます。
多くの方が普段使っているLINEと画面はよく似ています。違うのは、送る側の機能が大幅に増えていることです。
個人のLINEとの違い
いちばん大きな違いは3つです。
| 個人のLINE | LINE公式アカウント | |
|---|---|---|
| 送れる相手 | 友だちになっている人 | 友だち追加してくれた人(人数の上限なし) |
| 一斉に送れるか | グループか複数人トークのみ | 全員に一度に送れる |
| 複数人で運用できるか | できない | 権限を分けて複数人で運用できる |
| 相手に個人情報が見えるか | 電話番号などでつながる | 相手のLINE内の情報は見えない |
| 費用 | 無料 | 無料プランあり。送る量が増えると有料 |
もう1つ、実務で効く違いがあります。LINE公式アカウントでは、友だちの個人情報がこちらに見えません。 名前も電話番号も分かりません。分かるのはLINE内の表示名とアイコンだけです。
これは不便に思えますが、逆に言えば相手も気軽に追加できるということです。メールアドレスを入力する必要がないので、追加のハードルがメールマガジンよりずっと低くなります。
なぜメールではなくLINEなのか
メールマガジンを送っている会社がLINEに移る理由は、届いて開かれるからです。
メールは受信箱の中で埋もれます。プロモーションタブに振り分けられて、開かれないまま消えていきます。一方LINEはスマホの通知として届いて、トーク一覧の上に並びます。
ただし裏返しもあります。通知として届くぶん、うるさいと感じられるとブロックされます。 この点は後半のデメリットのところで、自社の実数を出して説明します。
何ができるのか。機能の全体像
管理画面を開くと、左側に機能が並んでいます。これが使える機能の一覧です。

数が多く見えますが、役割で4つに分けると整理できます。
1. こちらから届ける機能
| 機能 | 何をするもの |
|---|---|
| メッセージ配信 | 友だち全員、または絞り込んだ相手に送る |
| ステップ配信 | 友だち追加からの経過日数に応じて自動で送る |
| リッチメッセージ | 画像に複数のリンクを埋め込んだ、大きな1枚の吹き出し |
| リッチビデオメッセージ | 動画を使った吹き出し |
| カードタイプメッセージ | 商品や人物を横スクロールのカードで並べる |
いちばん基本になるのがメッセージ配信です。ステップ配信は第17回で詳しく扱います。
2. 待ち受ける機能
こちらが何もしなくても、相手のアクションに自動で反応する機能です。
| 機能 | 何をするもの |
|---|---|
| あいさつメッセージ | 友だち追加された瞬間に自動で届く1通 |
| 応答メッセージ | 特定の言葉に対して自動で返信する |
| AIチャットボット | 質問に自動で答える(ベータ版) |
| リッチメニュー | トークルームの下半分に常時表示されるメニュー |
| LINEチャット | 1対1でやり取りする |
この待ち受ける機能のうち、あいさつメッセージと応答メッセージは通数を消費しません。 つまり無料です。ここは費用を考えるうえでかなり重要なので、覚えておいてください。
全30回で使うテンプレート類を、私のLINEでまとめて配布しています。料金シミュレーションシート、リッチメニューの設計テンプレート、ステップ配信のシナリオ雛形などです。
▶ LINEで特典を受け取る
リッチメニューは第10回で詳しく扱います。
3. 販促の機能
| 機能 | 何をするもの |
|---|---|
| クーポン | 割引や特典を発行して、使用回数も分かる |
| ショップカード | 来店ポイントを貯めるカードをLINE内で発行する |
| リサーチ (2026年12月2日で終了) | アンケートや投票を取る。終了後はLINEリサーチかCRMオプションのフォームが代わりになる |
| LINEタッチ | 端末にスマホをかざして友だち追加やポイント付与をする |
飲食店や小売店なら、クーポンとショップカードが売上に直結します。第19回で扱います。
4. 広げる・測る機能
| 機能 | 何をするもの |
|---|---|
| LINE VOOM (2026年9月30日で終了) | LINE内のタイムラインに投稿する。終了後は新しい投稿機能に置き換わる予定 |
| 友だち追加広告 | 広告を出して友だちを増やす |
| オーディエンス | 条件に合う友だちのまとまりを作って、絞り込み配信に使う |
| トラッキング | どこから友だち追加されたかを追う |
| 分析 | 友だち数、配信の反応、ブロック数などを見る |
分析は第25回で扱います。
ここで1つ、大事な前提をお伝えします。2026年の秋に、LINE公式アカウントの機能が大きく入れ替わります。これから始める方は、下の3つを知らずに設計すると作り直しになるので、先に頭に入れておいてください。
- LINE VOOMは2026年9月30日で終了します。9月16日からは管理画面の項目も順に消えていきます。代わりに、テキストと画像と動画を組み合わせて発信できる新しい「投稿」機能が2026年9月16日から順に使えるようになります(認証済アカウントが先で、すべてのアカウントは10月21日から)。当初は9月2日の予定でしたが、2026年8月26日に公式が延期を告知しました。VOOMの投稿を新機能へ移す仕組みはないので、残したい内容は投稿し直しになります
- リサーチ(アンケート)は2026年12月2日で終了します。11月18日から新規作成と回答の受付が止まります。これから始める方は、アンケートを前提にした設計をしないでください
- ビジネスプロフィールは2026年10月21日にリニューアルします。「最近の投稿」やSNSのパーツが廃止され、保存したまま公開していない情報は引き継がれずに消えます
出典はすべてLINEヤフーの公式のお知らせです(LINE VOOM終了/投稿機能の提供開始/ビジネスプロフィールのリニューアル)。
料金プランで機能に差はない
ここは誤解されやすいので先に書いておきます。上に挙げた機能は、無料プランでも全部使えます。
LINEヤフーは公式のよくある質問で「料金プランによって利用できる機能に差はありません」と明記しています。プランで変わるのは、無料で送れるメッセージの通数と、その枠を超えて追加で買えるかどうかだけです。
詳しくは第2回の料金プランと選び方で解説しています。
アカウントには2つの種類がある
もう1つ、最初に知っておくべきことがあります。LINE公式アカウントには未認証アカウントと認証済アカウントの2種類があります。
開設した時点では未認証アカウントです。認証済アカウントにするには申請して審査を受けます。申請にも利用にも費用はかかりません。
| 未認証アカウント | 認証済アカウント | |
|---|---|---|
| 開設 | 申請なしですぐ | 申請と審査が必要 |
| 費用 | 無料 | 無料 |
| LINEアプリ内の検索 | 表示されない | 表示される |
| 支払い方法 | クレジットカード | クレジットカードに加えて請求書払いが使える |
| バッジの色 | グレー | 青 |
実務で効く違いは2つです。
LINEアプリの中で検索して見つけてもらえるかどうか。 未認証だと、アカウント名で検索されても出てきません。友だちを増やす手段がQRコードとURLだけになります。店舗を持っている会社にとっては、ここは大きな差です。
請求書払いが使えるかどうか。 有料プランを法人で使う場合、経理の都合でクレジットカード払いができない会社があります。請求書払いは認証済アカウントでしか使えないので、該当する会社は先に申請しておく必要があります。
急がないなら未認証のまま始めて問題ありません。ただし上の2つが必要になると分かっているなら、最初に申請しておくほうが手戻りがありません。
何に効くのか。3つの使いどころ
機能が多いので、何に使えばいいのか迷います。実際に成果が出やすい使い方は3つです。
1. リピートを作る
いちばん効くのがこれです。一度来てくれた人、一度買ってくれた人にもう一度来てもらう。
新規のお客さんを1人集めるコストと、既に知ってくれている人にもう一度来てもらうコストでは、後者が圧倒的に安いです。LINEはその再訪を促す通知として機能します。
2. 問い合わせ対応を軽くする
営業時間、場所、料金、予約方法。電話で毎日同じことを聞かれている会社は多いです。
応答メッセージとリッチメニューを組み合わせると、この対応が自動で回ります。しかも通数を消費しません。人件費が直接減ります。
3. 検討中の人を逃さない
すぐに買わない人、すぐに来ない人。この層はサイトを閉じたら二度と戻ってきません。
友だち追加さえしてもらえば、その後も接点が残ります。検討期間が長い商材ほど、ここが効きます。
業種別に、どう使うことになるか
上の3つを業種に当てはめると、こういう形になります。自社に近いものを見てください。
| 業種 | 主に使う機能 | 何が起きるか |
|---|---|---|
| 飲食店 | クーポン、リッチメニュー、一斉配信 | 予約と再来店が増える。電話が減る |
| 美容室・サロン | 予約リンク、ショップカード、ステップ配信 | 次回予約の取りこぼしが減る |
| 小売・EC | リッチメッセージ、クーポン、絞り込み配信 | セールの告知が届く。カゴ落ちを拾える |
| クリニック | あいさつメッセージ、応答メッセージ、リッチメニュー | 診療時間や持ち物の問い合わせが減る |
| 教室・スクール | ステップ配信、リサーチ、チャット | 体験からの申し込みが増える |
| 不動産・住宅 | ステップ配信、チャット、カードタイプメッセージ | 長い検討期間のあいだ接点が続く |
| BtoB・士業 | あいさつメッセージ、チャット、ステップ配信 | 資料請求から相談までがつながる |
共通しているのは、送る機能より待ち受ける機能のほうが先に効いていることです。あいさつメッセージ、応答メッセージ、リッチメニュー。この3つは通数を消費せず、しかも相手が動いたときに必ず出ます。ここを整えるだけで問い合わせ対応がかなり軽くなります。
導入前に知っておくべきこと
良いことばかり書いても役に立たないので、正直に3つ書きます。
ブロックされる
これは避けられません。配信すれば必ず一定数はブロックされます。
私の会社のアカウントの実数をお見せします。管理画面の数字で、友だち追加が累計262人、そのうちブロックが21人。現在の友だちは241人です。ブロック率は8.0%です。
多いと感じるか少ないと感じるかは人によりますが、ここで押さえてほしいのは、ブロックはゼロにできないということです。
そしてブロック率は配信の頻度と中身で動きます。売り込みばかり送れば上がりますし、間隔が短すぎても上がります。ゼロを目指すのではなく、上がっていないかを見る指標として使ってください。
通数で課金される
無料プランで送れるのは月200通です。この200通は「送った回数 × 送った友だちの数」で数えます。
私のアカウントは友だちが241人なので、全員に1回送ろうとすると、その1回で無料枠を超えます。 月に1回すら全員に配信できません。
これは友だちが増えるほど効いてくる制約です。無料で始められるのは事実ですが、無料のまま運用し続けられるわけではありません。この計算は第2回で詳しく扱います。
使えない業種がある
すべての業種が使えるわけではありません。LINEヤフーが定めた条件に当てはまらない業種やサービスは、アカウントを開設できないか、途中で利用できなくなることがあります。
自社が該当するかどうかは、開設の前に公式の情報で確認してください。第5回の開設のレッスンで、確認する場所を案内します。
向いている業種、向いていない業種
正直に書きます。すべての会社に必要なものではありません。
効きやすい
再来店や再購入がある業種。 飲食店、美容室、サロン、クリニック、小売、EC。リピートで成り立つ商売とは相性が良いです。
予約が発生する業種。 予約の導線をリッチメニューに置けるので、電話が減ります。
検討期間が長い商材。 不動産、住宅、教育、BtoBのサービス。すぐ決まらない相手と接点を持ち続けられます。
効きにくい
一度きりの取引が中心の業種。 引っ越しや冠婚葬祭など、リピートが構造的に起きにくいものは、友だちを集めても使い道が限られます。
友だちを集める導線がない場合。 店舗もサイトも人が来ていない状態でアカウントだけ作っても、友だちが増えません。まず人が来る場所を作るほうが先です。
配信する中身がない場合。 これがいちばん多い失敗です。アカウントは作ったが送るものがない。結果、月に1回も配信せず放置される。送る中身を先に決めてから作ってください。
始める前に決めておく3つのこと
アカウントを作る前に、この3つだけ決めてください。ここが決まっていないと、作ったあとに手が止まります。
1. 友だちにやってほしいことは何か
予約してほしいのか、来店してほしいのか、買ってほしいのか、相談してほしいのか。
ここが決まると、リッチメニューに何を置くかも、配信で何を言うかも決まります。逆にここが曖昧だと、何を送ればいいか分からないまま放置されます。
2. どうやって友だちを集めるか
アカウントを作っただけでは友だちは増えません。集める場所を先に決めてください。
店舗ならレジ横のPOPとテーブルのQRコード。サイトがあるならフッターと問い合わせ完了ページ。名刺やチラシに載せる手もあります。
この設計をせずに開設だけした会社が、いちばん多く止まります。
3. 誰が運用するか
配信の文面を書く人、チャットに返信する人を決めてください。1人でも構いませんが、決まっていないと誰もやりません。
複数人で運用する場合は権限を分けられるので、返信担当と配信担当を分けることもできます。
費用はいくらか
ここは第2回で詳しく扱うので、全体像だけ書きます。
プランは3つあり、月額0円、5,000円、15,000円です。それぞれ月に無料で送れる通数が200通、5,000通、30,000通と決まっています。機能の差はありません。
自社がどのプランになるかは、友だちの人数に月の配信回数を掛けた数で決まります。詳しい選び方と、2026年10月1日の料金改定の影響は、第2回で数字を出して解説しています。
始めるまでの流れ
こちらも第5回で詳しく扱いますが、全体としてはこうなります。
LINEビジネスIDを登録して、アカウントの基本情報を入力すれば開設は完了します。費用はかからず、開設した時点では自動的に無料プランになります。
そのあと、プロフィールを埋めて、あいさつメッセージを設定して、リッチメニューを置く。ここまでやってから友だちを集め始めるのが、いちばん無駄のない順番です。
よくある質問
個人でも作れますか
作れます。法人でなくても、屋号がなくても開設できます。
無料で使えますか
開設も利用も無料で始められます。ただし月に送れるメッセージが200通までなので、友だちが増えると有料プランの検討が必要になります。
個人のLINEアカウントは必要ですか
LINEビジネスIDの登録に、個人のLINEアカウントかメールアドレスのどちらかを使います。どちらでも構いません。
友だちに私の個人情報は見えますか
見えません。表示されるのはアカウント名とアイコンです。逆にこちらからも、友だちの名前や電話番号は分かりません。
プランによって使える機能は変わりますか
変わりません。変わるのは無料で送れる通数と、追加購入ができるかどうかだけです。
何から始めればいいですか
この講座を第1回から順に読み進めてください。次の第2回で料金プランを決めて、第5回で開設します。
次のレッスン
全体像がつかめたら、次は自社がどのプランになるかを決めます。
第2回では、3つの料金プランの違いと選び方、そして2026年10月1日の追加メッセージ料金の改定で支払いが実際にいくら変わるのかを、表で解説しています。
この講座は全30回のカリキュラムです。第1回から順に読み進めてください。
この講座で使うテンプレート類は、私のLINEでまとめて配布しています。
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