このページでわかること
こんにちは、あきです。
第1回で、Google広告には7種類あって、最初に手をつけるなら検索キャンペーンだ、という話をしました。このページはその検索キャンペーンの中身です。
検索広告は、リスティング広告とも呼ばれます。同じものです。
この回で扱うのは、突き詰めると1つです。「広告の順番はどうやって決まるのか」。 ここを勘違いしたまま出稿すると、お金を足せば上に出ると思い込んで、際限なく単価を上げることになります。
そのために、実際の数字から入ります。同じ月に、同じ代理店が運用している7つのアカウントで、検索広告の平均クリック単価は1円から519円まで開きました。 400倍以上です。
なぜこんなに開くのか。 それが、この回で説明する仕組みの話そのものです。(費用そのものは第3回でまるごと扱います)
このレッスンで使う「検索広告の仕組み早見表」を、私のLINEで配布しています。広告ランクの6要素と、順位が上がらないときにどこを見るかを1枚にしたものです。
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検索広告とは(ここは短く)
Googleで何かを検索したとき、結果の上や下に出てくる広告のことです。「スポンサー」と表示されています。

特徴は3つです。
1. 探している人にだけ出せます。 「◯◯ 修理 東京」と検索した人にだけ出す、という指定ができます 2. クリックされるまで料金がかかりません。 表示されただけでは費用が発生しません(クリック単価制。https://support.google.com/google-ads/answer/116495?hl=ja 2026年8月29日確認) 3. その日のうちに出せます。 検索で上位に出るには数か月かかりますが、広告は設定したその日から出ます
検索広告は3階建てでできています
仕組みの話に入る前に、入れ物の形を押さえます。ここを知らないと、あとの説明の言葉が通じません。
| 階層 | 何を決めるか | たとえると |
|---|---|---|
| キャンペーン | 予算・地域・時間帯・入札の方針 | お店全体の営業方針 |
| 広告グループ | キーワードと、それに合う広告文 | 売り場のコーナー |
| キーワードと広告 | どの検索に、どの文章で出るか | 棚に並ぶ商品 |

予算はキャンペーンにつきます。 だから「この商品だけ予算を増やしたい」と思ったら、キャンペーンを分ける必要があります。ここを1つにまとめてしまうと、あとから配分を変えられません。
広告グループは、キーワードと広告文の組み合わせの単位です。 「雨漏り 修理」と「外壁 塗装」を同じグループに入れると、どちらの検索にも同じ広告文が出ます。検索した言葉と広告文が合っていないと、次に説明する広告ランクが下がります。 だから分けます。
この設計は第9回でまるごと扱います。ここでは「3階建て」とだけ覚えてください。
この記事の核|掲載順位はどう決まるのか
ここがいちばん大事なところです。

検索されるたびに、その場でオークションが行われています。 広告主が事前に順番を予約しているわけではありません。誰かが検索するたびに毎回行われ、結果は毎回変わる可能性があります(https://support.google.com/google-ads/answer/142918?hl=ja 2026年8月29日確認)。
入札額がいちばん高い広告が1位になるわけではありません
多くの記事が「入札額 × 品質」で説明していますが、公式ヘルプが挙げている要素は6つです。
| # | 要素 | かみくだくと |
|---|---|---|
| 1 | 入札単価 | 1クリックにいくらまで払うと決めた金額 |
| 2 | 広告とランディングページの品質 | 検索した言葉に対して、広告文と飛び先のページがどれだけ answer になっているか |
| 3 | 広告ランクの下限値 | これを下回ると、そもそも表示されないという最低ライン |
| 4 | オークションにおける競争力 | 同じ検索に出ようとしている他社との力関係 |
| 5 | ユーザーが検索に至った背景 | 検索した場所、使っている端末、時間帯、検索の前後の文脈 |
| 6 | 広告アセットやその他の広告フォーマットの効果 | 電話番号やサイトリンクなどを足したときの見込み効果 |
出典 Google広告ヘルプ「広告ランク」(https://support.google.com/google-ads/answer/1722122?hl=ja 2026年8月29日確認)。
公式ヘルプは、この点をはっきり書いています。 競合より低い入札単価でも、上回れる可能性がある。条件は、キーワードと広告の関連性が高いことです(https://support.google.com/google-ads/answer/142918?hl=ja 2026年8月29日確認)。
つまり、順位が上がらないときに真っ先に単価を上げるのは、6つのうち1つしか触っていないということです。

実際の数字で見ると、単価と品質はきれいに比例しません
私が運用している口のうち、直近30日で検索キャンペーンを配信していた7つを並べます。アカウント名も業種も出しませんが、数字は加工していません。
| 口 | クリック率 | 平均クリック単価 |
|---|---|---|
| E | 18.07% | 205円 |
| K | 12.58% | 519円 |
| L | 11.93% | 1円 |
| M | 9.06% | 90円 |
| D | 7.00% | 163円 |
| I | 5.10% | 211円 |
| B | 2.13% | 77円 |
(Google広告 実測。2026年8月29日時点の直近30日。検索キャンペーンのみ)
クリック率がいちばん高いEが、いちばん安いわけではありません。 クリック率が11.93%のLは1円で、2.13%のBは77円です。
この散らばりが「相場」という言葉の限界を示しています。 クリック単価は、自分の広告の出来だけでは決まりません。そのキーワードに他社が何社いて、いくら出しているかで決まります。 同じ努力をしても、競合の少ない分野なら1円、多い分野なら519円になります。
だから、他人の平均値を自分に当てはめる意味はありません。 見るべきは自分のアカウントの推移です。
上限を決めた金額が、そのまま引かれるわけでもありません
もう1つ、初めての人がよく驚くところです。「1クリック200円まで」と設定しても、毎回200円引かれるわけではありません。 実際に請求される金額は、多くの場合それより低くなります(https://support.google.com/google-ads/answer/6297?hl=ja 2026年8月29日確認)。
上限は「ここまでなら出す」という上限であって、支払う額そのものではありません。
実際に支払う金額は、次点の広告で決まります
もう少し踏み込みます。上限を設定した金額がそのまま引かれない理由です。
オークションでは、自分のすぐ下の順位の広告を上回るのに必要な分だけが請求される、という考え方で単価が決まります。だから、上限を高く設定しても、競合が弱ければ安く済みます。
ここから導けることが1つあります。 上限を上げても、必ずしも支払額は増えません。上げて増えるのは「勝てる回数」であって、1回あたりの金額ではありません。 逆に、上限を下げると、そもそもオークションに勝てなくなって表示が消えます。
だから上限は「勝ちたいかどうか」で決めます。 支払額を下げたいときに触る場所ではありません。支払額を下げたいなら、広告ランクを上げるほうです。

順位が上がらないときの、見る順番
実務でいちばん多い相談がこれです。上の6要素のうち、自分で動かせるものと動かせないものがあります。 動かせるものから順に見ます。
| 順 | 見るところ | 動かせるか | 何をするか |
|---|---|---|---|
| 1 | 検索語句レポート | ○ | 実際にどんな言葉で出ているかを見る。ずれた言葉に出ていたら除外する(第35回) |
| 2 | 広告文にキーワードが入っているか | ○ | 検索された言葉が広告文にあると、関連性が上がります |
| 3 | 飛び先のページの中身 | ○ | 広告文と書いてあることが違うと、品質が下がります |
| 4 | アセット(電話番号やサイトリンク) | ○ | 6要素の6番目。入れていない人が多い(第17回) |
| 5 | 入札単価 | ○ | ここまでやってから |
| 6 | 競合の状況 | × | 相手が予算を増やせば、こちらの順位は下がります |
| 7 | 検索した人の状況 | × | 場所・端末・時間帯。こちらでは決められません |

1から4を飛ばして5だけをやっている人が、本当に多いです。 単価を上げれば順位は上がりますが、1件あたりの獲得単価も一緒に上がります。同じ順位を安く取れるようになるのは、1から4のほうです。
そして6と7があるので、順位は自分の努力だけでは決まりません。 何も変えていないのに順位が動いたときは、たいてい相手が動いています。
早見表には、この「見る順番」もそのまま入れています。順位が落ちたときのチェックに使ってください。
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いま、検索キャンペーンの中で起きていること
ここは、この記事を書き直したいちばんの理由です。
この記事の以前の版では、検索キャンペーンを「標準・動的検索広告・電話専用広告」の3種類として説明していました。この分け方は、いまはもう成り立ちません。
| 以前の3分類 | いまどうなっているか | 出典(2026年8月29日確認) |
|---|---|---|
| 標準 | レスポンシブ検索広告が軸になっています | ー |
| 動的検索広告(DSA) | 2027年2月にAI最大化設定へ自動で切り替わります | answer/2471185 |
| 電話専用広告 | サポート終了。 レスポンシブ検索広告の中の電話番号アセットへ移す案内が出ています(2025年10月3日告知) | announcements/9048695 |
調べた競合11本のうち、この変化に触れていた記事は1本もありませんでした。 3種類だと思って管理画面を開くと、選択肢が2つしか見当たらず、自分の見落としだと思ってしまいます。

いまの検索キャンペーンの捉え方はこうです。 軸になるのはレスポンシブ検索広告です。見出しと説明文を複数入れて、組み合わせをGoogleが選ぶ形式のことです。そのうえで、自動化をどこまで使うかを決めます。 これが第16回と第40回のテーマになります。
検索広告の強みと弱み
競合の記事は全部これを書いています。同じことを並べても意味がないので、「だから何をすべきか」まで書きます。
強み4つ
1. 買う気に近い人にだけ出せる … 検索している時点で困っています。だから単価が高くても合うことがあります。 高い安いはクリック単価ではなく、1件の申し込みにいくらかかったかで判断します 2. 今日から出せる … SEOは数か月かかります。「この商品は売れるのか」を今月中に確かめたいなら、広告以外に手段がありません 3. 止められる … 合わなければ即日止められます。在庫を抱える広告と違って、損失がその時点で確定します 4. 全部数字で残る … どの言葉で来た人が申し込んだかがわかります。この情報は、広告を止めたあとも資産として残ります。 SEOの記事を書くとき、商品説明を書き直すとき、そのまま使えます

4番が意外と知られていません。 広告を「集客の手段」だと思うと止めた瞬間にゼロですが、「どの言葉が売れるかを調べる手段」だと思うと、結果は残ります。
弱み4つと、その対処
1. 止めるとゼロになる … 対処 → 広告で見つけた「売れる言葉」でSEOの記事を作り、少しずつ置き換えていきます 2. 競合が増えると単価が上がる … 対処 → 大きい言葉を諦めて、細かい言葉を数で取ります。「◯◯ 修理」ではなく「◯◯ 修理 費用 相場」のような言葉のほうが、安くて申し込みに近いことがよくあります 3. 探していない人には届かない … 対処 → 届けたいなら別の種類を使います(第25回・第26回) 4. 設定と改善に手間がかかる … 対処 → この講座がその手間の中身です。自分でやるか任せるかは第4回で
単価は自分で決めるのか、Googleに任せるのか
「上限をいくらにするか」を自分で決める方法と、目標だけ伝えてGoogleに決めてもらう方法があります。いまは後者が主流です。
| 決め方 | 何を指定するか | いつ使うか |
|---|---|---|
| 自分で決める(手動) | 1クリックの上限額 | 配信の初期。動きを自分の目で確かめたいとき |
| クリック数を増やす | 1日の予算だけ | とにかくまず人を集めたいとき |
| コンバージョン数を増やす | 予算と、増やしたい成果 | 申し込みが月に十数件たまってから |
| 目標の獲得単価で増やす | 1件あたりいくらまで払うか | 単価の上限がはっきりしているとき |
★下の2つは、成果のデータが溜まっていないと働きません。 Googleは過去の申し込みのデータから「この人は申し込みそうだ」を判断しているので、データが無い状態で任せると、判断材料が無いまま配信されます。
だから順番があります。 まず計測を入れる(第10回)。手動かクリック数で回して申し込みを溜める。十数件たまってから自動に切り替える。 これが遠回りに見えていちばん速いです。
入札戦略そのものは第21回でまるごと扱います。ここでは「データが先、自動はあと」だけ持ち帰ってください。
最初の1本を出すまでにやること
第18回で実際の画面を見ながらやりますが、全体の形をここで見ておきます。
1. キーワードを5〜10個決める … お客さんの言葉で(上の章) 2. 広告グループを分ける … 意味が違う言葉は別のグループへ 3. 広告文を書く … 検索される言葉を見出しに入れる 4. 飛び先のページを決める … トップページではなく、その商品のページへ 5. 除外キーワードを最初から入れる … 「無料」「求人」「自分で」など 6. 1日の予算を決める … 第3回の逆算で 7. 審査に出す

★5番を最初から入れてください。 配信が始まってから除外するのでは、それまでの無駄が確定してからになります。出す前に、思いつく限りの「買う気のない言葉」を入れておくのが、いちばん安上がりです。
★4番も効きます。 トップページに送ると、お客さんは自分で探すことになります。「雨漏り 修理」で来た人には、雨漏り修理のページを直接見せてください。
いま、この分野で起きている変化
競合11本のうち、ここに触れていたのは1本だけでした。知っておくと、いま出回っている情報のどれが古いかが判断できます。
変化1|キーワードの指定が、だんだん「意味」で扱われるようになっています
以前は、登録した言葉とほぼ同じ検索にしか出ませんでした。いまは、意味が近ければ幅広く出ます。 マッチタイプの標準が「インテント マッチ」になっているのがその表れです。
だから、除外キーワードの重要度が昔より上がっています。 広く出るということは、関係ない検索にも出るということだからです。「キーワードを足す」より「いらない言葉を引く」ほうが、いまは効きます。
変化2|自動化が、選べるものから、前提のものになりつつあります
AI最大化設定(AI Max)のように、Googleの判断で広げる仕組みが標準側に寄ってきています。 動的検索広告が2027年2月にここへ統合されるのも、同じ流れです。
この流れの中で、人がやることは変わります。 細かく指定することではなく、Googleに渡す材料の質を上げることと、広がりすぎた分を止めることの2つになります。
具体的には、計測を正しく入れること(第10〜12回)、除外を運用し続けること(第35回)、飛び先のページを良くすること。この3つは、自動化がどれだけ進んでも人の仕事として残ります。
逆に言うと、「単価をこまめに手で調整する」タイプの作業は、価値が下がっていきます。 どこに時間を使うかの判断材料にしてください。
SEOとの違い
検索結果には、広告の枠と、自然に上がってくる枠の2つがあります。後者を上げる取り組みがSEOです。
| 検索広告 | SEO | |
|---|---|---|
| 出るまで | その日 | 数か月 |
| 止めたら | すぐゼロ | しばらく残る |
| かかるお金 | クリックごと | 制作と手間 |
| 位置 | 上と下の広告枠 | その間 |
| 狙う言葉の自由度 | 高い(決めた言葉に出せる) | 低い(上がるかは結果次第) |

どちらかを選ぶ話ではありません。 使い分けの目安はこうです。
- その商品が売れるかを、今月中に確かめたい → 広告
- 半年後も勝手に人が来る状態を作りたい → SEO
- 広告で「売れる言葉」を見つけて、その言葉でSEOをやる → いちばん効率が良い順番
3つ目が実務ではおすすめです。広告は数週間で「どの言葉が申し込みにつながるか」を教えてくれます。 その答えを持ってからSEOに入ると、外れが減ります。
ほかのWeb広告との違い
第1回の地図の話を、検索広告の側から見直します。
| 検索広告 | ディスプレイ・デマンド ジェネレーション | |
|---|---|---|
| 相手 | 自分から探している人 | 探していない人 |
| きっかけ | 検索した言葉 | 興味・過去の行動・見ているページ |
| 出るもの | 文字 | 画像や動画 |
| 単価 | 高め | 安め |
| 申し込みまでの近さ | 近い | 遠い |
検索広告のクリックが高いのは、それだけ買う気に近い人だからです。 クリック単価だけを並べて「ディスプレイのほうが安い」と判断すると、間違えます。比べ方は第34回で扱います。
向いている商材・向いていない商材
向いているものは、次の3つを満たします。
1. 困りごとが言葉になっている … 「雨漏り 修理」「相続 相談」のように、人が検索窓に打ち込む形になっているもの 2. 1件あたりに払える金額がはっきりしている … クリック単価が200円で、100クリックに1件申し込みがあるなら、1件2万円かかります。それを払えるかどうかが判断のすべてです 3. 申し込みの受け皿がある … 送り先のページで止まるなら、広告費は全部そこで消えます
向いていないのは、まだ誰も検索していないものです。 新しい概念の商品や、名前が浸透していないサービスは、検索広告では出番がありません。この場合は、探していない人に見つけてもらう配信(第25回)のほうが向いています。
成果を出している人がやっていること
私が運用していて、効いた順に5つ書きます。順番に意味があります。

1|検索語句レポートを毎週見る
これが1番です。 自分が登録したキーワードと、実際に検索された言葉は違います。「無料」「求人」「やり方」「自分で」といった、買う気のない言葉に予算が流れていることが本当に多いです。
見つけたら除外します。除外を1回入れるだけで、翌週から無駄な支出が消えます。 単価を下げる工夫より、こちらのほうが速く効きます(第35回)。
2|飛び先のページを、広告文と揃える
広告に「即日対応」と書いて、飛び先のページに書いていないと、人はすぐ戻ります。 戻られると、品質の評価も下がって単価が上がります。
広告文に書いたことは、飛び先の一番上に同じ言葉で書いてください。 これだけで申し込み率が変わります。
3|キーワードを絞る
最初から広く出そうとしないでください。予算が薄く広がると、どの言葉も判断できる回数に届きません。
申し込みに近い言葉を5個から10個に絞って、そこに集中させます。 数字が読めるようになってから広げます。
4|アセットを全部入れる
電話番号、サイトリンク、追加のテキスト。入れるだけで広告の面積が増えて、クリック率が上がります。 しかも6要素の6番目に効きます。無料でできて効果があるのに、やっていない人がいちばん多い場所です(第17回)。
5|1回に1つだけ変える
うまくいかないと、いろいろ同時に変えたくなります。そうすると何が効いたのかわかりません。
変えるのは1回に1つ。 そのかわり、変えた日をメモしておいてください。あとで数字を見るときに、この記録が効きます(第38回)。
出稿する前に知っておく注意点
- 審査があります。 広告を作ってすぐ配信されるわけではありません。落ちたときの直し方は第19回で扱います
- 業種によっては制限があります。 医療、健康食品、金融などは、書ける表現に法律上の制限があります(薬機法、景品表示法など)。広告の審査を通っても、法律上問題がないことの保証にはなりません
- 他社の商標を広告文に入れるのは避けてください。 申し立てが入ると広告が止まります
キーワードは「お客さんの言葉」で選びます
キーワード選びは第14回でまるごと扱いますが、仕組みを理解するうえで外せない考え方が1つあるので、ここで書きます。
自分が使っている言葉と、お客さんが検索する言葉は、たいてい違います。
| 売り手が使いがちな言葉 | お客さんが実際に打つ言葉 |
|---|---|
| 外壁塗装工事 | 外壁 塗装 費用/家 外壁 剥がれ |
| 相続財産管理業務 | 相続 手続き 誰に頼む |
| パーソナルトレーニング | 痩せたい ジム 短期間 |

右側は、困っている状態の言葉です。 左側は、業界の中の言葉です。
検索されるのは右側です。 ここを間違えると、キーワードを登録しても表示回数が0のまま増えません。
言葉の探し方は3つあります。キーワードプランナーで実際の検索数を調べる(第13回)。検索窓に打ったときに出てくる候補を見る。 そしてすでに配信していれば、検索語句レポートを見る(第35回)。3つ目がいちばん確実です。実際に検索された言葉そのものだからです。
出したあとに見る数字
配信が始まると、管理画面にたくさんの数字が並びます。最初に見るのは3つだけで十分です。
| 数字 | 意味 | 最初の見方 |
|---|---|---|
| クリック率(CTR) | 表示されたうち、何%がクリックされたか | 広告文と検索の言葉が合っているかの目安 |
| コンバージョン率(CVR) | クリックしたうち、何%が申し込んだか | 飛び先のページが合っているかの目安 |
| コンバージョン単価(CPA) | 申し込み1件にいくらかかったか | 最終的な判断はこれ1つ |

クリック率が低いなら広告文、コンバージョン率が低いならページ、という切り分けができます。 どこを直せばいいかが、この2つで大体わかります。
そしてCPAだけが「払えるかどうか」の判断に使えます。 クリック率が高くてもCPAが合っていなければ、その広告は止める対象です。詳しい読み方は第34回で扱います。
出稿する前に知っておく注意点(詳しく)
競合の記事で、ここまで書いているものは多くありませんでした。知らずに出すと止まるので、先に書きます。
審査に落ちることがあります
作ってすぐ配信されるわけではありません。表現、飛び先のページ、業種のいずれかで止まります。 よくあるのは次のあたりです。
- 飛び先のページに、会社情報や連絡先が無い
- 広告文に「No.1」「最安」などの表現があるのに、根拠がページに書かれていない
- 医療・健康・金融・美容など、業種として追加の書類が必要なもの
落ちても広告アカウントがすぐ止まるわけではありません。直して再申請できます。手順は第19回で扱います。
業種によっては、法律の制限が先にあります
Googleの審査を通ったからといって、法律上問題がないという意味ではありません。 ここは分けて考えてください。
| 法律 | よく引っかかるところ |
|---|---|
| 薬機法 | 健康食品や化粧品で、効果を断定する表現。「治る」「改善する」など |
| 景品表示法 | 「業界No.1」「最安値」のような根拠のいる表現。二重価格の見せ方 |
| 医療広告ガイドライン | 医療機関の広告。ビフォーアフターの写真の扱いなど |
広告文だけでなく、飛び先のページも対象です。 心配な業種の方は、出稿の前に一度確認しておいてください。
他社の商標は広告文に入れない
競合の会社名や商品名を広告文に入れると、商標を持っている側から申し立てが入って、広告が止められることがあります。
キーワードとして登録すること自体は止められないことが多いのですが、広告文に書くのは別です。ここは分けて考えてください。
マッチタイプについて(ここでは概要だけ)
キーワードを登録するとき、「どこまで近い検索に出すか」を3段階で選べます。
| 名前 | 書き方 | どこまで出るか |
|---|---|---|
| インテント マッチ | そのまま | 意味が近ければ幅広く |
| フレーズ一致 | “引用符で囲む” | その意味を含むもの |
| 完全一致 | [角括弧で囲む] | ほぼその言葉のみ |
出典 Google広告ヘルプ「キーワードのマッチタイプについて」(https://support.google.com/google-ads/answer/7478529?hl=ja 2026年8月29日確認)。何も指定しないとインテントマッチになります。
この選び方だけで成果が大きく変わるので、第15回でまるごと1回使って扱います。 ここでは「3段階ある」ことだけ覚えてください。
つまずきポイント
リスティング広告と検索広告は違うものですか
同じものです。Googleは「検索キャンペーン」と呼び、業界では「リスティング広告」と呼ばれてきました。 検索連動型広告という言い方もします。全部同じです。
いくらから始められますか
公式に下限の金額は書かれていません(2026年8月29日確認)。ただし金額が小さすぎると、判断に必要な回数が集まりません。 いくらから始めるべきかは、目標から逆算して決めます。第3回で計算のしかたを書きます。
単価を上げれば1位になれますか
なりません。 上の6要素のうち1つしか動かないからです。それより効くのは、検索されている言葉と広告文と飛び先のページを合わせることです。同じ順位を、より安い単価で取れるようになります。
自分で検索しても広告が出ません
理由はいくつかあります。審査が終わっていない。予算を使い切っている。地域の指定から外れている。同じ広告を何度も自分で見たので、表示が抑えられている。 このあたりです。自分で検索して確認するのはおすすめしません。表示回数だけ増えてクリック率が下がりますし、費用の判断もできません。管理画面の「広告プレビューと診断」を使ってください。
競合の広告をクリックしたらどうなりますか
相手の広告費が減ります。ただしGoogleは不正なクリックを検出して無効化する仕組みを持っています。 やっても自分の得にはならないので、やめておいたほうがいいです。
最低いくらから出せますか
公式に下限はありません。ただし判断できる回数が集まらない金額で始めると、良し悪しがわからないまま予算が尽きます。 逆算のしかたは第3回で扱います。
キーワードは何個登録すればいいですか
最初は5個から10個です。 多く入れるほど広く出ますが、予算が薄く広がって、どれも判断できる回数に届きません。申し込みにいちばん近い言葉から始めて、数字が読めるようになってから足します。
広告文は何本作ればいいですか
レスポンシブ検索広告は、見出しと説明文を複数入れて、組み合わせをGoogleが選ぶ形式です。だから1つの広告グループに広告は1本で足ります。 中の見出しを複数入れてください。詳しくは第16回で扱います。
順位が毎日変わります
それが普通です。 オークションは検索されるたびに行われるので、結果は毎回変わります。日ごとの順位に一喜一憂しないでください。 見るのは週単位の平均と、1件あたりの獲得単価です。
表示はされるのにクリックされません
広告文が検索した言葉と合っていない可能性が高いです。検索語句レポートで、実際にどんな言葉で出ているかを見てください。 ずれた言葉に出ているなら、その言葉を除外するか、広告文をそちらに寄せます。
クリックはされるのに申し込みがありません
広告ではなく、飛び先のページの問題です。 広告文に書いたことがページの一番上に書かれているか、申し込みのボタンがすぐ見える場所にあるか、入力する項目が多すぎないか。この3つを見てください。
「AI Max」というものが出てきました
検索広告の自動化の設定です。キーワードで指定した範囲の外側にも、Googleの判断で広げてくれます。 便利ですが、広がる分だけ関係ない検索にも出るので、除外キーワードとセットで使います。第40回で扱います。
スマホとパソコンで見え方は違いますか
違います。スマホは画面が狭いので、広告が上に何本も並ぶと、自然検索の結果が最初の画面に入りません。 逆に言うと、スマホでの上位表示は価値が大きくなります。どちらで多く見られているかは管理画面で分けて見られます(第20回)。
広告文はいつ入れ替えるべきですか
数字が動かなくなったらです。 期間で機械的に変えるものではありません。ただし、入れ替えるときは1つずつにしてください。まとめて変えると、何が効いたのかわからなくなります(第38回)。
広告を出すと自然検索の順位に影響しますか
影響しません。広告枠と自然検索の枠は別のものです。
よくある勘違い5つ
運用のご相談で実際に多いものを並べます。どれも、仕組みを知っていれば防げるものです。

勘違い1|1位を取れば成果が出る
1位はクリックが増えますが、単価も上がります。 3位で安く取ったほうが、1件あたりの獲得単価が良くなることは普通にあります。見るのは順位ではなく獲得単価です。
勘違い2|クリック率が高い広告が良い広告
クリック率が高くても、申し込みが0なら、そのクリックは全部支出です。 「誰でも押したくなる広告文」は、買う気のない人も呼びます。クリック率は途中の数字で、目的地ではありません。
勘違い3|キーワードを増やせば人が増える
増えるのは表示回数で、予算は増えません。 同じ予算が薄く広がるだけです。どの言葉も判断できる回数に届かなくなって、結局なにもわからないまま終わります。
勘違い4|成果が出ないのは広告のせい
広告が仕事をするのはクリックまでです。 そこから先は飛び先のページの仕事です。上で見たとおり、クリック単価が3倍違う口より、申し込み率が13倍違う口のほうが、最終的な差は大きくなりました。まずページを見てください。
勘違い5|設定したら終わり
オークションは毎回やり直されていて、競合も動いています。 設定した時点の最適は、翌月の最適ではありません。最低でも週に1回、検索語句レポートを見る時間を取ってください。 これができないなら、任せることを検討したほうがいいです(第4回)。
この5つと、順位が落ちたときの見る順番をまとめた早見表を、私のLINEで配布しています。
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慣れたら|「出られていない検索」を見る
上の7口の数字には、続きがあります。
検索インプレッションシェアという指標で見ると、7口すべてが31%以下でした。(同じく2026年8月29日時点の直近30日)
これは「自分が出られたはずの検索のうち、実際に出られた割合」です。つまりどの口も、出られるはずの検索の7割前後に出られていません。
理由は2つに分かれます。予算が足りなくて出られなかったのか、広告ランクが足りなくて出られなかったのか。 この2つは分けて見られます。前者なら予算の話、後者なら品質の話で、打ち手がまったく違います。
順位を上げることばかり考えて、「そもそも出られていない量」を見ていない人が多いです。 ここは第36回でまるごと扱います。
突き詰めるなら|順位より、1件あたりの獲得単価を見る
上位に出ることは目的ではありません。1位は、クリックは増えますが単価も上がります。 3位で安く取ったほうが、最終的な獲得単価が良くなることは普通にあります。
上の実測でも、クリック率がいちばん高い口が、いちばん成果が良いわけではありませんでした。見るべき順番はこうです。
1. 申し込みが何件あったか 2. 1件あたりいくらかかったか 3. それは払える金額か 4. そのうえで、順位とクリック率
1と2を見ずに4だけを見ると、高い順位を高い単価で買い続けることになります。 この順番は第34回で改めて扱います。
次のレッスン
第3回はお金の話です。クリック単価がどう決まるのか。1日の予算をいくらにすると、月にいくら請求されるのか。 そして「1日の予算の2倍まで使われることがある」という公式の仕様も扱います。高額請求が怖いという方は、次の回で解消できると思います。
この講座の全42回の一覧は、講座トップにまとめています。 → Google広告マスター講座トップ


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