このページでわかること
こんにちは、あきです。
第6回で会社の入れ物であるビジネスポートフォリオを作り、第7回で毎日使う画面を見ました。第8回は、その入れ物の中に、広告のお金を出し入れする「広告アカウント」を作り、支払い方法を登録します。
先に結論を書きます。
広告アカウントは、広告の財布と帳簿を1つにしたものです。支払い方法、請求、キャンペーン、見られる人の権限が、この単位でまとまります。会社で広告を出すなら、ビジネスポートフォリオの中に作ります。作るときに入れる「名前、時間帯、通貨」の3つは、最初に正しく決めます。支払い方法は、日本ではクレジットカード(またはクレジット機能付きデビットカード)、PayPal、手動の決済方法の3つです。

この回のゴールは3つです。
- 広告アカウントが何をまとめる単位なのかを説明できる
- 名前、時間帯、通貨を決めて、ビジネスポートフォリオの中に広告アカウントを作れる
- 支払い方法を登録し、自動決済と利用可能残高の違いと、請求のタイミングが分かる
所要時間は30分です。カードを手元に用意してから始めてください。
この回で使う「広告アカウント 開設チェックシート」を、私のLINEで配布しています。作る前に決める3つの記入欄、作成の手順のチェック欄、支払い方法の登録とバックアップの確認、作れないときの確認表をまとめました。
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1. 広告アカウントとは
Metaの公式ヘルプでは、広告アカウントは「広告を公開、管理、測定する」ためのものと説明されています。広告を1本でも出すには、必ずどれかの広告アカウントの中で作ります。
広告アカウントにまとまるものは、次の5つです。
| まとまるもの | 中身 |
|---|---|
| 支払い方法 | カード、PayPal、手動の決済方法 |
| 請求 | いくら使い、いつ請求されたか |
| キャンペーン | 広告のまとまり(第13回で詳しく) |
| 権限 | 誰が見られて、誰が直せるか |
| 通貨と時間帯 | 金額の単位と、1日の区切り |
公式ヘルプによると、Facebookに登録すると、最初から広告アカウントが1つ付いています。つまり、個人のFacebookアカウントにも、すでに広告アカウントがある状態です。

個人の広告アカウントと、会社の広告アカウント
ここが、最初に決めるいちばん大事なところです。
| 個人のFacebookに付いている広告アカウント | ビジネスポートフォリオの中の広告アカウント | |
|---|---|---|
| 持ち主 | その個人 | 会社 |
| 担当者が辞めたとき | その人のアカウントと一緒に離れる | 会社に残る。人だけ入れ替える |
| 代理店と組む | 個人のアカウントを渡すことになりやすい | パートナーとして招待できる(第4回) |
| 公式のおすすめ | 1人で小さく試す | 複数のクライアントやプロジェクトの広告を管理するなら、こちら |
公式ヘルプは、複数のクライアントやプロジェクトの広告を管理する場合、ビジネスポートフォリオを作ることを勧めています。会社の広告は、担当者が替わっても続きます。最初から会社の入れ物の中に作っておけば、人が入れ替わっても広告の履歴と支払いの設定が会社に残ります。
なお、Instagramのプロアカウントから投稿を宣伝するだけなら、Facebookアカウントは要りません。ただし公式ヘルプのとおり、その場合は広告アカウントの機能や設定が使えません。宣伝と広告マネージャの違いは第14回で扱います。
2. 作る前に決める3つ
新しい広告アカウントを作るとき、入れるのは「広告アカウント名、時間帯、通貨」の3つです。どれも入力欄は1行ですが、あとで効いてきます。

| 決めること | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 広告アカウント名 | 「会社名_用途」(例 会社名_自社EC) | ほかの口と見分けるため。番号のままにしない |
| 時間帯 | 日本時間(東京) | 1日の区切りと、日ごとの数字の集計がこれで決まる |
| 通貨 | 日本円(JPY) | 予算、請求、報告の数字の単位になる。日本の手動の決済方法も円が条件 |
GOENが見られる16の広告アカウントで確かめたこと
2026年10月10日に、GOENが運用や確認で見られるMetaの広告アカウント16口の設定を数えました。口の名前や業種は出しません。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 通貨 | 日本円が15口、英ポンドが1口 |
| 時間帯 | 日本時間が13口、ロンドン時間が3口 |
| 通貨は日本円なのに、時間帯がロンドン | 2口 |
| 名前が番号のまま | 2口 |
| ビジネスポートフォリオに入っていない | 1口(個人の広告アカウント) |
円で払っているのに、時間帯がロンドンの口が2つありました。この設定だと、広告アカウントの「1日」は日本時間の朝9時に切り替わります(イギリスが夏時間のあいだは朝8時)。日ごとの数字を見ると、夜に出た成果と翌朝の成果が同じ日にまとまり、日本の営業日とずれます。1日の予算も、この区切りで数えられます。

作ったあとに通貨や時間帯を変えられるかは、2026年10月10日に公式ヘルプで確かめきれませんでした。だからこそ、最初の1回で「日本円、日本時間」を選ぶのがいちばん安全です。
名前が番号のままの口も2つありました。口が増えると、どれが何の広告か分からなくなります。名前は作るときに付けます。
3. ビジネスポートフォリオの中で作る手順
公式ヘルプの手順は次のとおりです。ビジネスポートフォリオの全権限を持っている人が作業します(第6回)。

1. Meta Business Suiteで[設定]を開く 2. 左のメニューの[アカウント]から[広告アカウント]を選ぶ 3. [+ 追加]を押し、[新しい広告アカウントを作成]を選ぶ 4. 広告アカウント名、時間帯、通貨を入れて[次へ] 5. 使う先を選ぶ。自社の広告なら[自分のビジネス] 6. 表示されたビジネスポートフォリオに追加することを確認する 7. ビジネスポートフォリオを代表して、Metaの利用規約と広告規定に同意するボックスにチェックを入れる 8. [広告アカウントを作成]を押す 9. [支払い情報を追加]を押す。あとでやる場合は[完了]
5番で[別のビジネスまたはクライアント]を選ぶのは、代理店がクライアントの代わりに広告を出す場合です。自社の広告なら[自分のビジネス]です。
公式ヘルプのとおり、ビジネスポートフォリオで作った広告アカウントは、そのポートフォリオにずっと登録されます。あとから別のポートフォリオに移したり、削除したりはできません。どのポートフォリオで作るかは、作る前に確かめます。
すでにある広告アカウントを会社の入れ物に入れる
個人で始めた広告アカウントを、会社のビジネスポートフォリオに入れることもできます。手順は同じ[+ 追加]から[広告アカウントを追加]を選び、広告アカウントのID(番号)を入れます。
ただし、公式ヘルプには次の注意があります。
- 追加は永続的になる場合があり、あとで外したり移したりできないことがある
- 別のビジネスポートフォリオがすでに持っている広告アカウントは、追加できない(代わりに共有をリクエストする)
- プリペイドの残高が残っている広告アカウントは、追加できない
4. 支払い方法を登録する
広告を公開するには、広告アカウントに支払い方法が必要です。作成の最後に[完了]を押した場合も、あとから[請求と支払い]で登録できます。
日本で使える支払い方法
公式ヘルプの「Meta広告で利用できる支払い方法」の日本の欄には、次の3つが書かれています(2026年10月10日に確認)。
| 支払い方法 | 中身 | 条件 |
|---|---|---|
| クレジットカード、クレジット機能付きデビットカード | American Express、JCB、Mastercard、Visa | セキュリティコード(CVV)のあるカード |
| PayPal | PayPalのアカウントから | |
| 地域限定の手動決済方法 | 先にお金を入れて使う形 | 国が日本、通貨が日本円で、最初に広告アカウントを設定するときに手動決済を選んだ場合だけ |

登録の手順
1. [請求と支払い]を開く 2. 広告アカウントが1つだけなら左のメニューの[支払い設定]、複数あるなら広告アカウントを選んでから[支払い方法] 3. [支払い方法を追加]を押し、方法を選んで[次へ] 4. 画面の案内に沿って、カードなどの情報を入れる
支払い方法を直せるのは、ビジネスポートフォリオの中の口なら、その広告アカウントの全権限を持つ人です。経理の担当者に任せる場合は、第6回で書いた「財務」の権限も確かめます。財務の権限は、全権限にも最初から含まれていません。
支払い方法は2つ以上登録し、どれをいつも使うか(デフォルト)を決めておきます。公式のベストプラクティスでも、残高不足で広告が止まらないように、予備の支払い方法を足すことが勧められています。
5. 自動決済と利用可能残高
支払いの形は2つあり、最初の広告を作るときに選んだ支払い方法で決まります。
| 自動決済 | 利用可能残高 | |
|---|---|---|
| こうなる支払い方法 | カードかPayPal(定期の支払いに対応している場合) | 手動の決済方法 |
| お金の動き | 使ったぶんをあとから請求 | 先にお金を入れ、そこから引かれる |
| 請求のタイミング | 支払い単位額に達したときと、毎月の請求日 | 1日1回を上限に、残高から引かれる |
| 気をつけること | カードの上限と有効期限 | 残高が切れると広告が止まる |
公式ヘルプのとおり、どちらかの形に固定される場合があります。途中で切り替えるつもりで始めず、最初に決めます。迷ったら、手続きの少ないカードの自動決済から始めるのが分かりやすいです。

いつ請求されるか
自動決済では、請求は次の2つのタイミングで起きます。
- 使った金額が「支払い単位額」に達したとき
- 毎月の請求日
このため、1か月に何度も請求が来ることがあります。広告を止めたあとに請求が来ることもあります。止めたあとに請求が来るのは、止める前に使った分が請求日に残っていた場合です。
1回の取引に上限があるカードでは、支払い単位額をカードの上限に合わせて下げられます。請求の仕組みと費用の読み方は、第3回で詳しく書きました。
「広告アカウント 開設チェックシート」には、自動決済と利用可能残高のどちらにするかの判断欄と、支払い方法の予備と有効期限を確かめる欄があります。
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6. 作れる数と上限
広告アカウントは、いくつでも作れるわけではありません。公式ヘルプの上限は次のとおりです。
| 上限 | 中身 |
|---|---|
| 支払いが確認されるまで | 広告アカウントは1つだけ |
| 新しいビジネスポートフォリオ | 作れるのは1つ。キャンペーンを出して支払いが行われると、最大3つまで増える |
| その後 | 広告の消化の実績に応じて増える |
| 1人が管理できる数 | 最大25の広告アカウント |
| 1つの広告アカウントに入れる人 | 最大25人 |

閉じた広告アカウントも、上限の数に入ります。60日のあいだ使わず消化もなかったために無効になった口も、上限に数えられます。練習用に何個も作って放置すると、本番の口を作れなくなることがあります。
1つの会社で広告アカウントを分けるのは、支払いや帳簿を分けたいときだけで足ります。たとえば、店舗と通販で経理を分ける場合です。商品ごとやキャンペーンごとに口を分ける必要はありません。キャンペーンの分け方は第13回で扱います。
7. 使わない広告アカウントは閉じる
ビジネスポートフォリオから広告アカウントを削除することはできません。使わなくなった口は「閉鎖」します。公式のセキュリティのベストプラクティスでも、1年広告を出していない広告アカウントは閉じることが勧められています。
手順は、[設定]→[広告アカウント]→ 口の名前 →[利用解除]→[広告アカウントを利用解除]です。
- 閉じると、出ている広告はすべて止まり、新しい広告は作れない
- 広告、成果、請求の履歴は、閉じたあとも見られる
- 残っている支払いは請求され、そのあと支払い方法が外れる
- 終わるまで数日かかることがある

8. 作れないとき、支払いに失敗したとき
広告アカウントを作れないとき、公式ヘルプが挙げている理由は3つです。
| 作れない理由 | 確かめること |
|---|---|
| 上限に達している | 閉じた口や、60日使っていない口が数に入っていないか。作れる数はMeta Business Suiteの[ビジネス情報]で見られる |
| 今ある広告アカウントの状態がよくない | 広告の規定に反して制限された口がないか(第27回) |
| 作る権限がない | ビジネスポートフォリオの全権限を持っているか(第6回) |
支払いに失敗すると、広告アカウントが止まることがあります。公式のベストプラクティスにある確認は次のとおりです。
- 毎月の請求日の前に、カードの残高や利用枠に余裕があるか
- 予備の支払い方法を登録しているか
- セキュリティコードのあるカードか
- 同じカードを、たくさんの広告アカウントで使い回していないか(1つの支払い方法を使える口の数には制限がある)
- カードの有効期限が、次の請求日より先か

よくある質問
個人のFacebookに付いている広告アカウントで始めてもいいですか
1人で小さく試すだけなら、動きます。ただし、会社の広告として続けるなら、ビジネスポートフォリオの中に作るほうが安全です。担当者が辞めたときに、広告の履歴と支払いの設定が会社に残るからです。
広告アカウントを作るのにお金はかかりますか
作るだけでは、費用はかかりません。お金がかかるのは、広告を出して表示されたときです(第3回)。
代理店に頼む場合、カードを代理店に預けるのですか
預けません。自社のビジネスポートフォリオで広告アカウントを持ち、自社のカードを登録して、代理店をパートナーとして招待する形が基本です。手順は第4回に書きました。
支払い方法を登録したのに広告が出ません
支払い方法だけでは、広告は出ません。キャンペーンを作り、審査に通る必要があります。また、公式ヘルプのとおり、新しいビジネスポートフォリオや広告アカウントでは、一部の広告機能が使えない場合があります。使える機能はビジネスサポートホームで確かめられます。
つまずきポイント
時間帯を確かめずに作る
GOENが見られる16口のうち2口は、円で払っているのに時間帯がロンドンでした。日ごとの数字が日本の営業日とずれます。作る画面で、時間帯の欄を必ず見ます。
名前を付けずに作る
番号のままの口が2つありました。口が増えたとき、どれが何の広告か分からなくなります。
社員の個人のカードを登録する
担当者の個人のカードで払うと、その人が辞めたときに支払いが止まります。会社のカードを登録し、予備も会社のものにします。
カードの有効期限が切れて広告が止まる
請求日にカードが通らないと、広告が止まることがあります。カードの更新時期を、カレンダーに入れておきます。
慣れたらここまで
予備の支払い方法を登録し、経理の担当者に財務の権限だけを渡します。請求書や領収書を経理が自分で取りに行ける形にすると、広告の担当者が請求の作業から外れます。
突き詰めるなら
用途ごとに口を分けるかどうかを、経理の都合から決めます。口を分けると支払いと請求は分かれますが、広告の学習(第23回)も口ごとに分かれます。分ける理由が経理でないなら、1つの口の中でキャンペーンを分けるほうが、広告の学習には有利です。
まとめ
- 広告アカウントは、広告の財布と帳簿。支払い方法、請求、キャンペーン、権限がこの単位でまとまる
- 会社の広告は、ビジネスポートフォリオの中に作る。作った口は、そのポートフォリオから外せない
- 作るときは、名前を「会社名_用途」、時間帯を日本時間、通貨を日本円にする
- 日本の支払い方法は、カード(4ブランド)、PayPal、手動の決済方法。最初に選んだ方法で、自動決済か利用可能残高かが決まる
- 自動決済の請求は、支払い単位額に達したときと毎月の請求日。予備の支払い方法を入れておく
- 作れる数には上限があり、閉じた口も数に入る。使わない口は閉じる
「広告アカウント 開設チェックシート」は、作る前に決める3つの記入欄、作成と支払い登録のチェック欄、自動決済と利用可能残高の判断欄、作れないときと支払いに失敗したときの確認表をまとめています。
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次のレッスン
第9回は、広告マネージャの使い方です。広告アカウントの中で、広告を作り、直し、数字を見る作業場の歩き方を見ます。
この講座の全32回の一覧は、講座トップにまとめています。 → メタ広告マスター講座トップ


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