このページでわかること
こんにちは、あきです。
第4回で、「広告アカウントは自社のビジネスポートフォリオで持つ」と書きました。第6回は、その入れ物を実際に作ります。
先に結論を書きます。
ビジネスポートフォリオは、会社の広告アカウント、Facebookページ、Instagramアカウント、Metaピクセルなどを1つにまとめて持つための「会社の入れ物」です。作るだけなら5分ほどで終わります。大事なのは作ったあとで、「誰が全権限を持つか」と「どう守るか」を最初に決めておくことです。

公式ヘルプには、覚えておきたい決まりがいくつか書かれています。
| 決まり | 公式ヘルプの記載 |
|---|---|
| 1人が作れるビジネスポートフォリオの数 | 最大2つ(所属できる数には上限なし) |
| 広告アカウントやページが入れるポートフォリオの数 | 1つだけ |
| 全権限を持つ人の数 | 理想は10人以下 |
| 全権限を持つアクティブな人 | 2人いることをおすすめ |
| 一時的に入ってもらう人の期間 | 3日から75日 |
2026年10月10日に、Metaビジネスヘルプセンターで確かめました。
この回のゴールは3つです。
- ビジネスポートフォリオが何で、何のために要るのかを説明できる
- 作る前に決める3つを決めて、自社のビジネスポートフォリオを作れる
- 作ったあとに、全権限を2人にし、二段階認証を入れ、アセットとメンバーを入れられる
所要時間は20分です。
この回で使う「ビジネスポートフォリオ 立ち上げシート」を、私のLINEで配布しています。作る前に決める3つの記入欄、作成の手順、最初にやる守りの設定、メンバーと権限の台帳をまとめました。
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1. ビジネスポートフォリオとは
公式ヘルプでは、ビジネスポートフォリオを次のように説明しています。Facebookページ、Instagramアカウント、Threadsアカウント、広告アカウント、カタログなどのビジネスアセットと、それにアクセスする人を、Meta Business Suiteなどの道具でまとめて管理できるもの、です。
つまり、会社として持つMetaの持ち物と、それを触ってよい人の名簿を、1か所にまとめる入れ物です。

個人で持つのと、何が違うのか
ビジネスポートフォリオが無くても、個人のFacebookアカウントからページを作り、広告を出すことはできます。ただしその場合、ページも広告アカウントも、その人個人の持ち物に近い形になります。
担当者が辞めた、個人のアカウントにログインできなくなった、といったときに、会社が自分の広告アカウントに入れなくなります。ビジネスポートフォリオで持っておけば、持ち主は会社で、人は「入れてもらっている」立場になります。人が替わっても、入れ物は会社に残ります。
名前について
ビジネスポートフォリオは、以前は「ビジネスマネージャ」と呼ばれていたものです。検索では今も「ビジネスマネージャ」の名前で探されることが多くあります。権限の名前も変わっていて、公式ヘルプには「全権限(以前のビジネス管理者の権限)」「基本的なアクセス許可(以前の従業員の役割)」のように、以前の名前が添えられています。
Meta Business Suiteとの違い
よく混ざるのが、Meta Business Suiteです。
| ビジネスポートフォリオ | Meta Business Suite | |
|---|---|---|
| 何か | 会社の入れ物(持ち物と名簿) | その入れ物を開いて使う画面 |
| 例えると | 会社の口座 | 口座を操作するネットバンキングの画面 |
ビジネスポートフォリオという入れ物を、Meta Business Suiteという画面で開いて操作する、という関係です。Meta Business Suiteの使い方は第7回で扱います。
2. ビジネスポートフォリオが必要になる場面
公式ヘルプには、ビジネスポートフォリオが「必要」なことが5つ書かれています。
| 必要なこと | 広告を出す事業者に関係するか |
|---|---|
| Meta Business Suiteを利用する | ほぼ全員 |
| 月極請求書払いに登録する | 広告費が大きくなってきたら |
| 社会問題、選挙、政治に関連する広告を出す | ふつうは関係しない |
| ドメインを認証する | サイトで成果を測るなら必要 |
| パブリッシャーブロックリストを作る | 出したくない掲載先があるとき |

これに加えて、代理店に運用を頼むときにも要ります。第4回で書いたとおり、代理店を「パートナー」として招待できるのは、ビジネスポートフォリオを持っている会社だけです。つまり、広告を本気で続けるなら、最初に作っておくものです。
3. 作る前に決める3つ
作る操作は簡単ですが、あとから変えにくいことが3つあります。作り始める前に、紙に書いておきます。

決めること1 名前
公式ヘルプには、「ビジネスまたは組織の公式名称と一致させる」「特殊文字は使えない」と書かれています。この名前は、Meta上で表示されます。店名やブランド名ではなく、会社の正式な名前にしておくのが無難です。ブランドが複数あっても、入れ物は会社として1つにまとめ、中に複数のページや広告アカウントを入れられます。
決めること2 誰のFacebookアカウントで作るか
作った人に、最初の全権限が付きます。公式ヘルプには、1人が作れるビジネスポートフォリオは最大2つと書かれています。
おすすめは、会社の代表者か、会社に長くいる責任者のアカウントで作ることです。運用を担当する若手や、外部の人のアカウントで作ると、その人が離れたときに困ります。担当者は、あとからメンバーとして入れれば足ります。
決めること3 連絡用のメールアドレス
Facebookのアカウントで作る場合、氏名とビジネスのメールアドレスを入力します。このメールアドレスは、ビジネスに関する連絡に使われ、お客様には表示されません。
会社のドメインのメールアドレスにしておきます。公式ヘルプのセキュリティのおすすめには、「ビジネスと関係のないメールアドレスを使っている人は削除する」と書かれています。誰でも取れるメールアドレスは、守りの面で弱いと見られています。個人のフリーメールは避けます。
4. 作り方の手順
パソコンのブラウザで操作します。画面の項目名は、2026年10月10日に公式ヘルプで確かめたものです。

| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | business.facebook.com を開き、Facebookのアカウントでログインする |
| 2 | 左上の[ホーム]の下にあるドロップダウンを押す |
| 3 | [ビジネスポートフォリオを作成]を押す |
| 4 | ポートフォリオの名前、氏名、ビジネスのメールアドレスを入れて、[作成]を押す |
| 5 | 届いたメールで、メールアドレスを確認する |
作るのはこれで終わりです。作った人には、そのビジネスポートフォリオの全権限が付きます。
新しく作った直後は、使えない機能があることがある
公式ヘルプには、「新しいビジネスポートフォリオや広告アカウントを作っても、一部の広告機能にアクセスできない場合がある」と書かれています。不正利用を防ぐため、一定の要件を満たした広告主だけに許される機能がある、という説明です。
今どの機能が使えるかは、Metaビジネスサポートホームで確かめられます。作った直後に何かが選べなくても、慌てずにそこを見ます。
5. 作ったら、最初にやる4つ
ここを飛ばすと、あとで困ります。作った日のうちに済ませます。

1 二段階認証かパスキーを入れる
公式ヘルプのセキュリティのおすすめには、「パスキーか二段階認証を設定していない人は、設定するまでポートフォリオから外す」と書かれています。まず自分から入れます。
二段階認証は、認証アプリを使い、リカバリーコードも保存しておくことがすすめられています。スマホを替えたときにログインできなくなるのを防ぐためです。
2 全権限を、もう1人に付ける
公式ヘルプでは、全権限を持つアクティブな人を2人にしておくことをすすめています。必須ではありませんが、1人だけだと、その人がログインできなくなった時点で、誰も入れ物を管理できなくなります。
一方で、全権限を持つ人が多すぎるのも危ないとされていて、理想は10人以下です。小さな会社なら、代表者と、もう1人の責任者の2人で十分です。
3 ビジネスポートフォリオIDを控える
代理店や制作会社とつなぐときに、IDを聞かれます。[設定]の[ビジネスポートフォリオの情報]を開くと、名前の下に番号が出ています。社内の台帳に書き写しておきます。
4 アセットを入れる
Facebookページ、Instagramアカウント、広告アカウント、Metaピクセルを入れます。入れ方は次の章で書きます。
この回で使う「ビジネスポートフォリオ 立ち上げシート」には、作る前に決める3つの記入欄と、作ったらすぐやる4つのチェック欄が入っています。
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6. アセットを入れる
公式ヘルプには、ビジネスアセットは1つのビジネスポートフォリオにしか所属できない、と書かれています。ここがいちばんつまずくところです。

Facebookページ
会社のFacebookページを入れます。すでに別の誰かのビジネスポートフォリオに入っている場合は、そのままでは自社に入れられません。前の代理店や、以前の担当者のポートフォリオに入っていないかを、先に確かめます。
Instagramアカウント
公式ヘルプには、入れる前の条件が3つ書かれています。
- Instagramがビジネス用のプロアカウントになっている
- ビジネスポートフォリオの全権限を持っている
- 別のビジネスポートフォリオに入っていない
手順は、[設定]の[アカウント]の下の[Instagramアカウント]で[追加]を押し、Instagramにログインして確認します。入れたあとは、新しく作るキャンペーンで、Instagramが配置先に自動で含まれるようになります。
広告アカウント
広告アカウントの入れ方は3つあります。
| 入れ方 | 使う場面 |
|---|---|
| 新しい広告アカウントを作成 | これから広告を始めるとき |
| 既存の広告アカウントを取得 | 自社で使っていた広告アカウントを、このポートフォリオに移すとき |
| 広告アカウントの共有をリクエスト | 代理店が、お客様の広告アカウントを使わせてもらうとき |

3つ目は、代理店側が使う方法です。この場合、広告アカウントはお客様のポートフォリオに残ったまま、代理店はアクセスだけを共有してもらいます。第4回で書いた「自社が持ち、代理店を招待する」形が、公式の説明でもこの関係です。
広告アカウントの作り方と支払い方法の登録は、第8回で扱います。
Metaピクセル
サイトでの成果を測るためのMetaピクセルも、ビジネスポートフォリオに入れておきます。ピクセルの入れ方は第10回で扱います。
7. メンバーを入れて、権限を分ける
社内の担当者や、外部の人を入れるときは、必要な分だけの権限を付けます。公式ヘルプでは、権限は大きく2つに分かれています。

| 権限 | 以前の名前 | できること |
|---|---|---|
| 全権限 | ビジネス管理者 | 設定、メンバー、アセットのすべてを管理。ポートフォリオの削除もできる |
| 基本 | 従業員 | 割り当てられたアセットでだけ作業する。メンバーを追加したときの既定 |
| アプリと統合 | 開発者 | コンバージョンAPIの設定、イベントの確認、アクセストークンの作成など |
| 財務(詳細オプション) | ー | 請求書、消化額、支払い方法を見る・管理する |
財務の権限は、全権限を持っていても最初からは付いていません。請求書を見る人には、別に付けます。
一時的に入ってもらう
撮影や設定の手伝いなど、短い期間だけ入ってもらう人には、一時的なアクセスが使えます。基本的なアクセス許可だけを、3日から75日の間で付けられ、期限が来ると自動で外れます。外し忘れが起きないので、外部の人にはこちらが向いています。
アセットごとに権限を付ける
ポートフォリオの全権限が無い人にも、特定のアセットだけ全権限を付けることができます。たとえば、Instagramの投稿担当者には、Instagramアカウントだけを任せる、という分け方です。
代理店は、メンバーではなくパートナーとして入れます。手順は第4回に書きました。
8. ビジネスポートフォリオを守る
ビジネスポートフォリオは、乗っ取りの標的になりやすい場所です。公式ヘルプのセキュリティのおすすめを、小さな会社で効く順に並べると次のとおりです。

| おすすめ | 中身 |
|---|---|
| 全員にパスキーか二段階認証 | 設定していない人は、設定するまで外す |
| 全権限は必要な人だけ | アクティブな人を2人、理想は10人以下 |
| しばらく入っていない人を外す | 過去90日間ログインしていない人、とくに全権限の人 |
| 使っていない広告アカウントを閉じる | 過去1年広告を出していない広告アカウントは狙われやすい |
| 関係のないメールアドレスの人を外す | 誰でも取れるメールアドレスの人 |
| 権限の一覧を書き出して見直す | [設定]の[ユーザー]から書き出せる |
注意したいのは、広告アカウントはポートフォリオから「削除」できない、という点です。使わなくなった広告アカウントは、削除ではなく「閉鎖」します。
私たちが新しくMeta広告の運用を引き受けるときも、最初にここを一緒に見ます。辞めた担当者がまだ全権限を持っている、二段階認証が入っていない人がいる、ということは珍しくありません。
よくある質問
1人でやっている小さな店でも必要ですか
広告を続けるなら、作っておくことをおすすめします。作る手間は5分ほどで、あとで代理店や手伝いの人を入れるときや、自分のアカウントに何かあったときに、会社として広告アカウントを持っていることが効いてきます。
個人のアカウントで作った広告アカウントは、移せますか
「既存の広告アカウントを取得」で、自社のビジネスポートフォリオに移す方法が公式ヘルプに書かれています。ただし、アセットは1つのポートフォリオにしか入れないので、すでに別のポートフォリオに入っている場合は、先にそちらから外してもらう必要があります。
代理店のビジネスポートフォリオに入っている広告アカウントは、どうすればいいですか
持ち主が代理店側のときは、代理店に相談して、自社のポートフォリオに移せるかを確かめます。移せない場合でも、今後新しく作る広告アカウントは自社のポートフォリオで作る、と決めておきます。
ビジネスポートフォリオは削除できますか
公式ヘルプには、ビジネスポートフォリオを削除する手順と、削除できない場合のトラブルシューティングの記事があります。削除できるのは全権限を持つ人です。中のアセットの扱いが変わるので、削除する前に、何が入っているかを書き出しておきます。
つまずきポイント
担当者の個人アカウントだけで作る
運用担当者のアカウントで作り、全権限もその人だけ、という形がいちばん危ないです。その人が辞めると、会社が入れ物を管理できなくなります。全権限は、代表者を含めて2人に付けます。
ページやInstagramが入らない
別のビジネスポートフォリオに入っていることがほとんどです。以前の代理店、制作会社、前の担当者が作ったポートフォリオに入っていないかを確かめます。Instagramは、プロアカウントになっているかも確かめます。
外部の人の権限を外し忘れる
撮影や設定の手伝いで入ってもらった人が、終わったあとも残っている、ということがよく起きます。短い期間の人には、一時的なアクセスを使えば、期限で自動的に外れます。
慣れたらここまで
3か月に1回、[設定]の[ユーザー]から権限の一覧を書き出して見直します。前回ログインした日と、二段階認証を入れているかも見られます。しばらく入っていない人と、役割に対して権限が大きすぎる人を外します。
突き詰めるなら
ブランドや店舗が複数あるなら、ビジネスアセットグループで、ページ、広告アカウント、Instagramをまとめて担当者に割り当てる方法があります。公式ヘルプの「ビジネスアセットグループを作成する」に手順があります。担当が分かれているほど、割り当ての手間が減ります。
まとめ
- ビジネスポートフォリオは、広告アカウント、ページ、Instagram、ピクセルとメンバーをまとめて持つ、会社の入れ物
- 作る前に、名前(会社の正式名称)、誰のアカウントで作るか、会社のメールアドレスの3つを決める
- 1人が作れるのは最大2つ。アセットは1つのポートフォリオにしか入らない
- 作ったら、二段階認証、全権限をもう1人、IDを控える、アセットを入れる、の4つをその日のうちに
- メンバーには必要な分だけの権限を。外部の人には一時的なアクセス、代理店はパートナー
- 全権限は2人から10人以下。しばらく入っていない人と、使っていない広告アカウントを放置しない
「ビジネスポートフォリオ 立ち上げシート」は、作る前に決める3つ、作成の手順、作ったらすぐやる4つ、メンバーと権限の台帳、3か月ごとの見直しをまとめています。
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次のレッスン
第7回は、Meta Business Suiteの使い方です。今回作ったビジネスポートフォリオを、毎日開いて使う画面の歩き方を見ていきます。
この講座の全32回の一覧は、講座トップにまとめています。 → メタ広告マスター講座トップ


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