Google広告の1日の予算と学習期間|予算の2倍まで使われる仕組みと、学習中に予算を変えていいか

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このページでわかること

こんにちは、あきです。

第21回で入札戦略を選び、第22回で品質スコアを見ました。この回は、その入札戦略に渡す「1日の予算」と、設定を変えたあとに成果が揺れる「学習期間」を扱います。

先に、この回の核になる話を出します。

1日の予算は「その日に使ってよい上限」ではなく「1か月を通した1日あたりの平均」です。そして、入札を自動にしているキャンペーンでは、予算の触り方しだいで学習がやり直しになることがあります。

私が運用しているアカウントのうち、配信中の15本について、直近30日の費用を日ごとに並べました。

配信中のキャンペーン15本・385日で、1日の費用が1日の予算の何倍だったかの分布
配信中のキャンペーン15本・385日で、1日の費用が1日の予算の何倍だったかの分布
1日の費用 ÷ 1日の予算 日数
0.5倍未満67日
0.5〜0.9倍53日
0.9〜1.0倍56日
1.0〜1.2倍155日
1.2〜1.5倍28日
1.5〜2.0倍23日
2.0倍を超えた日3日

385日のうち209日、つまり半分を少し超える日で、1日の予算より多く使われていました。予算を超えるのは珍しいことではなく、毎日のように起きています。

この回のゴールは3つです。

  • 1日の予算の上限の仕組み(1日と1か月の2段)を説明できる
  • 学習期間がどうやって始まり、どのくらい続くかを公式の言葉で説明できる
  • 予算を変えるときに、学習を崩さない変え方を選べる

所要時間は40分です。管理画面で自分のキャンペーンの予算と入札戦略のステータスを開いた状態で読むと、そのまま確かめられます。

この回で使う「予算と学習期間の判断シート」を、私のLINEで配布しています。予算を変える前に確かめる項目と、学習中に待つ期間の数え方を全7ページにまとめました。
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1. 第3回との分担

費用の相場と、予算を目標の件数から逆算する方法は、第3回で書きました。この回ではそこを繰り返しません。

第3回とこの回で扱う範囲の違いを並べた自作図解
第3回とこの回で扱う範囲の違いを並べた自作図解
回 扱うこと
第3回費用の相場、予算をいくらにするかの逆算
この回決めた予算がどう使われるか、変えたときに何が起きるか

第3回で決めた金額を、この回で「どう入れて、どう動かすか」に進める、という順番です。

2. まずこれだけ

この回の要点を4つに絞った自作図解
この回の要点を4つに絞った自作図解

1. 1日の費用は、1日の予算の2倍まで振れる 2. 1か月の請求は、1日の予算の30.4倍が上限 3. 学習期間の長さは日数より、コンバージョンの件数とサイクルで決まる 4. 予算は「頻繁に」「大きく」変えない。変えたら待つ

この4つを押さえておけば、「予算より使われた」と慌てることも、「学習が終わらない」と設定をいじり続けることも減ります。以下、1つずつ書きます。

3. 1日の予算は「平均」

公式の書き方

キャンペーンの予算欄の正式な名前は「1日の平均予算」です。公式ヘルプにこう書かれています。

「1 日に発生する実際の費用は、ご指定の 1 日の平均予算を超えて最大 2 倍の額になることがあります」

「お客様への実際の請求額が 1 か月の請求額の上限を超えることはありません。この上限は、ご指定の 1 日の平均予算に 1 か月の平均日数(30.4)を掛けた額になります」

出典 Google広告ヘルプ「Google 広告の費用を管理する」(https://support.google.com/google-ads/answer/1704424?hl=ja 2026年9月26日確認)。

1日の上限と1か月の上限の2段になっている仕組みの自作図解
1日の上限と1か月の上限の2段になっている仕組みの自作図解

上限は2段あります。

上限 大きさ(1日の予算を1とする)
1日の費用の上限2
1か月の請求の上限30.4

30.4は、1年の365日を12で割った1か月の平均日数です。

「ほとんどのキャンペーン」という断り

別の公式ページでは、この2つの上限に「ほとんどのキャンペーンでは」という断りが付いています。

「特定の日における 1 日の費用の上限(ほとんどのキャンペーンでは 1 日の平均予算の 2 倍)」

出典 Google広告ヘルプ「1 日の平均予算について」(https://support.google.com/google-ads/answer/6385083?hl=ja 2026年9月26日確認)。

つまり、全部のキャンペーンに同じ数字が当てはまるとは書かれていません。どのキャンペーンが例外なのかは、今回読んだ範囲では書かれていませんでした。「2倍」と「30.4倍」は、ほとんどの場合の目安として覚えておくのが安全です。

なぜ平均なのか

Googleは、検索の多い日やコンバージョンにつながりやすい日に多めに使い、少ない日には控えます。公式ではこう説明されています。

「クリックやコンバージョンを獲得しやすい日にチャンスを逃さないよう予算の消費が最適化されます」(出典 answer/6385083)

毎日きっちり同じ額を使うより、1か月で見て成果が多くなる配り方をする、という考え方です。

4. 実測では何倍まで出たか

冒頭の分布を、もう少し細かく見ます。

5つの口ごとに、1日の費用が1日の予算の何倍まで出たかの最大値
5つの口ごとに、1日の費用が1日の予算の何倍まで出たかの最大値
口 1日の予算に対する最大
口E1.998倍
口H1.062倍
口I1.98倍
口K1.674倍
口L2.257倍

口Hは1日の予算をほとんど超えず、口Eと口Iは2倍の手前まで出ていました。同じ仕組みでも、振れ幅は口によってかなり違います。

2倍を超えた日

口Lの検索キャンペーン2本は、入札が「コンバージョン数の最大化」でした。9月15日から24日まで、毎日ほぼ2倍で推移し、1日だけ2.257倍の日がありました。

2倍を超える日があること自体は、公式ページでも想定されています。クリックや表示で発生した合計の費用が上限を超えても、上限より上の分を払う必要はない、という趣旨です。

出典 Google広告ヘルプ「超過配信と 1 日の平均予算について」(https://support.google.com/google-ads/answer/2375423?hl=ja 2026年9月26日確認)。

管理画面の「費用」は配信費用です。請求の額とは別物なので、「費用」の列が2倍を超えていても、その分がそのまま請求されるわけではありません。

月の合計で見ると

15本の30日合計を、1日の予算×30.4で割った値の分布
15本の30日合計を、1日の予算×30.4で割った値の分布

15本の直近30日の合計を「1日の予算 × 30.4」で割りました。

30日合計 ÷(1日の予算 × 30.4) 本数
0.2未満(ほとんど使っていない)3本
0.8〜1.08本
1.0を少し超えた(最大1.014)4本

1.0を少し超えたのが4本ありました。ただし、この30日は8月と9月にまたがっていて、しかも見ているのは配信費用です。月の請求の上限は暦の1か月ごとにかかるので、この数字だけで「上限を超えて請求された」とは言えません。

毎日のように予算を超えていても、30日で見るとほとんどが1.0の近くに収まっていました。公式の仕組みどおり、多い日と少ない日でならされている、と読むのが自然です。

5. 超えた分はどこで確かめるか

請求額レポートで配信費用と請求額を並べ、差を超過分として見る流れの自作図解
請求額レポートで配信費用と請求額を並べ、差を超過分として見る流れの自作図解

超えた分が本当に請求されていないかは、請求額レポートで確かめられます。レポートを開く手順は、第8回で画面の順に書きました。

この回で見てほしいのは、開いたあとの読み方です。キャンペーンの行ごとに「配信費用」と「請求額」の2列が並びます。左の配信費用から右の請求額を引いた差が、上限を超えたぶんとして請求されなかった額です。差がある日は、仕組みどおり調整が入った日と読めます。

出典 answer/2375423(2026年9月26日確認)。

月の上限を超えて配信された分は、クレジットとしてアカウントに戻る、と公式に書かれています。

「1 か月の請求額の上限を超えて広告が表示された場合には、超過分のクレジットがアカウントに適用されます」(出典 answer/1704424)

「予算より多く使われた」と感じたら、まずこのレポートで配信費用と請求額の差を見てください。感覚で判断するより早く、確実です。

6. 予算を変えた日の注意

予算はいつでも何回でも変えられます。

「1 日の平均予算は、何回でも自由に変更できます」

出典 Google広告ヘルプ「キャンペーンの 1 日の平均予算を設定、変更する」(https://support.google.com/google-ads/answer/2375420?hl=ja 2026年9月26日確認)。

ただし、変えた日の上限の計算は、少し複雑です。公式の例は「1日の予算が1か月を通じてずっと同じだった場合」で書かれています。月の途中で変えたときの計算は、公式の「費用の上限について」というページに詳しく書かれていると案内がありますが、今回はそのページまで確認できていません。そのため、この回では計算式を書きません。

過去の日を今の予算で割らない

実測で1つ、分かりやすい落とし穴がありました。

予算を下げたあと、過去の費用を新しい予算で割ると何倍にも見える仕組みの自作図解
予算を下げたあと、過去の費用を新しい予算で割ると何倍にも見える仕組みの自作図解

口Cは9月4日に、3本のキャンペーンの予算を元の0.22倍前後(およそ5分の1)に下げていました。下げる前の日の費用を、今の予算で割ると4倍から5倍になります。

これは使いすぎではありません。下げる前の予算で割り直すと、ほぼ1倍の近くに戻ります。

予算を変えたキャンペーンの過去を見るときは、その日に設定されていた予算で割ってください。変更の履歴は、管理画面の「変更履歴」で日付ごとに確かめられます。

7. 予算が足りていないサイン

予算が足りないときに出るステータスと推奨予算の場所の自作図解
予算が足りないときに出るステータスと推奨予算の場所の自作図解

予算が足りているかどうかは、Googleが教えてくれます。見る場所は2つです。

入札戦略のステータス

入札戦略のステータスに「制限付き」と出て、理由が「予算制限」なら、予算が足りていません。公式の説明はこうです。

「この戦略を使用しているキーワードの多くは、予算による制限を受けています」

出典 Google広告ヘルプ「入札戦略のステータスについて」(https://support.google.com/google-ads/answer/6263057?hl=ja 2026年9月26日確認)。

実測では、配信中のキャンペーンのうち、入札戦略のステータスが「予算による制限」だったのが1本、キャンペーンの状態の理由に予算の制約が入っていたのが4本ありました。

推奨予算

1日の予算を使い切ることが多く、増やせばクリックや表示が増えそうなキャンペーンには、推奨予算が表示されます。(出典 answer/2375420)

推奨予算は「増やせばもっと出られる」という目安です。「増やせば成果が同じ効率で増える」という保証ではありません。増やす前に、今の1件あたりの費用が許せる範囲かを先に確かめてください。許せる範囲なら増やす、超えているなら先に第21回と第22回の見直しから、という順番です。

8. 共有予算を使うときの注意

複数のキャンペーンで1つの予算を分け合う「共有予算」という仕組みもあります。(出典 answer/6385083)

共有予算と最大化の入札戦略を組み合わせたときに「設定が不適切」になる例の自作図解
共有予算と最大化の入札戦略を組み合わせたときに「設定が不適切」になる例の自作図解

ここで1つだけ注意があります。コンバージョン数の最大化などの「最大化」の入札戦略が、別の入札戦略のキャンペーンと予算を共有していると、ステータスが「設定が不適切」になることがあります。(出典 answer/6263057)

直し方は2つ公式に書かれています。共有予算から外すか、共有予算を使うキャンペーンを全部1つのポートフォリオ入札戦略にまとめるかです。

実測では、配信中のキャンペーンで共有予算を使っていたのは0本でした。最初のうちは、キャンペーンごとに予算を分けておくほうが、どこにいくら使われたかが追いやすくなります。

ここまでで、1日の予算の仕組みと、超えた分の確かめ方が終わりました。予算を変える前に確かめる項目と、学習中に待つ期間の数え方を全7ページにまとめた「予算と学習期間の判断シート」を、私のLINEで配布しています。
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9. 学習期間とは

ここから後半です。

入札を自動にしているキャンペーンでは、設定を変えたあと、Googleが新しい条件に合わせて入札を調整し直す期間があります。その間、入札戦略のステータスが「学習中」になります。

入札戦略のステータスが「学習中」になる3つの理由の自作図解
入札戦略のステータスが「学習中」になる3つの理由の自作図解

「学習中」になる理由は、公式に3つ書かれています。

理由 どんなとき
新しい戦略入札戦略を作った、または再度有効にした
設定の変更入札戦略の設定を変えた
構成要素の変更キャンペーン、広告グループ、キーワードを入札戦略に追加した、または外した

出典 Google広告ヘルプ「キャンペーンの学習期間の長さと、それに影響を与える要因」(https://support.google.com/google-ads/answer/13020501?hl=ja 2026年9月26日確認)。

ショッピングキャンペーンでは、広告グループの目標値を変えたときにも「学習中」になることがある、と書かれています。

どの理由で学習中になっているかは、ステータスにカーソルを合わせると表示されます。

実測では、配信中のキャンペーンのうち2本が「学習中」で、理由はどちらも「新しい戦略」でした。

手動の入札には学習期間がない

公式に、学習期間は個別クリック単価には当てはまらないと書かれています。

「学習期間を個別クリック単価に適用することはできません」(出典 answer/13020501)

つまり、この回の後半の話は、コンバージョン数の最大化、目標コンバージョン単価などの自動入札を使っているキャンペーンの話です。クリック単価を手で決めている場合は、予算を変えても「学習中」にはなりません。

「学習中」の間は評価しない

「ステータスが「学習中」の間は主要な指標が一定しないため、学習期間が終わってから掲載結果を測定してください」(出典 answer/6263057)

学習中の数字だけを見て、「高い」「成果が出ない」と判断しないでください。判断するのは学習が終わってからです。

10. 学習期間はどのくらい続くか

競合の記事の多くは「1〜2週間」と書いていますが、出典を示している記事は見つかりませんでした。公式の書き方を並べます。

学習期間の長さを決める3つの要因と、目安の「50回」「3サイクル」の自作図解
学習期間の長さを決める3つの要因と、目安の「50回」「3サイクル」の自作図解

長さを決める3つの要因

公式に、学習期間の長さに影響する要因として3つが挙がっています。

1. 獲得したコンバージョンの数 2. コンバージョン サイクルの長さ(広告が押されてから、申し込みや購入が起きるまでの日数) 3. 入札戦略の種類

目安は日数ではなく件数とサイクル

「コンバージョン イベントが 50 回程度発生するか、コンバージョン サイクルが 3 回程度発生することがあります」(出典 answer/13020501)

公式の目安は「何日」ではなく「コンバージョン50回程度」または「コンバージョン サイクル3回程度」です。過去のキャンペーンのコンバージョンデータがあると短くなる場合がある、とも書かれています。

自分のキャンペーンに置き換える

コンバージョン サイクルの長さ別に、学習期間の目安を数える自作図解
コンバージョン サイクルの長さ別に、学習期間の目安を数える自作図解

サイクルの意味は第21回でも触れたので、ここでは数え方だけ書きます。公式の例では、クリックからコンバージョンまでが通常2日以内なら、調整にかかる期間はおよそ2日です。(出典 Google広告ヘルプ「Google の入札アルゴリズムによる学習の仕組み」 answer/10970825)

これを3サイクルに当てはめると、こう考えられます。

クリックからコンバージョンまで 3サイクルの目安
1日前後(ネットで即日申し込む商品)数日
2日前後1週間ほど
1週間前後(比べてから問い合わせる商材)3週間ほど

この表は、公式の「3サイクル」を自分のサイクルに掛け算した目安で、公式に書かれた日数ではありません。コンバージョンが1か月に数件しかないキャンペーンでは、50回にはなかなか届きません。その場合は、学習が長引くと考えておくほうが実態に近くなります。

自分のキャンペーンのサイクルは、入札戦略レポートの「コンバージョン達成までの所要時間」で確かめられる、と公式に書かれています。(出典 answer/10970825)

「学習中」が消えても学習は続く

「入札ステータスが「学習中」と表示されなくなった場合でも、Google のアルゴリズムでは学習が継続されます」(出典 answer/13020501)

ステータスは区切りの目安で、学習そのものが止まるわけではありません。

11. 予算を変えると学習に戻るか

この回でいちばん聞かれる問いです。公式の中にも、書き方が2通りあります。

目標値の変更と予算の頻繁な変更について、公式の2つの書き方を並べた自作図解
目標値の変更と予算の頻繁な変更について、公式の2つの書き方を並べた自作図解
公式ページ 書かれていること
学習の仕組み(answer/10970825)「目標値を変更しても、ステータスが「学習中」に戻ってしまうことはなく、スマート自動入札がご利用のアカウントについてすでに学習した内容がリセットされることも一切ありません」
コンバージョン トラッキング データについて(answer/6270625)「予算、目標(アクション単価または広告費用対効果)、コンバージョン目標を手動で頻繁に調整すると、標準の 7 ~ 14 日間の学習期間がリセットされ、キャンペーンの最適化が遅れます」

出典 answer/10970825・answer/6270625(どちらも2026年9月26日確認)。

一見すると矛盾しています。ただ、2つを並べて読むと、違いは「頻繁に」にあると読めます。

1回の目標値の変更で学習がゼロに戻ることはない。ただし、予算や目標を何度も続けて動かすと、そのたびに調整がやり直しになり、落ち着くまでの期間が延びる。私はこう読んでいます。公式の同じページには、こうも書かれています。

「広告配信の遅延を防ぎ、システムを安定させるため、この最適化期間中は追加の変更を加えないことをおすすめします」(出典 answer/6270625)

なお、学習中になる理由の3つ(新しい戦略、設定の変更、構成要素の変更)には、予算の変更は入っていません。予算を1回変えただけでステータスが「学習中」に変わるとは、今回読んだ公式ページには書かれていませんでした。

実測

直近30日に予算を変えたキャンペーンの変更の大きさと、今のステータス
直近30日に予算を変えたキャンペーンの変更の大きさと、今のステータス

直近30日に予算を変えていたキャンペーンを見ました。

口 予算の変更(変更後 ÷ 変更前) 今の入札戦略のステータス
口B2.628倍・1.157倍・0.917倍・0.935倍有効
口C0.22倍前後(3本)・0.955倍(3本)有効

2.6倍に増やしたものも、5分の1に下げたものも、2週間から3週間あとの今は「学習中」ではありませんでした。

ただし、これは「今の状態」です。変えた直後に一時的に「学習中」になったかどうかは、この取り方では分かりません。また、口Cは同じ月の中で予算を2回変えています。実際の運用でも、大きく1回変えたあとに微調整を1回入れる、くらいの頻度でした。

この実測と公式の2つの書き方を合わせると、私の結論はこうです。

  • 予算を変えること自体は、恐れなくていい
  • ただし、何度も続けて動かさない
  • 変えたら、少なくともコンバージョン サイクル1〜2周分は待つ

3つ目は公式の言葉です。

「未発生のコンバージョンが残らないようコンバージョン サイクル 1~2 周分の時間が経過するまで待ちましょう」(出典 answer/10970825)

「20%以内なら大丈夫」について

競合の記事では「予算の変更は20%以内に」という数字がよく出てきます。しかし、今回読んだ公式ページには、20%という数字は見つかりませんでした。

小さく変えるほうが揺れが小さい、という考え方自体はおかしくありません。ただ、口Bや口Cのように大きく変えても落ち着いている例もあります。20%は公式の基準ではなく、運用する人の経験則として受け取ってください。

12. 学習中にやること・やらないこと

学習中にやってよいことと、控えることを並べた自作図解
学習中にやってよいことと、控えることを並べた自作図解
やってよいこと 控えること
検索語句を見て、除外キーワードを足す予算を何日も続けて動かす
広告の審査の状態を確かめる目標値を毎日のように変える
コンバージョンが計測されているか確かめるキャンペーンを止めて作り直す
請求額レポートで超えた分を確かめる広告グループやキーワードを大きく入れ替える

右の列は、どれも学習のやり直しにつながりやすい操作です。「構成要素の変更」も学習中になる理由に入っているので、キーワードを大きく入れ替えるのも同じです。

除外キーワードを足すことは、無駄なクリックを止めるための操作です。学習中でも、明らかに関係のない検索語句に費用が流れているなら、止めてかまいません。この線引きは公式の記載ではなく、私の運用上の判断です。

13. 学習が終わらないとき

学習が長引くときに確かめる3つの順番の自作図解
学習が長引くときに確かめる3つの順番の自作図解

「学習中」がなかなか消えないときは、次の順番で確かめます。

1. コンバージョンが計測されているか 2. コンバージョンの件数が少なすぎないか 3. 学習中の間に、設定を何度も変えていないか

1つ目がいちばん多い原因です。計測が止まっていると、Googleはいつまでも手がかりを得られません。第10回の設定を見直してください。

2つ目は、公式の目安の「50回程度」から逆算します。1か月のコンバージョンが数件なら、学習は長くかかります。その場合は、第21回で扱ったとおり、先にクリック数の最大化でデータを集める選び方もあります。

3つ目は、変更履歴を開けば確かめられます。毎日何かを変えていたら、それが学習を長引かせている可能性があります。

14. つまずきポイント

予算の2倍以上使われた日がある

「費用」の列は配信費用です。2倍を超えた分は、上限を超える額としては請求されない、と公式に書かれています。請求額レポートで配信費用と請求額の差を確かめてください。

予算を下げたのに、今日の費用が多い

その日のうちに下げても、それまでに使った分は戻りません。変えた日の費用は、変える前と変えた後の両方の影響を受けます。判断は翌日以降の数字で行ってください。

過去の日が予算の何倍も使っているように見える

予算を下げたあとに、過去の日を今の予算で割っていないか確かめてください。口Cの例のとおり、その日の予算で割れば1倍の近くに戻ることがあります。

「学習中」が1か月以上続く

コンバージョンの件数が公式の目安に届いていない可能性があります。上の「学習が終わらないとき」の3つを順番に確かめてください。

予算を増やしたのに成果が増えない

入札戦略のステータスの理由が「予算制限」でなければ、予算以外が詰まっています。「入札単価の上限」や「広告枠」が理由なら、予算を増やしても出られる場所は増えません。実測でも、入札単価の上限で制限されていたキャンペーンが4本ありました。

慣れたらここまで

1つ目。予算を変える日を決めます。週に1回、同じ曜日に見て、変えるならその日だけにする。毎日触る癖がなくなると、学習が落ち着くまでの時間が読みやすくなります。

2つ目。短い期間の変化は季節性の調整を使います。セールなど、コンバージョン率が大きく変わると分かっている短い期間は、予算や目標を何度も動かす代わりに、季節性の調整を登録できる、と公式に書かれています。(出典 answer/10970825)

3つ目。変える前にシミュレーションを見ます。入札戦略レポートには、目標値や予算を変えたときに費用やコンバージョンがどう動きそうかを示すシミュレーションがあります。(出典 answer/10970825)先に見ておけば、変えたあとの揺れに慌てずに済みます。

突き詰めるなら

予算と学習期間は、突き詰めると「Googleに渡す材料の量と、渡すペース」の話です。

予算が少なすぎると、クリックもコンバージョンも少なく、学習の材料が溜まりません。学習が終わらないまま月が過ぎます。

予算を頻繁に動かすと、材料の意味が毎回変わります。昨日までの配り方が、今日は通用しません。

だから順番はこうです。第3回の逆算で、学習に足りる件数が取れる予算を決める。決めたら、コンバージョン サイクル1〜2周分は動かさない。動かすときは、回数を少なく、理由を1つに絞る。

1日の予算は、毎日の上限ではなく、1か月の配分をGoogleに任せるための数字です。任せた以上、しばらく任せきる。それが、この回で伝えたかったことです。

まとめ

この回の要点をまとめた自作図解
この回の要点をまとめた自作図解
  • 1日の予算は「平均」。1日の費用は2倍まで振れる
  • 1か月の請求は、1日の予算の30.4倍が上限。超えた分はクレジットで戻る
  • ★実測では385日のうち209日で予算を超えていた。30日で見るとほぼ1.0に収まる
  • 超えた分は請求額レポートの「配信費用 − 請求額」で確かめる
  • 予算を下げたあとで、過去の日を今の予算で割らない
  • 予算不足のサインは「予算制限」のステータスと推奨予算
  • 学習中になる理由は、新しい戦略、設定の変更、構成要素の変更の3つ
  • ★学習期間の公式の目安は、コンバージョン50回程度かサイクル3回程度
  • ★予算や目標を頻繁に変えると、7〜14日の学習期間がリセットされる
  • 変えたら、コンバージョン サイクル1〜2周分は待つ
  • 「20%以内」は公式の数字ではない

「予算と学習期間の判断シート」は、1日と1か月の上限の見方、予算を変える前の5つの確認、学習中に待つ期間の数え方、学習が終わらないときの3つの確認をまとめています。
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前のレッスン

→ 第22回 品質スコアを上げる

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第24回は、P-MAXキャンペーンです。検索だけでなく、YouTubeやディスプレイなどにまとめて出すキャンペーンの作り方と、任せすぎないための設定を扱います。

→ 第24回 P-MAXキャンペーン

この講座の全42回の一覧は、講座トップにまとめています。 → Google広告マスター講座トップ

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この記事を書いた人

・アフィリエイトで月7桁達成
・SEOを研究し累計136万PVを達成
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現在は年商億を超える企業様の広告運用を担当したり、広告代理店様、経営コンサルティング会社様、店舗系事業者様のブレイン(参謀)のようなポジションで活動しています。

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