Google広告のAI Max(AI最大化設定)とは|入れる前の6つの確認と、自動化との付き合い方

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このページでわかること

こんにちは、あきです。

この回は、Google広告マスター講座の第40回です。前回の第39回では、商談や契約まで広告に返す計測を扱いました。この回は、その計測の上で動く「自動化」とどう付き合うかです。中心は、検索キャンペーンのAI Max(管理画面での名前は「AI 最大化設定」)です。

先に結論を出します。

AI Maxは、新しい種類のキャンペーンではありません。今の検索キャンペーンに上から乗せる、自動化の設定のまとまりです。オンにすると、登録したキーワードの外の検索にも広告が出るようになり、広告文と飛び先のページもGoogleが組み合わせて出すようになります。

大事なのは、オンにするかどうかより、オンにする前の準備です。予算に余裕があるか、計測が正しく動いているか、サイトの内容が正確か。ここが整っていないと、自動化は間違った方向に広がります。

そして、2026年の今、AI Maxは「自分でオンにしなくても入ってくる」ものになりつつあります。公式ヘルプでは、自動作成アセット(今の名前は「テキストのカスタマイズ」)を使っているキャンペーンは2026年9月から、動的検索広告を使っているキャンペーンは2027年2月から、AI Maxに自動でアップグレードされると告知されています。

AI Maxは今の検索キャンペーンの上に乗る設定で、検索語句とのマッチングとアセットの最適化の2つからなることを示した自作図解
AI Maxは今の検索キャンペーンの上に乗る設定で、検索語句とのマッチングとアセットの最適化の2つからなることを示した自作図解

運用中のアカウントで、自動化の設定を見ました。

見たもの 結果
有効な検索キャンペーンのうち、AI Maxがオンになっていたもの14中0
最適化案の自動適用を、1つ以上オンにしているアカウント11中3
直近30日に、最適化案の自動適用による変更があったアカウント11中1
検索キャンペーンのうち、予算による損失が20%以上あったもの15中8

Google広告APIで2026年10月10日に集計しました。最後の行は第36回で見たインプレッションシェアのデータです。

AI Maxは、まだどのキャンペーンでもオンになっていませんでした。そして、検索キャンペーンの半分以上が、予算が足りずに表示を逃していました。公式ヘルプには、AI Maxは予算による制限を受けているキャンペーンでは効果を発揮しない、とはっきり書かれています。オンにする前に、ここを先に直す必要があるアカウントが多いということです。

この回のゴールは3つです。

  • AI Maxの機能と、それぞれを止めるスイッチの場所を説明できる
  • オンにする前の6つの確認を済ませ、テストで効果を確かめられる
  • 最適化案の自動適用も含めて、自動化に任せるものと人が持つものを分けられる

所要時間は40分です。この回の内容は、2026年10月10日に確認した公式ヘルプにもとづきます。AI Maxは変更が多い機能なので、書いてある日付を必ず確かめながら読んでください。

この回で使う「AI Max導入判断シート」を、私のLINEで配布しています。オンにする前の確認表、業種別の向き不向き12業種、止める設定の一覧、テストの記録表をまとめました。
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1. AI Maxとは

公式ヘルプは、AI Maxを「検索キャンペーンの継続的な最適化レイヤ」と説明しています。リアルタイムの手がかりを処理して、広告を出す検索と、出す広告の中身を自動で調整する、という意味です。

AI Maxの2つの柱、検索語句とのマッチングとアセットの最適化と、それぞれに含まれる機能を並べた自作図解
AI Maxの2つの柱、検索語句とのマッチングとアセットの最適化と、それぞれに含まれる機能を並べた自作図解

中身は、大きく2つの柱に分かれます。

柱 何をするか 止める単位
検索語句とのマッチング登録したキーワード、広告文、URLから学び、キーワードの外の関連する検索にも広告を出す広告グループ
アセットの最適化広告文を検索に合わせて作り足す(テキストのカスタマイズ)、飛び先をサイトの中から選ぶ(最終ページURLの拡張)キャンペーン

AI Maxをオンにすると、この2つが最初からオンになります。それぞれ、広告グループやキャンペーンの設定で個別にオフにできます。(出典 Google広告ヘルプ 検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み 2026年10月10日確認)

P-MAXとの違い

公式ヘルプは、AI MaxとP-MAXの違いについて、AI Maxは検索キャンペーンを最適化する機能として設計されていて、慣れた検索キャンペーンの構造を保ったまま使える、と説明しています。

AI Max P-MAX
何か検索キャンペーンの中の設定1つのキャンペーンの種類
出る場所Google検索(検索キャンペーンの範囲)検索、YouTube、ディスプレイ、Gmailなど
キーワード今のキーワードを土台にするキーワードを登録しない
今の構造そのまま残る新しく作る

P-MAXは第24回で扱いました。検索広告の構造を残したまま自動化の範囲を広げたいならAI Max、出す場所ごと任せたいならP-MAX、というのが大まかな分け方です。

2. 機能と、それぞれのスイッチ

AI Maxには、広げる機能と、広がりを抑える機能があります。オンにする前に、抑える機能の場所を知っておくことが大事です。

AI Maxの機能を、広げる機能と抑える機能に分け、それぞれキャンペーン単位か広告グループ単位かを示した自作図解
AI Maxの機能を、広げる機能と抑える機能に分け、それぞれキャンペーン単位か広告グループ単位かを示した自作図解
機能 広げるか抑えるか 単位
検索語句とのマッチング広げる広告グループ
テキストのカスタマイズ(旧 自動作成アセット)広げるキャンペーン
最終ページURLの拡張広げるキャンペーン
関心対象地域絞る(地域に関心がある人に届ける)広告グループ
ブランドの登録絞る(関連付けるブランドを指定する)キャンペーンと広告グループ
ブランドの除外抑える(特定のブランドの横に出ない)キャンペーン
URLの登録広げる(拡張で拾われなかったURLを含める)広告グループ
URLの除外抑える(飛び先にしたくないページを外す)キャンペーン

いずれも公式ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み」に書かれている機能と単位です。(2026年10月10日確認)

テキストのカスタマイズ

今ある広告文、飛び先のページの文章、アセットのテキストから、Googleの生成AIが検索に合わせた広告文を作り足します。公式ヘルプには、ウェブサイトの内容が正確で、誤解を招かず、ポリシーと法律に反していないことを確かめるように、と書かれています。(出典 Google広告ヘルプ 検索キャンペーンのテキストのカスタマイズについて 2026年10月10日確認)

つまり、作り足される広告文の元は、自分のサイトです。サイトに古い情報が残っていると、その情報が広告文に出ることがあります。私が見ていたアカウントでも、使ってほしくない言葉が広告文に入っていたことや、サイトの古い記載から創業の年が違って出ていたことがありました。見つけしだい直しましたが、サイトの側を直さないと、また同じものが作られます。

最終ページURLの拡張

検索に合わせて、サイトの中から関連の高いページを飛び先に選びます。公式ヘルプによると、テキストのカスタマイズを有効にしないと使えません。また、この機能が有効だと、レスポンシブ検索広告で固定したアセット(ピン留め)は無視されます。見出しを固定して必ず出したい文言がある場合は、ここに注意します。

会社概要や採用のページのように、成果につながりにくいページが選ばれることもあります。飛び先にしたくないページは、URLの除外で外せます。

関心対象地域

関心対象地域とブランドの登録と除外を、今いる場所と関心のある地域、広げる方向と閉じる方向で示した自作図解
関心対象地域とブランドの登録と除外を、今いる場所と関心のある地域、広げる方向と閉じる方向で示した自作図解

利用者が今いる場所ではなく、どの地域に関心を持っているかで広告を届ける機能です。公式ヘルプには、キーワードレス マッチの場合でも、地理的な意図にもとづいて特定のユーザーに届ける、と書かれています。広告グループ単位で設定します。

たとえば、東京に住んでいる人が北海道の旅行を調べているとき、北海道の宿の広告を届けたい、という場面です。旅行、不動産、引っ越しのように、住んでいる場所と調べている場所が違う商売で効きます。逆に、来店型のお店で商圏が狭いなら、地域の設定は第20回のとおり、今いる場所を中心に考えるほうが合います。

ブランドの登録と除外

ブランドの登録は、広告を関連付けたいブランドを指定する機能です。自社の商品名や、取り扱っているメーカーの名前を登録すると、そのブランドに関する検索で広告が出やすくなります。キャンペーン単位と広告グループ単位の両方で使えます。

ブランドの除外は、特定のブランドの横に広告が出ないようにする機能です。キャンペーン単位で使います。たとえば、高価格帯の商品を売っているのに、安さで勝負している別のブランドの検索に出たくない、という場面で使います。AI Maxは検索の範囲を広げる設定なので、広げたくない方向を先にここで閉じておくのが、ブランドを守る使い方です。

3. オンにする前に確かめる6つ

ここが、この回でいちばん大事な章です。

AI Maxをオンにする前に確かめる6つ、予算、計測、サイトの内容、トラッキング、固定アセット、キーワードの優先順位を並べた自作図解
AI Maxをオンにする前に確かめる6つ、予算、計測、サイトの内容、トラッキング、固定アセット、キーワードの優先順位を並べた自作図解

1 予算による制限を受けていないか

公式ヘルプには、AI Maxは、キャンペーンが予算による制限を受けている場合には効果を発揮しない、と書かれています。オンにするときに、予算による制限のアラートが出ることもあります。

冒頭の表のとおり、運用中の検索キャンペーンでは、15中8で予算による損失が20%以上ありました。この状態でAI Maxをオンにしても、広がった先の検索に使う予算がありません。予算の損失は第36回の手順で確かめます。

2 計測が正しく動いているか

AI Maxは、コンバージョンの数字を手がかりに、どこまで広げるかを決めます。計測が止まっていたり、二重に数えていたりすると、間違った方向に広がります。第33回の手順で、状態の表示が「コンバージョンを記録中」かを確かめます。フォーム送信だけでなく、商談や契約まで返せているなら、なお良いです。これは前回の第39回で扱いました。

3 サイトの内容が正確か

テキストのカスタマイズの元はサイトです。料金、営業時間、創業の年、取り扱っている商品。古い情報が残っていないかを先に見ます。広告文に出て困る表現が、サイトのどこかに書かれていないかも確かめます。

4 トラッキングテンプレートを使っていないか

URLにパラメータを付けるトラッキングテンプレートを使っている場合、最終ページURLの拡張で選ばれたページで、404のエラーが出ることがあると公式ヘルプにあります。テンプレートでは、{lpurl}のタグを推奨の形で使っているかを確かめます。ここは、サイトや計測を担当している方に確かめてもらうのが安全です。

5 固定したアセットがないか

最終ページURLの拡張が有効だと、レスポンシブ検索広告の固定アセットは無視されます。法律上の表示や、必ず出したい注意書きを固定で出している場合は、オンにする前に対応を決めます。

6 キーワードの優先順位が変わってもよいか

公式ヘルプには、AI Maxに移行すると、インテント マッチ(部分一致)のキーワードは、優先順位の判定で完全一致として扱われなくなる、と書かれています。完全一致の検索で、どのキーワードが選ばれるかが変わることがあります。マッチタイプの考え方は第15回で扱いました。

4. オンにする手順は、テストから

いきなりキャンペーン全体でオンにせず、まずテストで比べるのがおすすめです。

AI Maxを、テストのページから半分ずつで比べてから適用する流れを示した自作図解
AI Maxを、テストのページから半分ずつで比べてから適用する流れを示した自作図解

AI最大化設定テスト

公式ヘルプによると、AI最大化設定テストは、キャンペーンのコピーを作らず、今のキャンペーンの中でトラフィックと予算を分けて比べるテストです。片方はAI Maxがオフ(対照群)、もう片方はオン(介入群)になります。

手順はこうです。

1. 左のメニューの「キャンペーン」から「テスト」を開く 2. プラスのボタンから「キャンペーンの機能と設定」を選ぶ 3. 「検索キャンペーン向け AI 最大化設定」を選び、続行 4. テストに入れるキャンペーンを選ぶ 5. テスト群の割合、期間、名前、自動で適用するかを決めて、作成する

キャンペーンを1つだけ選んだ場合は、テキストのカスタマイズや最終ページURLの拡張、ブランドの登録や除外も、ここで細かく決められます。(出典 Google広告ヘルプ AI 最大化設定テストについて 2026年10月10日確認)

公式ヘルプが挙げるメリットは3つです。1つのキャンペーンの中で比べるので結果が早い、対照群と介入群を同じキャンペーンの中で更新できるので設定のずれが起きにくい、トラフィックが分散しないので学習期間の短縮が期待できる、です。テストの考え方そのものは前々回の第38回で扱いました。

最適化案からオンにする方法もある

「最適化案」のページに、「検索キャンペーン向け AI 最大化設定を有効にする」という最適化案が出ることがあります。そこから選んだキャンペーンに適用することもできます。ただ、この方法では比べる相手がいないので、効果が分かりにくくなります。

オンにしたら、2週間は触らない

公式ヘルプには、AI Maxを有効にしてから、除外キーワードを足すなどの変更を加える前に、少なくとも2週間待つように書かれています。Googleが学習と最適化を行う期間です。(出典 Google広告ヘルプ 検索キャンペーン向け AI 最大化設定のレポートについて 2026年10月10日確認)

5. オンにしたあとに見るレポート

AI Maxをオンにすると、いくつかのレポートに新しい列や行が増えます。

AI Maxをオンにしたあとに見る4つのレポートと、増える列や行を並べた自作図解
AI Maxをオンにしたあとに見る4つのレポートと、増える列や行を並べた自作図解
レポート 増えるもの 見ること
検索語句レポートマッチタイプの「AI 最大化設定」、[ソース]列広がった先の検索語句に、意図の違うものがないか
検索語句と見出しとURLのビュー検索語句、広告見出し、URLの組み合わせどの検索に、どの文言とページが出たか
キーワード レポート「AI 最大化設定」の概要行広がった分の貢献がどれくらいか
ランディング ページ レポート[選択方法]列自動で選ばれたページの成果
アセット レポートAI Maxのアセットの指標作り足された広告文の中身と成果

いちばん大事なのは、検索語句レポートです。マッチタイプが「AI 最大化設定」になっている検索語句を、費用の多い順に並べて見ます。見方は第35回と同じです。意図の違う語が並んでいたら、除外キーワードで止めます。

次に、アセットレポートで、作り足された広告文を読みます。公式ヘルプには、テキストのカスタマイズを定期的に確認して、ブランドに合わないものを削除できると書かれています。事実と違う文、言ってはいけない文が出ていないかを、人の目で読むのはここです。

「AI Max導入判断シート」には、オンにする前の6つの確認表、業種別の向き不向き12業種、止める設定の一覧、オンにしたあとの確認表をまとめています。
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6. 自分でオンにしなくても入ってくるもの

AI Maxは、自分でオンにしなくても、ほかの設定から自動で切り替わってくることがあります。ここは日付が大事なので、公式ヘルプの記載をそのまま書きます。

AI Maxへの自動のアップグレードと、その時期を、テキストのカスタマイズ、動的検索広告、以前の設定の3つで並べた自作図解
AI Maxへの自動のアップグレードと、その時期を、テキストのカスタマイズ、動的検索広告、以前の設定の3つで並べた自作図解
今使っているもの 公式ヘルプの記載
テキストのカスタマイズ(旧 自動作成アセット)2026年9月から、使っているキャンペーンはAI Maxに自動でアップグレード
動的検索広告(DSA)2027年2月から、使っているキャンペーンはAI Maxに自動でアップグレード
インテント マッチのキャンペーン設定、ブランド設定AI Maxを有効にすると、AI Maxの中で管理されるようになる

出典は、テキストのカスタマイズについてと動的検索広告についての冒頭です。(2026年10月10日確認)

テキストのカスタマイズを使っていたキャンペーンは、すでにアップグレードの時期に入っています。冒頭の表で、運用中の検索キャンペーンにAI Maxがオンのものは0でしたが、これは2026年10月10日時点の話です。自分のキャンペーンの設定で、AI Maxがいつの間にかオンになっていないかを、月に1回は確かめてください。

動的検索広告を使っているなら、2027年2月の前に、テストで比べておく時間があります。公式ヘルプには、カスタムテストやテストのテンプレートで、今の動的検索広告とAI Maxを比べる方法が書かれています。

7. 最適化案の自動適用との付き合い方

AI Maxとは別に、もう1つ、知らないうちに設定が変わる仕組みがあります。最適化案の自動適用です。

最適化案の自動適用の仕組み、アカウント単位、バンドルかカテゴリで選ぶ、予算は上げない、履歴で確かめる、をまとめた自作図解
最適化案の自動適用の仕組み、アカウント単位、バンドルかカテゴリで選ぶ、予算は上げない、履歴で確かめる、をまとめた自作図解

仕組み

「最適化案を自動的に適用」をオンにすると、選んだ種類の最適化案が定期的に適用されます。公式ヘルプに書かれている決まりは次のとおりです。

決まり 内容
単位アカウント単位でのみ設定できる
選び方バンドル(「広告のパフォーマンスを維持する」「ビジネスを拡大する」)か、カテゴリごとに選ぶ
予算自動適用で予算が引き上げられることはない
確かめ方[履歴]タブで最近の適用を見る。変更履歴でも1つずつ見られる
変更点2026年1月26日から、「レスポンシブ検索広告を追加する」は自動適用の対象から外れた

(出典 Google広告ヘルプ 最適化案の自動適用について 2026年10月10日確認)

冒頭の数字の意味

運用中の11アカウントのうち3つで、自動適用が1つ以上オンになっていました。そのうち1つでは、直近30日の変更履歴に、自動適用による変更が6件ありました。誰が設定したか、いつからオンだったかが、引き継ぎの中で分からなくなっていることがあります。

付き合い方

  • オンにしているかどうかを、まず確かめる。最適化案のページの上のほうに設定がある
  • オンにするなら、カテゴリごとに選ぶ。バンドルは中身が広い
  • キーワードの追加、マッチタイプの変更、入札戦略の変更は、自動にしないのが無難。どれも配信の範囲や学習に大きく響く
  • 月に1回、変更履歴を「ツール」や「ユーザー」で絞り、自動で何が変わったかを見る

変更履歴の見方は第37回で扱います。

8. 自動化に任せるもの、人が持つもの

ここまでをまとめると、自動化との付き合い方は「任せるものを決めて、持つものを手放さない」になります。

自動化に任せるものと、人が持ち続けるものを、2列に分けて並べた自作図解
自動化に任せるものと、人が持ち続けるものを、2列に分けて並べた自作図解
自動化に任せてよいもの 人が持ち続けるもの
オークションごとの入札(自動入札)何を成果にするか(コンバージョンの定義と、返す段階)
検索に合わせた広告文の組み合わせ言ってはいけないこと(事実と違う文、法律やポリシー)
関連する検索への広がり予算の総額(自動化は予算を上げてくれない)
飛び先のページの選択出したくない検索とページ(除外キーワード、URLの除外、ブランドの除外)
サイトの内容の正確さ
テストで比べて決めること

右の列は、どれも自動化には判断できないものです。Googleは「コンバージョンが増える方向」には賢く動きますが、そのコンバージョンが本当に商売に効いているか、その広告文を言ってよいかは知りません。

私の考えでは、AI Maxを入れるかどうかより、右の列を手放さないことのほうが大事です。右の列が整っていれば、AI Maxはよく働きます。整っていなければ、広がるほど危うくなります。

向いている商売、向いていない商売

公式ヘルプに向き不向きの基準はありませんが、運用していて感じる傾向はあります。

  • 向いていることが多い ー 商品やサービスの種類が多く、サイトのページが充実している。お客様の検索の言い方が多様
  • 慎重にしたほうがよい ー 言ってよい表現が法律で厳しく決まっている(医療、金融など)。商圏が狭く、広がると遠方の検索に出る。予算が少なく、予算の損失がすでに大きい

これは私の運用の経験からの見立てで、公式の基準ではありません。向いていそうでも、テストで比べてから決めてください。

メリットとデメリット

ここまでの内容を、メリットとデメリットで整理します。

AI Maxのメリットとデメリットを並べ、デメリットを小さくする確認先を示した自作図解
AI Maxのメリットとデメリットを並べ、デメリットを小さくする確認先を示した自作図解
メリット デメリット
キーワードで拾いきれなかった検索に出られる意図しない検索に出ることがある
検索に合わせた広告文と飛び先を自動で組み合わせる事実と違う広告文や、合わないページが出ることがある
広告文を一から何本も書く手間が減る固定アセットが効かなくなることがある
検索語句、見出し、URLを組み合わせたレポートで、何が出たかを追える予算に制限があると効果が出ない
テストで、今のキャンペーンの中で比べられるオンにしてから2週間は触らずに待つ必要がある

デメリットの多くは、2章の抑える機能と、3章の6つの確認で小さくできます。どれも「知らずにオンにした」ときに起きやすいものです。

よくある質問

AI Maxは新しい種類のキャンペーンですか

いいえ。公式ヘルプのよくある質問にも、新しいキャンペーンタイプではなく、既存の検索キャンペーンの中で有効にする最適化のレイヤだと書かれています。今のキャンペーンの構造、予算、キーワードはそのまま残ります。

オンにしたら、前の設定はどうなりますか

インテント マッチのキャンペーン設定、ブランド設定、テキストのカスタマイズは、AI Maxの中で管理されるようになると、公式ヘルプにあります。設定の場所が変わるので、オンにしたあとに、どこで何を止められるかを2章の表で確かめておきます。

作られた広告文は、消せますか

アセットレポートから削除できます。公式ヘルプには、ブランドに合わないものを削除できると書かれています。元になったサイトの記載も、あわせて直してください。

会社名で検索された広告にも、オンにしたほうがよいですか

会社名の検索は、もともと狙いがはっきりしている検索です。広げる必要は小さく、広告文も正確さが大事です。私は、会社名のキャンペーンは今の形のまま残し、一般の検索のキャンペーンからテストすることが多いです。これは私の運用の方針で、公式の推奨ではありません。

いつ判断すればよいですか

オンにしてから少なくとも2週間は変更を加えないように、と公式ヘルプにあります。そのあと、テストの結果と、検索語句レポートの「AI 最大化設定」の行の成果を見て判断します。コンバージョンが少ないアカウントでは、判断にもっと長い期間が要ります。期間の考え方は第34回、第38回と同じです。

9. つまずきポイント

AI Maxをオンにしたのに、何も変わらない

予算による制限を受けていないかを見ます。公式ヘルプのとおり、予算に制限があるキャンペーンでは効果が出ません。第36回の予算の損失を確かめます。

見出しを固定していたのに、違う見出しが出ている

最終ページURLの拡張が有効だと、固定アセットは無視されます。必ず出したい文言があるなら、拡張をオフにするか、URLの登録や除外で範囲を決めます。

作り足された広告文に、事実と違う内容が出た

アセットレポートで、その広告文を削除します。そのうえで、元になったサイトの記載を直します。サイトを直さないと、また作られます。

会社概要や採用のページに飛ばされている

ランディングページのレポートの[選択方法]列で、自動で選ばれたページを確かめ、URLの除外で外します。

いつの間にかAI Maxがオンになっていた

テキストのカスタマイズを使っていたキャンペーンは、2026年9月から自動でアップグレードされると告知されています。変更履歴で、いつ切り替わったかを確かめ、テストで比べ直すか、必要な機能だけをオフにします。

オンにしたら、飛び先で404のエラーが出た

トラッキングテンプレートの書き方が原因のことがあります。公式ヘルプには、{lpurl}のタグがない固定のURLをテンプレートに書いていると、自動で選ばれたページではなく固定のURLに飛ぶことがある、{lpurl}をURLのパラメータの途中に入れるような推奨外の書き方だと404のエラーが出ることがある、と書かれています。サイトや計測の担当の方に、推奨の形({lpurl}?、{lpurl}&、{lpurl}# など)になっているかを見てもらいます。

表示回数は増えたが、コンバージョン単価が上がった

広がった先の検索の成果を、検索語句レポートの「AI 最大化設定」の行で分けて見ます。その行の単価だけが高いなら、広がった先に意図の違う検索が混ざっています。除外キーワードで止めるか、テストの結果を見て、元に戻すかを決めます。

最適化案の自動適用で、キーワードが増えていた

自動適用の設定を見て、キーワードの追加をオフにします。増えたキーワードは、変更履歴から確かめて、要らなければ削除や一時停止をします。

慣れたらここまで

AI Maxをオンにしたキャンペーンでは、検索語句レポートの[ソース]列を見ると、広がった検索が「インテント マッチの拡張」から来たのか、「キーワードレス マッチ」から来たのかが分かります。どちらから来た検索が成果を出しているかで、キーワードを足すべきか、AIの広がりに任せるべきかの判断材料になります。

検索語句レポートのソース列で、広がった検索の出どころを分け、キーワードを足すか任せるかを決める流れを示した自作図解
検索語句レポートのソース列で、広がった検索の出どころを分け、キーワードを足すか任せるかを決める流れを示した自作図解

キーワードレス マッチで成果の出ている検索語句が見つかったら、それをキーワードとして登録すると、その検索を確実に取りにいけます。AIが見つけた検索を、人が固めていく、という使い方です。

突き詰めるなら

自動化を深く使うほど、成果の定義の質が、そのまま配信の質になります。第39回で扱った、商談や契約まで返す計測と、AI Maxを組み合わせると、AIが「本当に客になる検索」を探して広がるようになります。

計測の質と自動化の広がりの関係を、問い合わせだけを返す場合と、成約まで返す場合で比べた自作図解
計測の質と自動化の広がりの関係を、問い合わせだけを返す場合と、成約まで返す場合で比べた自作図解

逆に、フォームの送信だけを成果にしたままAI Maxを広げると、送信が多い検索、つまり「問い合わせはするが客にならない検索」にまで広がることがあります。自動化の前に計測、という順番を守ってください。

まとめ

  • AI Maxは新しいキャンペーンではなく、検索キャンペーンに乗せる自動化の設定
  • 2つの柱は、検索語句とのマッチング(広告グループ単位)とアセットの最適化(キャンペーン単位)。個別にオフにできる
  • 抑える機能(ブランドの除外、URLの除外)の場所を先に知る
  • オンにする前に6つを確かめる。予算、計測、サイトの内容、トラッキング、固定アセット、キーワードの優先順位
  • 予算による制限があると効果が出ない。運用中の検索キャンペーンでは15中8で予算の損失が20%以上
  • オンにするならテストから。オンにしたら2週間は触らない
  • テキストのカスタマイズは2026年9月から、動的検索広告は2027年2月から、AI Maxに自動でアップグレード
  • 最適化案の自動適用はアカウント単位。オンかどうかと、何が変わったかを月に1回確かめる
  • 自動化に任せるものと、人が持つもの(成果の定義、言ってはいけないこと、予算、除外、サイトの正確さ)を分ける

「AI Max導入判断シート」は、オンにする前の6つの確認表、業種別の向き不向き12業種、機能とスイッチの一覧、自動でアップグレードされるものの確認表、オンにしたあとの確認表、テストの記録表をまとめています。
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次のレッスン

第41回は、Google Ads Editor(Google 広告エディタ)です。キャンペーンや広告をまとめて作ったり直したりする作業を、パソコンのアプリで効率よく行う方法を扱います。

この講座の全42回の一覧は、講座トップにまとめています。 → Google広告マスター講座トップ

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この記事を書いた人

・アフィリエイトで月7桁達成
・SEOを研究し累計136万PVを達成
・仕組み化とマニュアル構築で一人で9人の外注さんを管理し、オウンドメディアを制作
・広告運用で660万円の成果報酬を獲得
・大手求人サイトから記事の提供を依頼される(業務提携)
・海外のポータルサイトに私が作成したECサイトが取り上げられる
・インスタグラム開始4ヶ月で1万フォロワー獲得
・自分で作ったECサイト、ドロップシッピングで月6桁達成!
・YouTube動画8本で登録者100人突破!

現在は年商億を超える企業様の広告運用を担当したり、広告代理店様、経営コンサルティング会社様、店舗系事業者様のブレイン(参謀)のようなポジションで活動しています。

様々なジャンルのプロの人とチームを組むことで、結果にコミットするネット界の便利屋を目指しています。

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