このページでわかること
こんにちは、あきです。
第13回で候補を集めました。この回は、その中から実際に出すものを選びます。
先に、この回でいちばん伝えたい実測を出します。
登録したキーワードの93.8%は、直近30日で一度も表示されていません。

2026年9月6日に、運用中の10口をGoogle広告APIで数えました。配信中のキーワード3,479本のうち、直近30日で表示回数が1回でもあったのは215本だけでした。
口ごとに見ると23.2%から99.6%まで幅があります。それでも、いちばん良い口でも4本に1本は動いていません。
つまり、キーワードを増やす作業のほとんどは、成果に何も足していません。

この回のゴールは3つです。
- 候補を「出すもの」と「出さないもの」に分けられるようになる
- 増やす作業ではなく、落とす作業だと分かる
- 出す前に除外キーワードを入れておけるようになる
所要時間は1時間から2時間です。必要なものは、第13回で作った候補と数字の一覧だけです。
この回で使う「キーワード選定シート」を、私のLINEで配布しています。候補を貼り付けると、意図の分類と落とす基準が順番に出てくる形にしました。最初に入れておく除外キーワードの一覧も付けています。
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1. キーワードと検索語句は違う
ここを混ぜると、以降の話が全部ずれます。
| 言葉 | 意味 | 決めるのは |
|---|---|---|
| キーワード | 広告主が管理画面に登録する言葉 | あなた |
| 検索語句 | ユーザーが実際に検索窓に打った言葉 | ユーザー |

登録した言葉と、実際に広告が出た言葉は、ほとんど一致しません。どのくらい一致しないかは第15回で数字を出します。
この回で選ぶのは、左側の「キーワード」です。右側は自分では決められません。決められないものを、あとから除外キーワードで削る。その前提で選びます。
2. 選ぶ前に決める3つ
候補の一覧を開く前に、紙の上で決めます。

1つ目。誰に来てほしいか。
「20代女性」のような属性ではなく、その人がいま何に困っているかで書きます。困っている中身が、そのまま検索する言葉になります。
2つ目。何が起きたら成果か。
第10回で決めたコンバージョンです。購入なのか、問い合わせなのか。これによって、狙う言葉の位置が変わります。
3つ目。1件あたりいくらまで払えるか。
第3回で書いた考え方です。この上限が、単価の高い言葉を捨てる根拠になります。
この3つが決まっていないと、候補を前にして手が止まります。「なんとなく関係ありそう」で全部残すことになり、冒頭の93.8%に加担します。
2-2. 材料を3つ集める
紙の上で決めたら、次は材料です。ここを飛ばすと、思いつきだけで候補を作ることになります。

材料1 自社。
売っているものを、機能ではなく「相手のどの困りごとを消すか」で書き出します。「クラウド型の管理システム」ではなく「毎月の集計に3日かかっているのをなくす」です。後者の言い方のほうが、検索される言葉に近いです。
材料2 お客さん。
いちばん良い材料は、すでにあります。問い合わせフォームに書かれた文章、電話のメモ、アンケートの自由記述。そこに書かれている言葉が、そのまま検索される言葉です。
社内で誰も見ていないことが多いので、まず読んでください。30件も読めば、同じ言い回しが何度も出てきます。それが軸になります。
材料3 競合。
同業のサイトを3社開いて、タイトルと見出しに使われている言葉を書き出します。自分たちが使っていない呼び方が必ず出てきます。
そして、もう1つ強い材料があります。Search Consoleです。
自社サイトがすでに検索結果に出ている言葉が、実データで見られます。推定値ではありません。表示回数はあるのにクリックが少ない言葉は、広告で取りにいく候補としてとても良いです。
3. 手順1|軸を決める
軸は、その商売を一言で表す言葉です。
探し方は3つ。
| 探し方 | やること |
|---|---|
| 自社サイトの言葉 | サービス名、カテゴリ名、料金ページの見出し |
| お客さんの言葉 | 問い合わせメール、電話のメモ、口コミ、アンケート |
| 競合の言葉 | 同業のサイトが自分たちを何と呼んでいるか |
いちばん効くのは真ん中です。
社内の呼び方と、検索窓に打たれる言葉は、たいてい一致しません。社内で「導入支援」と呼んでいるものを、お客さんは「代行」と検索している、ということが普通にあります。
軸は1つか2つに絞ってください。3つ以上あるなら、それはキャンペーンを分ける話(第9回)です。
4. 手順2|掛け合わせて広げる
軸だけでは出しません。軸に、目的を表す言葉を足します。

| 切り口 | 例 |
|---|---|
| 料金 | 料金、費用、相場、いくら |
| 比較 | 比較、おすすめ、ランキング、違い |
| 地域 | 地名、駅名、近く |
| 緊急 | 今すぐ、即日、当日 |
| 不安 | 失敗、後悔、デメリット、注意点 |
| やり方 | やり方、方法、手順、自分で |
この6つを軸に掛けると、それだけで数十個できます。
そのうえで、第13回のキーワードプランナーで数字を取ります。取るのは月間平均と、12か月の動きの2つです。
4-2. 生成AIで広げてよいか
使えます。ただし、使いどころが限られます。
| 使える | 使えない |
|---|---|
| 掛け合わせの言い換えを大量に出す | 検索数を答えさせる |
| 業界特有の呼び方を挙げさせる | どれを選ぶべきか判断させる |
| 除外キーワードの候補を出させる | 競合状況を答えさせる |
数字を聞いてはいけません。もっともらしい数字が返ってきますが、実データではありません。数字は必ずキーワードプランナーで取り直してください。
私の使い方は1つだけです。軸の言葉を渡して「同じ意味で使われる別の言い方を30個」と頼む。返ってきた30個をキーワードプランナーに貼り付けて、数字が付いたものだけ残します。
4-3. 表記ゆれをどこまで登録するか
第13回で書いたとおり、ツールの上では表記ゆれで数字が分かれます。
では、登録するときはどうするか。ひらがな・カタカナ・漢字を全部入れる必要はありません。
理由は、Googleが表記ゆれを吸収してくれるからです。マッチタイプの仕組みで、同じ意味の検索は拾われます。詳しくは第15回です。
ただし例外が2つあります。
- 拾われ方に差が出ることがあるので、主要な表記だけは両方入れて様子を見る
- 除外キーワードは吸収してくれない。こちらは表記ゆれを全部書く必要があります(第15回)
ここも第15回とセットで読むところです。
ここまでが「広げる」作業です。ここからが本番です。
5. 手順3|意図で4つに分ける
候補を、その言葉を打った人が「いまどこにいるか」で分けます。

| 段 | 呼び方 | 例 | 成果への近さ |
|---|---|---|---|
| 4 | 買う直前 | 「サービス名 料金」「サービス名 申し込み」 | いちばん近い |
| 3 | 比べている | 「サービス名 比較」「◯◯ おすすめ」 | 近い |
| 2 | 調べている | 「◯◯ やり方」「◯◯ 選び方」 | 遠い |
| 1 | 知ったばかり | 「◯◯とは」 | いちばん遠い |
最初に出すのは4と3だけです。
2と1は、検索数が大きいので目を引きます。ですが、そこにいる人は今日は買いません。予算が限られているうちは、下の2段は捨てます。
第13回の実測が、ここの裏づけになります。
| 言葉 | 月間平均 | 競合性の指数 |
|---|---|---|
| 広告運用代行 | 390 | 72 |
| 広告運用代行 料金 | 10 | 86 |
検索数は39分の1なのに、広告主の混み具合はこちらのほうが上です。買う直前の人が打つ言葉だから、みんな欲しがっています。
数の大きさで選ばないでください。段の高さで選びます。
ここから落とす作業に入ります。候補を貼り付けると、意図の分類と落とす基準が順番に出てくる「キーワード選定シート」を私のLINEで配布しています。落とす4基準をそのままチェック欄にしました。
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6. 手順4|★落とす
ここが、この回の核です。
冒頭に出したとおり、登録したキーワードの93.8%は1か月間1回も表示されていません。
もう1つ、同じ走査から出た数字があります。

表示回数の多い上位2割のキーワードが、表示全体の67.9%から100%を占めていました。測れた6口すべてでそうなっています。
| 口 | 1回も表示されなかった割合 | 上位2割が占める表示の割合 |
|---|---|---|
| A | 99.6% | 100.0% |
| B | 84.8% | 100.0% |
| C | 79.1% | 99.9% |
| D | 66.7% | 67.9% |
| E | 55.4% | 83.8% |
| F | 23.2% | 79.1% |
つまり、キーワードは増やしても働きません。働くのは、ごく一部です。
では、なぜ増えるのか。
捨てる基準を持っていないからです。「関係あるかもしれない」で残すと、全部残ります。
落とす基準を4つ置きます。上から順に当ててください。

基準1 その言葉で来た人に、売るものがあるか。
無いなら落とします。「関連はあるが、うちでは対応していない」は落とす対象です。
基準2 意図の段が1か2か。
第5章の下2段は、最初は出しません。あとで余裕が出たら足します。
基準3 1件あたりの上限を超えていないか。
キーワードプランナーの入札単価の目安が、決めた上限の何倍にもなっているなら落とします。上限の考え方は第3回です。
基準4 同じ意図の言葉が、すでにリストにあるか。
ここが見落とされます。「広告運用代行 料金」と「広告運用代行 費用」は、ほぼ同じ人が打つ言葉です。両方入れても、成果は増えません。
公式ヘルプにも、語順だけが違う言葉はまとめて扱われると書かれています。そちらの記載は第15回で引きます。
害が無いなら残してもいい、と読むこともできます。ですが、管理する対象が増えるぶんだけ、あとで何が効いているか分からなくなります。私は落とします。
6-2. キーワードの呼び分けを整理する
記事によって呼び方が違うので、この講座での言い方を決めておきます。

1つ目の軸。検索の大きさ。
| 呼び方 | 目安 | 性格 |
|---|---|---|
| ビッグ | 月1万以上 | 人は多いが、目的がバラバラ |
| ミドル | 月1,000から1万 | 目的が絞れてくる |
| スモール | 月1,000未満 | 目的がはっきりしている。ここが本命 |
第13回で書いたとおり、この講座では原則4に沿ってスモールから取りにいきます。
2つ目の軸。誰の名前か。
| 呼び方 | 中身 |
|---|---|
| 指名 | 自社の名前、自社サービスの名前 |
| 一般 | 商品カテゴリの名前 |
| 競合指名 | 他社の名前 |
競合の名前で出す手はあります。ただし、相手も同じことをやり返してきます。そして商標の扱いに触れる場合があるので、この講座では推奨しません。
3つ目の軸。語数。
第13回の実測では、実際に使われているキーワードは2語と3語で6割を超えていました。1語だけの言葉は1割です。
6-3. 予算に応じて、どこまで広げるか
予算が違えば、狙う範囲が変わります。

| 月の予算 | 狙う範囲 | 本数の目安 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 買う直前の言葉だけ。指名があるなら指名も | 5本から15本 |
| 10万円から30万円 | +比べている段 | 20本から40本 |
| 30万円から50万円 | +調べている段の一部 | 40本から80本 |
| 50万円以上 | +知ったばかりの段を試す | 80本以上 |
この表は目安で、正解ではありません。判断の順番だけが本質です。予算が小さいほど、下の段を捨てる。それだけです。
1つだけ、はっきり言えることがあります。予算が小さいのに本数を増やすのが、いちばん成果から遠い形です。冒頭の93.8%は、ほとんどがこれです。
7. 手順5|広告グループに割る
残った言葉を、広告文が同じでよいかどうかで束ねます。
判断は1問です。
検索した人の目に、この広告文が自分向けに見えるか。
見えるなら同じ広告グループ。見えないなら別にします。リンク先のページが違うなら、必ず分けます。

第9回で書いた型をそのまま使えます。
| 広告グループ | 入れる言葉 |
|---|---|
| A | サービス名+料金の系統 |
| B | サービス名+地域の系統 |
| C | 悩みの言葉の系統 |
1つの広告グループに何語まで入れるかに、決まった正解はありません。第9回の実測では、1広告グループあたりのキーワード数は中央値14語でした。
7-2. キーワードと広告文とリンク先を揃える
広告グループに割ったら、3つが揃っているかを確かめます。

| 揃えるもの | 確かめ方 |
|---|---|
| キーワード | その広告グループの言葉が、同じ意図でまとまっているか |
| 広告文 | その言葉で検索した人が、見出しに自分の言葉を見つけられるか |
| リンク先 | 飛んだ先のページに、その言葉についての答えが書いてあるか |
「料金」で検索した人を、料金が書いていないトップページに送らない。当たり前のようですが、実務でいちばん多い形です。
この3つがずれると、費用が上がります。Googleは関連性を評価していて、関連性が低いと同じ順位を取るのに高い単価が要ります。評価の中身は第22回の品質スコアで書きます。
ここでは1つだけ覚えてください。キーワードを足すときは、その言葉に見合う広告文とリンク先があるかを同時に考える。無いなら、足すのは広告グループごとです。
7-3. 関連性が低い言葉を入れると何が起きるか
「幅広く拾えるなら、多少ずれていても入れておこう」と考えたくなります。ここで何が起きるかを書きます。
1つ目。単価が上がります。関連性の評価が下がると、同じ位置に出すのにより高い入札が要ります。
2つ目。学習が濁ります。第10回で入れたコンバージョンのデータに、関係ない人のクリックが混ざります。自動入札は、混ざったデータのまま学習します。
3つ目。原因が分からなくなります。成果が出ないとき、キーワードが50本なら1本ずつ見られますが、500本あると見きれません。冒頭の93.8%は、この状態です。
だから「念のため入れておく」をやめてください。入れるかどうか迷った言葉は、入れずに、除外キーワードの候補として控えておくのが正解です。
8. 手順6|出す前に除外キーワードを入れる
配信を始めてから考えるものだと思われがちですが、逆です。
最初に入れておかないと、初日から無駄なクリックが出ます。

業種を問わず、最初に入れておくものがあります。
| 型 | 例 |
|---|---|
| お金を払う気が無い | 無料、フリー、タダ、格安 |
| 働きに来た人 | 求人、採用、バイト、転職、年収 |
| 調べているだけ | とは、意味、仕組み、勉強 |
| 自分でやる人 | 自作、diy、独学、やり方 |
| 他社を探している | 競合他社の社名 |
| すでに客ではない | 解約、退会、クレーム、口コミ 悪い |
実測を出します。私が運用している10口の、キャンペーン単位の除外キーワードは中央値149.5本でした。少ない口で12本、多い口で1,003本です。
150本前後が実務の相場です。最初から150本入れる必要はありませんが、0本で始めるのは、蛇口を開けたまま出かけるのと同じです。
「自分でやる人」の型に注意してください。この講座のように、自分でやりたい人を歓迎する商売なら、ここは除外しません。型はそのまま使わず、自分の商売で読み替えます。
除外キーワードのマッチタイプは、通常のキーワードとは動きが違います。そこは第15回で書きます。
9. 何本くらいが適正か
よく聞かれるので、実測を出します。

| 見たもの | 実測 |
|---|---|
| 1口あたりの配信中キーワード数(中央値) | 231本 |
| いちばん少ない口 | 12本 |
| いちばん多い口 | 2,763本 |
そして、いちばん多い2,763本の口では、そのうち2,751本(99.6%)が1か月間1回も表示されていません。
逆に、12本しかない口では、表示されなかったのは8本でした。率で見れば66.7%ですが、管理する対象が12本なら、動いていないものを見つけて直すのは簡単です。
適正な本数を1つに決めることはできません。言えるのは1つだけです。
★自分で全部に目を通せる本数にしてください。目を通せない数まで増やすと、動いていないものが見えなくなります。
最初は30本から50本で始めるのを勧めます。足りなければ、配信後に検索語句を見て足せます。
9-2. 通しでやってみます
第13回で、1つの商材で候補を集めるところまでやりました。その続きをここでやります。題材は同じ「広告の運用代行」です。
集めた候補と数字(第13回の結果)
| 言葉 | 月間平均 | 競合性の指数 |
|---|---|---|
| 広告運用代行 | 390 | 72 |
| リスティング広告 運用代行 | 390 | 69 |
| リスティング広告 代理店 | 390 | 57 |
| 広告運用代行 相場 | 50 | 58 |
| 広告運用 インハウス | 30 | 36 |
| 広告運用代行 料金 | 10 | 86 |
| 広告運用代行 比較 | 空欄 | ー |
| 広告運用代行 とは | 空欄 | ー |
| 広告運用代行 東京 | 空欄 | ー |
| リスティング広告 運用代行 料金 | 空欄 | ー |
段に分ける

| 段 | 入る言葉 |
|---|---|
| 4 買う直前 | 広告運用代行 料金/広告運用代行 相場 |
| 3 比べている | 広告運用代行/リスティング広告 運用代行/リスティング広告 代理店 |
| 2 調べている | 広告運用 インハウス |
| 1 知ったばかり | 広告運用代行 とは |
「広告運用代行」を3段目に置いたことに、違和感を持つかもしれません。
理由は、この言葉を打つ人が2種類混ざっているからです。頼む先を探している人と、そもそも何なのかを知りたい人。混ざっている言葉は、いちばん上には置きません。
落とす
第6章の基準を上から当てます。
| 言葉 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 広告運用代行 料金 | 残す | 4段目。競合指数86で混んでいるが、いちばん近い |
| 広告運用代行 相場 | 残す | 4段目 |
| 広告運用代行 | 残す | 3段目。ここが量の中心 |
| リスティング広告 運用代行 | 残す | 3段目 |
| リスティング広告 代理店 | 残す | 3段目。指数57といちばん空いている |
| 広告運用 インハウス | 落とす | 基準1。自分でやりたい人に、代行は売れません |
| 広告運用代行 とは | 落とす | 基準2。1段目 |
| 空欄の3語 | 保留 | 第13回のとおり、表記を変えて測り直してから決めます |
10語が5語になりました。
「広告運用 インハウス」を落としたのは、この商材が代行だからです。もし売るものが「内製の支援」なら、この言葉は4段目になります。同じ言葉でも、売るものによって段が変わります。
広告グループに割る
| 広告グループ | 入れる言葉 | 広告文で言うこと |
|---|---|---|
| A 料金 | 広告運用代行 料金/広告運用代行 相場 | 金額のこと |
| B 依頼先 | 広告運用代行/リスティング広告 運用代行/リスティング広告 代理店 | 何ができるか |
2つに分かれました。料金を調べている人に「何ができるか」を見せても刺さらないし、逆も同じだからです。
除外を先に入れる
この商材なら、第8章の型に加えて「自分でやる人」の言葉を除外に入れます。
そして、落とした「広告運用 インハウス」は、除外キーワードにも入れておきます。落としただけだと、他の言葉から拾われる可能性が残るからです。落とすことと、除外することは別の作業です。
9-3. 月に1回の棚卸し
選定は1回で終わりません。月に1回、同じ手順で見直します。

手順1 表示0のキーワードを出す。
管理画面のキーワードの画面で、期間を過去30日にして、表示回数の列を昇順に並べます。0のものが上に集まります。
手順2 3か月連続で0のものを落とす。
1か月だけなら、季節や予算の都合かもしれません。3か月続いたら、その言葉では出ていないということです。
手順3 検索語句レポートから足す。
成果が出ている検索語句を、キーワードとして登録します。
手順4 除外を足す。
関係ない語で出ていたら、除外に入れます。
この4つで15分です。冒頭の93.8%は、これをやっていないアカウントで積み上がります。
10. 自社名(指名キーワード)はどうするか
「自分の会社名で広告を出す必要があるのか」という質問です。
答えは、状況によります。
| こういう場合 | 判断 |
|---|---|
| 競合が自社名で広告を出している | 出す。上を取られると、指名で探した人を持っていかれます |
| 誰も出していない | 急がない。自然検索で1位なら、広告費が上乗せになるだけ |
| 社名が一般名詞と同じ | 出す。関係ない検索に混ざるので、指名だけを取りにいく価値があります |
確かめ方は簡単です。自分の会社名で検索して、広告が出ているかを見てください。出ていなければ、今日は要りません。
なお、指名の言葉はクリック単価が安く、成果につながる率が高いです。だから「広告は効いている」という数字を作るのに都合がよく、そこだけで報告されることがあります。第4回で書いた、代理店を見るときの注意点と同じ話です。指名と一般は分けて見てください。
11. 予算が小さいときの考え方
予算が月に数万円しかないなら、広げる余地はありません。
やることは1つです。
第5章の4段目(買う直前)の言葉だけを、5本から10本入れて出す。
これだけです。3段目も、2段目も、最初は入れません。
理由は、学習が進まないからです。第3回で書いたとおり、自動入札は成果の件数が溜まって初めて働きます。予算を薄く広げると、どの言葉にもデータが溜まりません。
予算が増えたら、3段目を足します。足す順番は、成果が出ている言葉の周辺からです。
12. 出したあとにやること
選定は配信前で終わりません。

やることは2つだけです。
1つ目。検索語句レポートを見て、良い言葉を追加する。
自分では思いつかなかった言葉で成果が出ていたら、その言葉を登録に回します。
2つ目。検索語句レポートを見て、悪い言葉を除外する。
関係ない語で出ていたら、除外キーワードに足します。
頻度は、最初の1か月は週1回、そのあとは月1回で足ります。
やり方は第35回で詳しく書きます。この回では「配信後に育てるものだ」という前提だけ持っておいてください。
12-2. よくある質問6つ
キーワードは何本から始めればいいですか。 30本から50本です。予算が月10万円未満なら、5本から15本で足ります。足りなければ配信後に検索語句から足せます。
ひらがなとカタカナと漢字を全部入れるべきですか。 通常のキーワードは入れなくて構いません。Googleが同じ意味として拾います。除外キーワードだけは全部書いてください(第15回)。
競合の会社名で広告を出してもいいですか。 技術的にはできますが、この講座では勧めません。やり返されますし、商標の扱いに触れる場合があります。
キーワードを消すと、それまでのデータも消えますか。 過去のレポートは残ります。ただし、そのキーワードで積み上げた品質の評価はやり直しになります。迷ったら、消さずに一時停止にしてください。
検索数が0の言葉は入れないほうがいいですか。 表記を変えて測り直してから決めてください。第13回で書いたとおり、漢字で0でもひらがなで16万ということがあります。
キーワードプランナーの数字と、実際の表示回数が全然違います。 違って正常です。キーワードプランナーは検索されている回数、表示回数は自分の広告が出た回数です。間に入札と品質と予算が挟まっています。
13. つまずきポイント
候補が多すぎて選べない
落とす基準を持っていません。第6章の4つを、上から順に当ててください。基準を当てずに眺めていると、いつまでも減りません。
キーワードを増やしたのに表示が増えない
正常です。冒頭の実測どおり、増やしたぶんのほとんどは表示されません。増やすのではなく、いま表示されている言葉の入札や広告文を直すほうが動きます。
検索数の大きい言葉を入れたのに成果が出ない
意図の段が低い言葉です。第5章の1段目や2段目に、人はたくさんいますが今日は買いません。
何を除外すればいいか分からない
第8章の6つの型から始めてください。そのうえで、配信後に検索語句レポートを見れば、自分の商売固有の除外が見えてきます。
キーワードの上限に当たった
実務では、まず当たりません。第9回で書いたとおり、当たるのは広告グループごとの有効なレスポンシブ検索広告3件と、キャンペーンの下書き25件のほうです。
同じ言葉を複数のマッチタイプで入れるべきか
公式は否定的です。広い範囲のマッチタイプは、狭い範囲の一致をすべて含みます。詳しくは第15回で書きます。
慣れたらここまで
1つ目。月に1回、表示0のキーワードを一覧で出します。管理画面のキーワードの画面で、表示回数の列を昇順に並べるだけです。3か月連続で0のものは、落として構いません。
2つ目。成果の出ている言葉の「周辺」を足します。成果が出た検索語句を軸にして、第4章の6つの切り口で掛け合わせ直します。ゼロから探すより当たります。
3つ目。除外キーワードを共有リストにします。複数のキャンペーンや複数のアカウントで同じものを使い回せます。入れ忘れが減ります。
突き詰めるなら
キーワード選定は、突き詰めると「捨てる技術」です。
足すのは誰でもできます。思いついた言葉を入れるだけだからです。捨てるには基準が要り、基準を作るには、何が成果につながったかのデータが要ります。
この講座が計測を先に置いたのは、そのためです。計測が無いままキーワードを選ぶのは、目を閉じて捨てるのと同じです。
もう1つ。ここまでの話は「どの言葉を登録するか」でした。次は「その言葉をどこまで広げて拾うか」です。同じ言葉でも、設定ひとつで拾う範囲が何倍にも変わります。それが第15回です。
まとめ

- ★登録したキーワードの93.8%は、直近30日で1回も表示されていない(3,479本中3,264本)
- ★表示の67.9%から100%を、上位2割のキーワードが占めている
- キーワードは増やす作業ではなく、落とす作業
- キーワードは自分が決める言葉。検索語句はユーザーが打つ言葉。混ぜない
- 意図で4段に分けて、最初は上2段だけ出す
- 検索数が小さくても、買う直前の言葉は競合が濃い(料金は月10回で競合指数86)
- 落とす基準は4つ。売るものがあるか/段が低くないか/単価の上限を超えないか/同じ意図が既にないか
- 出す前に除外キーワードを入れる。実測の中央値は149.5本
- 1口あたりの中央値は231本。目を通せる本数に抑える
- 最初は30本から50本。足りなければ配信後に検索語句から足す
「キーワード選定シート」は、候補を貼り付けると意図の分類と落とす基準が順番に出てくる形にしています。最初に入れる除外キーワードの一覧つきです。
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次のレッスン
第15回は、マッチタイプです。同じ言葉でも、設定ひとつで拾う範囲が変わります。そして「完全一致」は、入れた言葉そのままだけを拾うわけではありません。実際にどれだけ違う語で出ているかを、13,600件の検索語句で数えました。
この講座の全42回の一覧は、講座トップにまとめています。 → Google広告マスター講座トップ


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